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〇〇と僕『し』~シャーロック・ホームズと僕~

カラダは子ども、頭脳も子ども。
ただの子どもだ、おとといきやがれ。
今日も冴えるぜ名推理。
犯人はいつもお前だ!その名は名探偵コナン!

なんか違うが、まぁ良い。

名探偵コナン。
100巻を超え今でも大人気の漫画だが、僕が出会ったのは小学5年生。
20年以上人気があるってすごいね。
きっかけは近所のおばちゃんが誕生日プレゼントでくれた名探偵コナン第10巻、その時の最新刊。
別に読みたいと言った訳ではない。
1巻から9巻は持っていない。
もちろん一度も読んだことがない。  
にも関わらず、そのおばちゃんは誕生日プレゼントになぜコナンの第10巻を選んだのか。
ミステリー。

しかし、僕はハマってしまった。
メリメリと音を立ててのめり込んでしまった。
少ないお小遣いをやり繰りし、なんとか1巻から最新巻までを集める。
集め終えると、次の最新巻を待つ時間が生じる。
それまでの間は、過去の巻を振り返る。
しかし、それだけでは間が持たない。
んー、困った。
ってやっている時に、ナイスアイデアを思い付いた。

コナンの名前の由来である、コナン・ドイルの作品を読んでみようじゃない。
言わずと知れた名探偵『シャーロック・ホームズ』シリーズである。
文庫本なら、町外れにある小汚いリサイクルショップに山ほど売っている。
しかもその店は1冊50円。
屋根があるにも関わらず、なぜか商品すべてがうっすら砂で覆われている不思議なお店。
ミステリー。

早速小銭を握りしめ、自転車こぎこぎリサイクルショップへ。
動かなそうな家電や売っているのかすらわからない棚に囲まれ、あったよあった、大量の古本。
ハックション!!!
って時々くしゃみをしながら、並ぶ背表紙の中に『コナン・ドイル』と『シャーロック・ホームズ』の文字を探す。
しっかり陳列されていないので、積み重なっている物もある。
それを一旦別の所に避け、下の方まで捜索する。
ハ、ハ、ハ、ハックション!!!
そして、執念の捜索の甲斐あって、僕はその日2冊見つけることが出来た。

「2冊だから100円。」
「消費税は?」
「いつも買ってくれるからサービスだよ。」
一体誰と勘違いしているのか。
ミステリー。

自転車を再びこぎこぎ帰宅。
手に入れたのは『緋色の研究』と『シャーロック・ホームズの冒険』。
ティッシュで拭き、表紙のザラザラを取る。
そして読む。
散りばめられたいくつもの謎。
徐々に繋がっていく点と点。
待ち受けるまさかの展開。
そしてなにより、シャーロック・ホームズがカッコいい。
仕草、セリフ、考え方のすべてに説明のしようがない魅力がある。
一語、一行、一頁、読み進める度にその魅力にどっぷり浸かり、読み終えた時には完全に溺れていた。
しかしなぜだろう。
絶対に友だちにはなりたくない。
ミステリー。

最近、安陪公房を読みつくしたので、再びシャーロック・ホームズを読み始めた。
数百冊の文庫本は東京に来る時にすべて実家に送ってしまったため、また古本屋を回り買い集めている。
『緋色の研究』は何度読んでも名作。
状況証拠や行動描写に少し粗さがあるものの、それでも夢中で読み進めてしまう。

子どもの頃に読んだ小説を今になって読み返すと、たいてい違う感想を抱く。
しかし、シャーロック・ホームズだけは、今読んでも子どもの頃と同じようにワクワクする。
不思議。
これこそまさに、ミステリー。

『Rumania Montevideo / Still For Your Love』を聞きながら
FJALLRAVEN by 3NITY TOKYO  池守


『〇〇と僕』
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