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【映画】グランツーリスモgran’tourismo評 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

物語はイギリスの南端に暮らす実在の家族から始まります。
長男は寝ても覚めてもグランツーリスモ=プレステ3(当時)の人気自動車レース・シミュレーションゲームに没頭の日々。親も兄弟も行く末を案じる中・・・・

その頃、英国日産のマーケティング役員はある壮大なドリーム・プランを思いつき、横浜の日産本社に乗り込んで経営陣の判断を仰ぎます。
「通信ゲームの世界で世界トップを争うウデを持つ10人のゲーマー達を呼び寄せ、リアルに実車(GTーR)で模擬レースをさせて育成し、最も優秀な一人を日産チームのドライバーとして本物のレースに参戦させる」
バーチャルの世界での技量が現実世界でも通用することを証明する・・・・こんな途方もないプランには信頼できるメカニックの助けが条件でした。ルマン出場経験もあるベテランはゲーマーの若者たちに、君らに可能性はないと明言します。

実話をもとに日産GTアカデミーで育成されたプロ・ドライバーの成長と師弟の信頼関係、家族愛を描いた映画、グランツーリスモはただの車好き、ゲーマー向けの映画ではありません。
もちろん実写(車)をふんだんに使ったレース・シーンの迫力はデジタル映像ならではの緻密さも併せて、最高の出来上がりです。実際に何台ものGT-R、ルマン用LMP-2カー、ランボルギーニにアウディをサーキトで走らせ、レース・カーをチェイスする大型ドローンの映像もふんだんに取り入れて、その大サウンドも物語をスリリングに彩っています。

日産のみならずソニーやプレステ用ソフト・グランツーリスモを開発した‎ポリフォニー・デジタルの‎山内一典氏等の全面的バックアップあってのこの企画。プレゼントに東京土産で買った音楽プレーヤーは当然ソニー製。VW/AUDIグループの協力も見逃せません!冒頭、最初に市街地でパトカーをぶっちぎって見せるのはV W子ラード、天敵の我儘レーサーの愛車はAUDI資本のランボルギーニです。

生まれて初めて出場するリアルの自動車レース、リアルの世界ではヴァーチャルでは予測もしなかった出来事が次々に起こります。気持ちを落ち着かせるために彼が聴いている音楽はウチの車が納車された時に最初に聞いたのと同じエンヤのオリノコ・フロー🎵(これも実話)

前半、トントン拍子に進展するストーリーは走り出したら後戻りできないレース同様シルバーストン、エステルライヒ・リンク(現レッドブル・リンク)カタロニア、ドバイなどの有名サーキットを転戦し、運命のニュルブルクリンク・北コースに向かいますが・・・・

quitか?それともcontinueか?
もうリセットもpauseもできない物語は一大転機を迎えます。ドライバー生命を左右しかねない状況の彼を取り巻くスタッフ、家族たちの想いが描かれます。よくできた脚本!と思いきや殆どがリアルストーリー!
(実際のアカデミーでの使用車はGT-Rではなく370Zでしたが・・・)
そういえば、随分前に日産が前輪駆動でルマンに挑んだ薄いブルーのGT-R LM nismoを思い出しました。ルマンでそのハンドルを実際に握っていたのが彼だったのです。

現在も主人公ヤン・マルデンボロ選手はトヨタが主催するformula F3レースに参戦中(日産・トヨタのdoubleマークを背負って)映画撮影では実際にスタントドライバーも買って出ているので顔こそ映らずとも自らを演じてもいるのです。

監督は第九地区などを手掛けた実力派;ニール・ブロムカンプ。AI搭載のアンドロイドが人の魂をプログラムにしてアンドロイドにダウンロードするという異色のSF作品を手がけた奇才です。

映像、ストーリー(脚本)、それにサウンド等度どれも予想以上の出来栄えに、我がことのように嬉しくなってしまいました。
1回目はストーリーを、2回目は映像をじっくり鑑賞し、ついでにIMAXでも見ておきたい、一本で3度味わえる上質な作品です。

日産ファン、GTーRマニア必見なのはもちろん、ゲームもレースも見たことのないAT免許オンリーな人にも広く紹介したい作品です
(15日より全国公開・コロンビアピクチャー作品)

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