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汗をかいたら、アーティスト・李禹煥を思い出した。

 寒がりなので、少し気温が低くなると、すぐにカゼをひきそうになる。

 特に起きてから数時間は、何もなくてもくしゃみをしたり、鼻水が出たりするので、使い捨てカイロを背中に貼る。

 少したって体が温まってくると、今度は少し暑くなって、汗をかく。そうすると、その汗で体が冷えて、カゼをひきそうになる。だから、着替えることになる。

 体が弱く、寒がりで汗っかきは、自分でも面倒くさい。

李禹煥(リ・ウファン)

 その時のシャツが、使い捨てカイロの周りだけ汗をかいていた。

 その形と、シャツの面積に比べて、色がついている部分がごく一部だけ、ということも含めて、李禹煥の作品を思い出してしまった。


(二度も、こうした写真を見せて、申し訳ないのですが)

1960年代後半から「もの派」と評される現代アートの動向の中で中心的な役割を担ってきた李禹煥。李禹煥美術館の作品は、静かに繰り返される呼吸のリズムにのせて描かれた筆のストロークの平面作品や、自然石と鉄板を組み合わせ、極力つくることを抑制した彫刻作品など、空間と融合した余白の広がりを感じさせる代表作です。

 だから、本当は、こんな日常的な汗のようなもので、作品を思い出すのは、熱心なファンや、きちんとした研究者や専門家には怒られそうな失礼なことかもしれないけれど、この広い面積に、少しだけ塗った感じが似ていると思ってしまった。

 アートに興味を持った頃は、李禹煥(リ・ウファン)の作品は、ストイックすぎて、鑑賞者にとって、とりつく島がない、という印象だったのだけど、アートを見る年数が少しずつ増え、その上で自分が歳を重ねて、これも安直な表現だけど、とてもかっこいいと思えるようになった。

 特に愛知県の豊田市美術館の広い展示室で見た作品は、最小限の要素であることが、とても潔く、美しく見えたことを覚えている。

 今も、展覧会が開催されている。
 体が強くない私にとっては、今もコロナ感染をしないことがテーマになっていて、それで、情けないかもしれないが、出かけられないままだ。




#おうち時間を工夫で楽しく    #アート   #李禹煥
#美術館   #もの派 #見立て

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