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カンヌライオンズ2023 速報 - クリエーティブストラテジー、ブランドエクスペリエンス&アクティベーション部門

カンヌライオンズ2023、4日目です。昨年に引き続き、各部門のグランプリ受賞作品について、速報的にまとめていきます。

4日目は
・クリエーティブエフェクティブネス(Track:Strategy)
・クリエーティブストラテジー(Track:Strategy)
・ブランドエクスペリエンス&アクティベーション(Track:Experience)
・クリエーティブビジネストランスフォーメーション(Track:Experience)
・クリエーティブコマース(Track:Experience)
・イノベーション(Track:Experience)
・モバイル(Track:Experience)

の7部門の受賞作品が発表されました。

この記事では
・クリエーティブストラテジー(Track:Strategy)
・ブランドエクスペリエンス&アクティベーション(Track:Experience)

のグランプリを簡単にまとめます。


The Creative Strategy Lions celebrate the idea behind the idea, how strategic planning can redefine a brand, reinvent its business, and influence consumers or wider culture.
クリエーティブストラテジー部門は、戦略的プランニングがいかにブランドを再定義し、ビジネスを改革し、生活者や幅広い文化に影響を与えているか、そのアイデアの背景にあるものを称えます。

The Brand Experience & Activation Lions celebrate creative, comprehensive brand building through the next level use of experience design, activation, immersive, retail and 360° customer engagement.
ブランドエクスペリエンス&アクティベーション部門は、エクスペリエンスデザイン、アクティベーション、イマーシブ、リテール、360°カスタマーエンゲージメントをひとつ上のレベルで活用し、クリエーティブで包括的なブランド構築を称えます。



RENAULT - PLUG-INN:クリエーティブストラテジー部門グランプリ

Client:RENAULT

クリエーティブストラテジー部門は、RENAULT(ルノー)の"RENAULT - PLUG-INN"がグランプリを受賞しました。

*背景
2020年に同社が取り組んだ「Village Electrique」から2年経ち、フランスでの電気自動車は100万台にまで普及した。一方で充電ステーションは8万台しかなく、長距離運転、それも田舎の地方への運転が難しく、電気自動車のさらなる普及への障壁となっている。
※Village Electrique:フランスの田舎町アピ―を世界初の100%電気自動車都市に変えた施策


*アイデア
遠隔地の村の人々が充電ステーションを収益化できる、充電ネットワークを構築。それと同時に、電気自動車のドライバーと家庭用充電器の所有者をつなぐアプリを制作した。
遠隔地に新たな充電ステーションが設置されることでドライバーは長距離の移動がしやすくなり、遠隔地の人々は新たな収益源とすることが可能に。


*結果
ユーザーが3万人以上。
1.4億インプレッション。
広告換算費70万ユーロ。(2023年6月時点で約1億円)



2020年の施策で終わらせるのではなく、そのとき存在する課題に対して真摯に向き合っている印象を持ちました。電気自動車の普及に一歩ずつ着実に取り組む良いブランドに感じられます。

クリエーティブストラテジー部門の評価ポイントにある
「①戦略的プランニングがいかにブランドを再定義し、②ビジネスを改革し、③生活者や幅広い文化に影響を与えているか」
に照らしてみると、
①電気自動車が普及した世界のケースモデルを村レベルで実現→実際に各地でインフラの整備』というロードマップ(2020年当初からあったかはさておき)
②充電ステーションを所有者の収益源とするビジネス改革
③遠隔地への長距離移動という生活者の暮らしに関わる変革

という点でグランプリに選ばれたのではないかと推測しました。一朝一夕に真似できるものではありませんが、ブランドが社会に対してじわじわと着実に影響を与えている例として参考になります。





FIFA 23 X TED LASSO:ブランドエクスペリエンス&アクティベーション部門グランプリ

Client:EA SPORTS & APPLE

ブランドエクスペリエンス&アクティベーション部門は、EA SPORTS & APPLEの“FIFA 23 X TED LASSO”がグランプリを受賞しました。

*背景
エミー賞も受賞したアメリカの人気コメディドラマ『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』のプロモーション。主人公のテッドラッソは元アメフトコーチのサッカー監督で、彼の苦悩を描いている。製作・配信はApple TV。


*アイデア
架空の存在である「テッドラッソ」と彼のチーム「AFCリッチモンド」を、大人気サッカーゲームFIFA23にて”あたかも実在するかのように”実装した。FIFA23に架空のチームが登場するのはシリーズ史上初。またローンチ時に広告的な発信は一切せず、テッドラッソのTwitterアカウントで意味深なティザーツイートをしたのみで、ペイドメディアを使うことなくゲームに登場させた。※後にオフィシャルトレーラーは公開


*結果
最初の30日間で132億のアーンドメディア・インプレッション。
FIFAにある700以上のリアルチームの中で、上から17番目に多くプレーされたチームとなった。
記事は全世界で2000本以上の記事化がされた。
Apple TV+での『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』のストリーミングが35%増加。
エミー賞4部門を受賞したときよりも、有料メディアを一切使用しない今回のパートナーシップの方がより大きな社会的話題となった。


リアリティを追求するFIFAというゲームに、架空のチームが現れた。
エンターテインメント部門とエンターテインメント for ゲーミング部門のグランプリはどちらもCLASH OF CLANSの「架空の40周年施策」でしたが、こちらの部門でも似た切り口が評価されたことになります。
ちなみにFIFA 23 X TED LASSOは、エンターテインメント for ゲーミング部門のGOLDも受賞。




その他の部門

残りの
・クリエーティブエフェクティブネス(Track:Strategy)
・クリエーティブビジネストランスフォーメーション(Track:Experience)
・クリエーティブコマース(Track:Experience)
・イノベーション(Track:Experience)
・モバイル(Track:Experience)

のグランプリについてはこちらをご覧ください。※一部準備中




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