商談中のお客さんと突然、連絡が取れなくなったときの対処法
「40’s Biz talk」は法人営業やBtoBマーケティングが専門の40代男性2人、杉本浩一と柳澤大介がお届けするポッドキャスト番組。
音声番組の内容を読みやすく要約してnoteでお届けしています。第34回は「突然お客様と連絡が取れなくなる商談」はなぜ起こるのか?ついて。
それでは、本編の内容をお届けします。
“法人営業の熟練工” こと相川雄輔さん
柳澤:今回は公開収録です。早速ですが、ゲストの相川雄輔さんの自己紹介をお願いします。
相川:今日はお邪魔します。相川と申します。よろしくお願いいたします。
杉本さんとは会社員時代から仲良くさせてもらっているんです。簡単に経歴をお伝えすると、2007年から東商プライム上場の広告代理店で10年間がっつりしごかれてきました。
その後にJASDAQ上場のSNSマーケティングの会社で3年働きました。その経験をもとに2021年の1月に個人事業主として独立して、半年後に会社を設立して、4期目に入っているところでございます。
ビジネスの中心は営業の支援事業と、経営者の交流会事業の2本立てでやっております。よろしくお願いします。
杉本:相川さんとは私がツイッターを始めたころからのお付き合いで、今でこそXに営業のアカウントってたくさんあると思うんですけど。私は昔からエンタープライズ営業とかのマニアックなネタだけを投稿していたので、あまり話が通じる人がいなかったんです。
そんな中、相川さんは「法人営業の熟練工」と名乗るだけあって、渋い話を持ってるんですよ。それで仲良くなって、イベントで初めて会ったんです。
相川:そうですね、六本木だったかな。
杉本:「あなたが相川さんですか!」みたいな感じで。「あの熟練工の!」って。「いつも絡んでいただいてありがとうございます」みたいな感じで。
相川:ハグした記憶ありますね。
杉本:そうそう!会った瞬間、嬉しくなっちゃって♡
柳澤:早速ですが1つ目のテーマは、「突然、お客様と連絡が取れなくなる商談はなぜ起こるのか」。これについて話したいと思います。
杉本:いやー最近も私、連絡が取れなくなった商談あるんですよ。変な話なんですけど、営業ずっと長くやってるとこんなこと当たり前なので、若干もう不感症になってるっていうか。
突然、お客様と連絡が取れなったらどうする?
柳澤:せっかく営業の熟練工が来てるので、相川さんにお聞きしましょう。
相川:過去職を振り返って自分のメンバーがやってることを見てると、そりゃ音信不通になるよなってコミュニケーションがよく散見されます。そのときの典型が、商談して数日後に「ご検討状況いかがですか?」って送ること。
柳澤:あー、よく見ますね。
相川:「ご検討状況いかがですか?」って。「今週の水曜が期限になってるかと思います。よろしくお願いします」みたいな感じで。
そりゃ返ってこないよねー、みたいなコミュニケーション。お客さんだって検討しているのは間違いなくて、それでも返信しない・できない理由があるわけじゃないですか。
忘れてるかもしれないし、思い通り進んでないかもしれないし。いろんな状況があるときに、「どうですか?」って言われたらイラッとしますよ。
せめてそのときに、「検討いただいてる状況だと思うんですけども、こういう状況であれば、こういったものも準備できます」とか、何か相手の立場になって言わないと音信不通の雨あられだわ、と。
柳澤:だいたい音信不通になるのは、そのタイミングですよね。
相川:そうするとこっちも今後連絡しづらくなるじゃないですか。だからドツボにはまっていく。
柳澤:確かにー。杉本さんはどうですか?
杉本:ちなみに私はさっき「検討状況いかがですか?」メールを送りました(汗)。
柳澤:Zoomで繋いでるんですけど、相川さんの話を聞いてるとき、杉本さんがとても難しい顔してました(笑)。なんかやっちゃった顔してるなと思って。
杉本:ありますよー。大前提として「検討状況いかがですか?」って聞く状況になる原因は、最初の提案が刺さってないって私は思うんですよね。
逆に検討状況を聞く必要がない商談って、初回商談でわかるんです。もちろん、めちゃめちゃ刺さったけど、もう本当に無い袖が触れなくて予算がないんです、みたいなときはしょうがないんですけど。
「検討状況いかがですか?」って聞くのは、相手から何の連絡も来ないときじゃないですか?提案が刺さっていれば連絡が来ないことってないですよね。
だから振り返ると、そのときにいかに「この人とは繋がっておいたほうがいいな」っていうふうに思わせることができるかっていうこと。
信頼構築には2つの要素があって、専門性と人間性なんです。これも研究で明らかになっていて。
専門性が伝わって、この人とは会話ができるというか、続けていったほうがいいって思わせることが、一回目でできれば後から途切れることはないんです。
商談は後からの挽回が難しいので、一瞬、一瞬を大事にしようって思って生きてます。
「全然別件なんですけど」はすごく便利
柳澤:「その後、検討状況いかがですか?」っていうコミュニケーションは、2回、3回と続いていくときついですよね。営業としても聞きづらいし、お客さんにも急かしてる感じがするし。
杉本:僕は「こうおっしゃってましたけれども、いかがですか?」とか、「ギブ」を心がけたりはしますけどね。
今返事はないけれども、「この前こういうことをおっしゃっていたので、ちょうど良い情報ができました」っていうのを小分けにして、ちょい見せしていくようにしてるんです。
