【実録】八王子ナポリタン物語 ~「10年後のソウルフード」を夢見て~
挨拶
今回は今までの復習回?
八王子ナポリタンにかける思いを中心にザックリとあらすじを書いてみました。
これを読んで、興味が出ましたらマガジンを読んでみて下さい。↓
序章
2014年2月22日――この日、東京都八王子市の片隅で、一つの夢を胸に大きな挑戦を始めました。
それが、「ナポリタン日本一の街」を目指す『八王子ナポリタン』プロジェクトです。
ナポリタンというシンプルな料理を、ご当地グルメに育て上げることで、八王子の未来を変えたい。
そんな思いを胸に、仲間たちと歩んできた軌跡は、夢と現実が交錯する熱い物語でした。
高尾山から市街地へ――観光客の流れを変えろ
八王子市には、年間300万人以上が訪れる『高尾山』という観光資源があります。
しかし、その多くの登山客は、山を楽しんだ後に市街地を訪れることなく、真っ直ぐ帰ってしまいます。
「この事実は観光資源を活かしきれてないから、高尾山から街の中心地へ人を引き込み、街をもっと活性化させる仕掛けが必要だ」
そんな課題に直面し、私たちが思いついたのが『ナポリタン日本一の街・八王子』でした。
宇都宮市が餃子の街でエリアブランディングに成功した様に「せっかくナポリタン日本一の街まで来たんだから、八王子ナポリタン食べて行こうか!」という発想で登山客が中心市街地まで足を運んでくれるのではないか?
という仮説を出しました。
このアイデアに賛同する仲間が集まり、「八王子ナポリタン」を市全体で盛り上げるプロジェクトが立ち上がりました。
八王子ナポリタンの定義――自由と創造の3つのルール
「八王子ナポリタン」をただのナポリタンで終わらせないために、3つのシンプルなルールを定めました。
1. 刻み玉ねぎをトッピングすること
※八王子ラーメンに由来
2. 八王子産の食材を1つ以上使用すること
※地産地消
3. 八王子の文化やアイデンティティに関連していること
※地域限定
このルールは、限りなくハードルを下げつつ、各店舗が自由に創意工夫を加えられるようにしました。
「どの店に行っても違う八王子ナポリタンが食べられる」という体験を作ることで、市街地の回遊性を高め、街全体の魅力を引き上げる狙いです。
地元の未来を変える――学校給食への挑戦
この活動が広がる中、八王子市教育委員会から「八王子ナポリタンを学校給食に取り入れたい」という提案が届きました。
毎年6月の「食育強化月間」で地元の食材を使った「地産地消」を推進する取り組みに、八王子ナポリタンがぴったり合うというのです。
「10年後、八王子で育った子どもたちが、『八王子のソウルフードといえばナポリタン』と言ってくれる未来を作ろう」
この思いは、私たちにとって何より大きな原動力になりました。
困難を超えて――地元農家との絆
しかし、全ての小学校で八王子産の野菜を使用するには多くの課題がありました。
必要な量を確保するのは容易ではありません。
しかし、地元の農家たちが協力し合い、ほうれん草を提供してくれることになり、無事に「地産地消」の要件を満たしたメニューが完成しました。
そのレシピは、八王子産のほうれん草を加え、ケチャップで炒めたスパゲッティをコッペパンで挟んだ「八王子ナポリタンドッグ」シンプルでありながら、子どもたちが喜んで食べられるメニューです。
給食の時間――未来への一歩
給食当日、私は運営組織「八王子ナポリタンクラブ」の代表として小学校を訪れました。
教室に入ると、子どもたちは楽しそうに給食の準備をしていました。
そして数人の子どもたちが黒板の前に立ち、手作りの紙芝居で八王子ナポリタンの誕生やその目的を発表してくれました。
その姿に、私は胸が熱くなり、目頭が潤んだのを感じました。
「この子たちが10年後、大人になっても『八王子といえばナポリタン』と誇らしく言える未来を作るんだ」――そう強く心に誓った瞬間でした。
さらに広がる夢――コンビニとのコラボ
学校給食での成功に続き、さらに大きなチャンスが舞い込みました。
某コンビニチェーンから「八王子ナポリタンを商品として販売しないか」というオファーが届いたのです!
この提案に私は即答しました。
報酬はありませんでしたが、それでも構いません。
「八王子ナポリタンをもっと多くの人に知ってもらえる」――それだけで十分でした。
現実との戦い――価格設定の壁
商品開発は簡単なものではありませんでした。
私たちは八王子産の食材をふんだんに使った豪華な「八王子オールスターナポリタン」を提案しましたが、コンビニ側の価格設定の制約がありました。
予算内で実現可能なレシピを試行錯誤し、最適なバランスを見つける作業が続きました。
こうして、ケチャップの風味を生かし、八王子産の野菜も取り入れた「コンビニ版八王子ナポリタン」が完成。
店頭に並ぶ日を待ちました。
店頭に並ぶ八王子ナポリタン――ドキドキの販売期間
商品がコンビニの棚に並ぶと、私は興奮と不安が入り混じった気持ちで、販売店舗を回りました。
コンビニのスタッフたちに挨拶をし、販売状況をリサーチしながら過ごした日々。
八王子近辺の店舗では、次々に発注数が完売していき、好調なスタートを切ったと聞いて胸をなで下ろしました。
そして販売期間終了後、コンビニ本部からの報告が入りました。
「全域で売上は好調。大成功です!」
その言葉を聞いたとき、私の目にはまた涙が浮かびました。
八王子ナポリタンは、着実に人々の心に届き始めていたのです。
10年後のソウルフードを目指して
学校給食、コンビニ販売、そして地域イベントへの出店。
八王子ナポリタンは、地域の活性化と街の誇りを背負いながら、確かな一歩を踏み出しました。
「ナポリタン日本一の街・八王子」
という夢が、少しずつ形になってきたのを感じます。
最後に
現在私は、ナポリタン日本一の街作りの経験で得た特殊スキルを使って、三軒茶屋の「茶」を本格焼酎の「酎」に変える【本格焼酎の楽園 三軒酎屋】というエリアブランディングにも挑戦しています。
ぜひ、現在進行形の活動も応援してください!
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この物語はまだ終わりません。むしろ、これからが本当の勝負です。
「ナポリタン日本一の街・八王子」への挑戦は続いていきます。
次回もぜひ、この物語の続きをお楽しみに。
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