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ままごと『わが星』日本語ってこんなに素敵だったっけ

ままごと『わが星』(2015年の再々演。東京公演 三鷹市芸術文化センター 星のホール)をYouTube上で観ました。


劇団ままごとは、2009年、劇作家・演出家の柴幸男を中心に、青年団の劇団内ユニット・青年団リンクとして旗揚げされた。『わが星』は旗揚げ公演で初演され、第54回岸田國士戯曲賞(2010年)を受賞。2011年に再演と全国6都市ツアー、2015年に東京と小豆島で再々演され、柴幸男の代表作となっている。 音楽には、□□□(クチロロ)の三浦康嗣 作詞・作曲の『00:00:00』という楽曲を用いており、ドラムやピアノ、ギターのサウンドのみならず、サンプリングされた時報がリズムを刻む。柴自身がパソコンを使って演奏するなか、ラップ調の歌詞と台詞が融合し、円形の演技空間で群唱がリフレインされる音楽劇だ。人が生まれてから死ぬまでの約100年と、星が誕生してから消滅するまでの約100億年を重ね合わせ、時報を合図に、団地で暮らす「ちーちゃん」(=地球)とその家族、星の一生が描かれていく。ソーントン・ワイルダーが俯瞰した目線で町の人々の営みと主人公の一生を重ね合わせて『わが町』を描いたように、星の一生と女の子の一生を重ね合わせることで、“時間”そのものを浮かび上がらせようとした作品だ。

上記YouTubeの説明文より

観終わって最初に思ったことは、「日本語っていいなぁ」ということでした。
時報のリズム(「ポ、ポ、ポ、ポー」ってやつです)に乗った言葉を聞いているのがとても楽しかったです。例えばこんな感じ。
※太字の部分は重ねて発話

母・婆 白いカーテン
父・姉 テン井のシミ
男・先 ちゃぶダイ
母・婆 ダイ
姉 水の音
わ ノート
男 教科書
姉 ランドセル
わ おべんとう箱
月 ふで箱
先 クスリ箱
婆 さいほう
全 バコ
母 っとはずれる冷蔵庫のドア

柴幸男作(2015年)『わが星』p.8
(https://mamagoto.org/mgwp/wp-content/uploads/2020/12/drama10-wagahoshi.pdf)


「おべんとう箱、ふで箱、クスリ箱、さいほう バコっとはずれる冷蔵庫のドア」のあたりとか、大好きです。声に出して読みたい日本語というのがありますがまさにそれですね。

YouTubeのコメント欄を見ると、多くの愛のこもったコメントが寄せられています。
ちなみに、同じ国際交流基金のプロジェクトで公開されているほかの作品のコメント欄には、再生回数がかなり多いし面白いにもかかわらず全然コメントがないのもあります。
これは、『わが星』が、YouTubeに気軽にコメントするような若い世代にも多く好まれている作品だからなのかなぁと思います。
(実際に私も、YouTubeにコメントを入れたことがこれまで一度もない…笑)

しかし、初演時、作・演出の柴さんは、お客さんに伝わるか不安だった、この作品はダメだと落ち込んでいた、というようなことがこちらの記事に書いてあって、衝撃でした。そういうものなのか。

この作品、中学生時代に観ていたら、迷わず演劇部に入っていただろうな。
中学生・高校生に知り合いがいたら強くすすめたい作品でした。

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