「実現しなかった過去と、ダブルバインドな4連休」。2020.9.19.
今日も商店街に、「TOKYO 2020」のフラッグが旗めいている。
いつまで、ここにあるのだろう。
今年開催されるはずだった「東京オリンピック・パラリンピック」は、来年に延期に決まり、もし予定通り今年開催されたとしても、すでに、このイベントは終わっているはずだ。
このフラッグは「実現されなかった過去」で、それが街の上空に存在し続けているのは、あまり健全な感じはしない。かなわなかった望みに、いつまでも執着しているようにさえ見える。
「ニーゼロニーゼロ」への疑問
それに、こうして毎日のように見ていると、その名称も気になる。
「TOKYO 2020」を、「トウキョー ニーゼロニーゼロ」と読むのが、「公式」ということなのだけど、どこに向けての名称なのかが、微妙に分からなくなる。
英語として、外側に向けても届けるのであれば、本当であれば、「トゥエンティ トゥエンティ」もしくは「two thousand (and) twenty」が正式らしいが、そうでないとしたら、「トゥーゼロ トゥーゼロ」の方が、「モーニング娘。'20」も「トゥーゼロ」と読むらしいし、そのほうが、納得感はある。
または、国内向けであれば、「ニーレイ ニーレイ」の方がスムーズなのだろうし、「ニーゼロ ニーゼロ」は、「日本語と英語」の組み合わせだから、考えると、妙に不自然なのだけど、でも、その名称が広く言われているのが、「高輪ゲートウェイ」駅が出来た年と一緒、というのと、つながっているのかもしれない。
再びの「ダブルバインド」
昨日(9月18日)は、東京都内の新規感染者数が、また200人を超えた。
同じ日に、「GoToトラベルキャンペーン」の東京解除が決まって、正午に予約開始というニュースも流れていた。
既視感があるのは、その「GoToトラベルキャンペーン」が始まった頃に、やはり感染者数が明らかに増加していて、それが、まるで「ダブルバインド」に感じた7月の時(リンクあり)と同じように思えたからだ。
人が直接歩いて、各家庭に回るという「国勢調査」が始まっているが、この時期に行うのは、下手をすれば感染拡大につながりそうだから、これも「ダブルバインド」な印象がある。
キャリーバッグ
今日(9月19日)の電車内は、人が多い。
もう人と人とがくっつきそうな、ほぼ満員といっていい密度になっていて、それは、ここ何ヶ月かの同じ午前9時くらいの、同じ私鉄としては、最大の人数になっていると思った。
駅に着くたびに、ホームに人がけっこうたくさんいて、ちょっと怖くなった。
当たり前だけど、もう「距離」はなくなっていて、それを気にしているような人もいない、ように見える。メガネをかけた2人の若い男性が、日常的な会話を淡々と、だけど、途切れずに続けている。
JRに乗り換える。
次の電車を待っているホームに、同じ車両に乗りそうな周囲の人を見たら、近くだけで、キャリーバッグで大きめの荷物の人が5人はいた。
「GoToトラベルキャンペーン」の東京解除は、まるで「旅行に行こう」という合図に感じるのかもしれない。
あごマスク
微妙な温度。雨が降るかもしれないような雲の色。乗っている電車の車両には冷房が効いていて、窓は一か所だけ開いている。
大きめのくしゃみの声が聞こえてくる。まだ、こわい。
3つ目の駅に着く。
あごに黒いマスクをかけている若い男性が、微妙に挑むような目つきで、まっすぐに電車に乗り込んでくる。鼻と口は当然ながら、全部出ている。
そういえば、何かで見た記憶があるのだけど、どうしてマスクをするのですか?という質問に一番多かったのが、「みんながしているから」という答えだったらしい。
私がマスクをしているのは、自分のコロナ感染を防ぐためには効果が薄いが、周囲に感染させることを防止するにはある程度意味がある。という意識で、だから、もしも、無症状であっても、感染しているかもしれず、人に感染させる確率を減らしたい、というのが一番の理由で、2番目は、今はしないとマナーに反している、と見られて、そこで摩擦を起こしたくない、という同調圧力に屈しているような理由だと気がつく。
もしも、マスクは、自分に感染するのを防ぐためには、ほぼ意味がない、ということが徹底的に広く理解されて、それは、自分が感染しているかもしれないという前提で、感染を広げないためにだけ必要、といったことも周知されたとしたら、どうなるのだろうか。
マスクをする人は減るのだろうか。
それとも変わらないのだろうか。
飛行機の中で、マスクをしてください、と言われて、拒否したという人の「選択」は、変わるのだろうか。
とりあえずマスクはつけているけど、人が集まっているような、ある程度「密」になるような環境でも、あごにしている人を何人か見ると、そんなことを考えたりする。
夕方のニュースと、構内の緊張感
ゆっくりとスピードを落としている新幹線の窓が見える。どの窓にも、ほぼまんべんなく、乗客がいるのが分かる。
夕方の午後4時半くらいの電車に、また乗る。
車内のドアの上の小さい画面で、今日のニュースが流れる。
大相撲の結果。
福島の不明ネコと再会。
秋田犬に関すること。
アメリカのプロのアイスホッケーの結果。
大坂なおみ 全仏欠場。
コロナ感染者 世界で3000万人超える。
駅をいくつか過ぎる。
しばらくCMが流れ、あれこれの情報になり、そのあと再びニュースになる。
「GoToトラベル」 都内 予約始まる。
京アニ 放火事件後 新作。
DCM 、島忠 TOB。
ジャパン ライフ 元会長ら逮捕。
携帯費 引き下げ。
イグノーベル賞のこと。
降りる駅に着く。
電車を降りて、階段を登る時に、警視庁の文字を背中に背負った警察官が、年齢の分かりにくい男性と、身振りを交えて何か話をしているが、緊張感がある。さらに階段を登り切ると、駅員が固まって、集まって、その模様を見守っているようだった。その姿は、完全に「密」だった。
家に電話をした。さっき、話し中だったけど、と聞いたら、妻は、友達に、以前もらったカレーの木の料理方法を尋ねていた、ということを知った。今度、料理に生かしてくれるとも言ってくれたので、楽しみになった。
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「コロナ禍日記 ー 身のまわりの気持ち」① 2020年3月 (無料マガジンです)。
「コロナ禍日記 ー 身のまわりの気持ち」② 2020年4月 (有料マガジンです)。
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