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この街に、何度でも。

物や情報にあふれている今の時代。
何度も通ってしまうお気に入りの場所って、一体どのような要素があるのだろう。

毎週自転車で通っている、行きつけのコーヒースタンド。
海へ向かう途中、ふらっと立ちよるスパイスカレー屋さん。

そこではいつも、「いらっしゃいませ」ではなく、
「おはよう」「調子はどう?」と軽い挨拶が交わされる。
友人の家に立ち寄るくらいの距離感がある。

***

半年前から足しげく通う町が「静岡県賀茂郡南伊豆町」。

自分の暮らしている神奈川県から、およそ3時間。
電車やバスを乗り継いでようやく到着するこの街は、決して近所とは言いがたい。
けれど、“この町の人たちの距離感”に魅了されて、何度でも通いたくなる。そして再び訪れてしまう。

人のあたたかさに触れて

南伊豆町に始めて訪れたのが、昨年の6月。
この街にあるゲストハウス「ローカル×ローカル」に5日ほど滞在したとき、オーナーの一徹さんを通して、この街の人たちと関わらせていただいた。

この街の人と関わる中で、衝撃を受けたのが、
ご近所さんとおしゃべりをする感覚で、
初対面の私とも接してくださったこと。

たとえば「海老しか勝たん」といったお店を営むマコトさんは、
お店で話すなり、後日一緒にイナゴを取りに行ったり。(*詳細は下記動画で)

お米農家のだいきさんは、田植えの体験をさせていただいたのち、
ご友人たちとの宴会にそのまま招待してくださったり。

「従業員」と「お客さん」みたいな関係性というよりも、
「ご近所さん」と「ご近所さん」みたいな関係で関わってくださるような感覚があったのだ。

そして私はそんな「ひと」と「ひと」の距離感に魅力を感じている。

人に会いにいくため

もちろん南伊豆の魅力は他にもたくさんある。
星がきれいなことだって、塩っけの強い温泉だって、季節で植物の変わる遊歩道だって、どれも魅力的。

でも私だから感じるこの町の魅力って、
そこで大切な人たちと過ごしてできた経験でしかなく…。

この町に何度でも帰ってきたい理由は、結局人に会いにいくため。

どんな土地に行っても、その土地の魅力って少なからずあると思う。
それはときに特産品だったり。ときに文化だったり。

でも、どこに行くかも大切だけれど、誰と過ごすか。
街の魅力にそんな視点があってもいいんじゃないかと思う。


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