実際、ドカッと送り物を送りつけても、皆さん理解できないので、ポイントを絞って、「こうおっしゃってましたけれども、新しい情報があったんで送ります」っていうのを、フックにして送るようにしてたりはしますけど。
相川:それは鉄板ですよね。僕は「全然別件なんですけど」って言いながら送ります。
杉本:いいですね、「全然別件なんですけど」って、私も使ったことがあります。
相川:「先日はご提案ありがとうございました。ご検討中かと思いますが、全然別件なんですけれども、これこれこんな情報があったので、お届けします」みたいな感じで。
杉本:全然別件じゃなくて、本当は検討状況を聞きたいんだけどね(笑)。わかるなぁ、それ。
相川:向こうも気まずくて、こっちに返信しづらいんだろうなっていうのを察しているんで、もう一回口聞いてくれるネタを探しに行くために、ちょいちょい出していくっていうのはやりますね。
杉本:だからギブの情報提供していく。最初の提案で刺さっててもずっと連絡が来ないこともってあって、忘れた頃に連絡が来るっていうのもあるんですよ。
後から聞くと、単純にあのときは忙しかったし、実行タイミングじゃなかったとか。でもこまめにコンタクトをしてると思い出してくれる。だから8ヶ月後に受注とかもありますね。
相川:僕は広告代理店だったで結構泥臭いわけですよ。「“使えるやつ”だと思ってもらえるか」っていうのは結構大事なポイントだと思ってて。
競合も同じ商品を扱ってるじゃないですか。いかに“使えるやつ”だって思ってもらえるかを意識していました。
「使えるやつだ」と思われる秘訣とは
杉本:使えるやつね。ちなみに広告代理店の中で、「使えるやつって思われる人」ってどんな人だったりするんですかね。
相川:やっぱり情報の速さですね。代理店って情報を勝手に絞っちゃうんですよ。気を利かせて絞っちゃったりするんですけど。
あるときお客さんに言われたのが、「あんまりその辺絞らなくていいですよ。相川さんが思ってる以上にこっちが知りたい情報って違ったりするんで、ガンガン送ってください」でした。
代理店はものすごい情報が飛び交ってるんです、裏側で。それを全部いちち共有したら埋もれちゃうなと思って、選定してたんですけど。「まるっと送ってもらった方が嬉しいですよ」って人がいましたね。
それはもちろん人を選んでやるんですけどね。「スピード、スピード!」って言ってました、お客さんも。
杉本:鮮度の高い情報を送るのが大事なんですね。
相川:情報って生物なんだって上司に言われてましたし。「どんな営業だったら物を買いますか、どこから買いますか」って、片っ端からいろんな人に聞いていくと、結局、「情報って鮮度だよね」と。
LINEスタンプ、LINE公式アカウントが出たばっかりの時代に、僕、それを受注した話があったんですけど、そのきっかけも真っ先に僕が情報をお届けしたことでした。
柳澤:情報提供って商談中のお客さんや既存客にはこまめに行うと思いますけど、見込み客にもやってますか?
相川:当時は特定のお客さんに絞ってたので、そこに対しては必ず情報を送ってました。他社が入っちゃったら僕ら地獄なので。「あれ?相川さん、アカウントプランでここにこれやるって言ってたけど、これどうなってんの?」って吊るし上げられちゃうんで。
「杉本通信」がかなり有効だった
柳澤:そういえば杉本さんは昔、「杉本通信」ってやってませんでしたっけ?
杉本:よく覚えてますね、やってましたよ。若き日の杉本青年、新卒2年目か3年目ぐらいの時代ですかね。NTTコミュニケーションズにいたとき。
NTTにもいろんな情報があって、例えばNTT研究所には新しい技術がいっぱいあるんですよ。あとは、いまはなくなっちゃったんですけど、日経テレコミュニケーションズとか、いわゆる情報通信業界の専門誌があって。
あれは私が勉強のために読んでたっていうのもあるんですけど、お客様も関心があると思ったんで、キュレーションして、毎週、鮮度の高そうなネタを勝手に送りつけてたんですよね。
Twitterもなくて、SNSもない時代に、メールで勝手に名刺交換したお客さんに対して、「杉本通信」を送りつけてたんです。
それが、すごく好評だったんです。あまりいなかったんですよ、NTTで、「杉本通信」とか勝手に名乗って送るやつっていうのが。
2〜3年目だから専門的な知識はないんですけど、「これはとてもおもしろいですね、ニコ」みたいなことをやってましたね(笑)。
何人かお客さんで「本当にその情報おもしろいね」っていう方がでてきた。「NTTに研究所あるって聞いたことあるけど、確かに見たことなかったわ。行ってみたいんだけど」っていうお客さんも出てきて。
上司も誘ってきてくれる人がいて、うちの上司も繋いで名刺交換できたりとか。あとは、おもしろいっていうか、かわいいやつめ、みたいな。20代で情報通信の技術とかまったくわかってないだろうけど、一生懸命でかわいいやつだなって思われたんだと思うんですよ。
杉本通信を読んでくれていた方が、「お前これ書いてるけどさ、全然言ってることと内容違うぞ」って、逆に教えてくれたりとかね。
だけどすごく褒めてくれて、コンペの時とかは「早めにコンペの準備しといた方がいいぞ」と教えてくれたりとか。「他社には言わないけれども、お前は準備期間がもっと必要なんじゃないのか」みたいな感じで言ってくれたりとか。良かったですね。
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