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僕の中の「3.11」

忘れはしない、中学三年生の卒業式の日。

式を終えて、教室に帰って来た時、大きく揺れた。


テレビで初めて生々しい光景を見た。

同じ日本で起こっていることとは思えなかった。


地震は確かに起こった、津波もやってきた。

けれど、次々と入ってくる情報を自分は整理することが難しかった。


大学生になって、初めて東北を訪れた。

被災地を訪れ、子どもたちに出会った。


一緒に遊んで、子どもたちととても仲良くなった。

とても笑顔で明るい子たちばかりだった。


果たして、この子どもたちの中に、地震や津波の記憶はあるのだろうか。

おそるおそる聞いてみた。

すると、覚えているよと返してくれた。

「怖かった??」

「うん、怖かった。」


きっと今も、地震や津波の恐怖を背負いながら生きているのかもしれない。


僕は震災の当事者でもなければ、家族も故郷も何も失っていない。


しかし、東北を訪れ、人々と触れ合い、被災した場所をカメラに納め、感じたことがある。


『前を向いて歩こう』


一緒に遊んだ子どもたちも飲み屋で語ったおじいちゃんも、一本だけ残ったあの松の木も。


だれも後ろを向いていない。


むやみに哀れんだり、悲しんだりしても誰も救われないじゃないか。

と悟った。


そして、初めて「3.11」が僕の中にすっと入ってきた。


これからは、これからも。

目の前にいる人やモノを心から大切に、僕は生きていこうと思う。


僕の中の「3.11」がそう、伝えている。


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