【読書メモ #21】大人も子どもも知らない不都合な数字
統計データやメディアが扱う数字には、背景知識の十分な説明なく、切り取り方を工夫し、キャッチーなものが取り上げられることがある。
書籍FACTFULNESSでは、統計データとともに背景知識など含め述べられていたので、キャッチーではあるものの、比較的裏付けのあるデータということができるだろう。
一方、最近話題になった数値の取り扱い方だと、俗にいう「103万円の壁」の撤廃時に、高所得者の方が金額でみると減税額が大きく不平等だといった見せ方だろうか。下記記事で国民民主党の玉木さんの意見が引用されている。
金額でみるか、割合でみるかといった見方だ。どちらが正しいというわけではなく、目的に沿って適切に使い分けることが大切だと個人的には考えている。今回、メディアと玉木さんで取り上げ方が違うのは、記事を作る目的と、政策を実現するための目的が異なるからだろう。
さて、今回紹介するのは、数字を扱う書籍
「大人も子どもも知らない不都合な数字」である。
(チャリツモ フォレスト出版)
感想
商品紹介にも記載がある通り、本書では身の回りの「数字」について、70項目が取り上げられている。
内容はもちろん本書を確認してほしいのだが、中でも身の回りの身近なことでありながら全く気づいていなかったものが一つあったので紹介する。
日本におけるプラスチックのリサイクル方法だ。
プラスチックのリサイクルと聞くと、私はずっとペットボトルのイメージをしていて、綺麗に洗われ細かく砕かれ、再度成形し直されるというイメージを持っていた。しかし、プラスチック全体のリサイクルのうち、24.7%しかこの方法(マテリアルリサイクル)に該当しないそうだ。
そして、多くの割合7割ほどを占めるのサーマルリサイクルとのことだ。プラスチックゴミを燃やしその熱を熱源として利用する方法とのこと。
そして三井化学の記事によると、プラスチックを燃焼する際に二酸化炭素が排出されることも問題点と考えられているようだ。
結局、燃やして熱源にするのであれば、ゴミの分別しなくても良いのではと思ってしまうが、分別がきちんとされなければ、きっとサーマルリサイクルの割合がもっと増えてしまうのだろう。
プラスチックのリサイクルのように、身近であるが実は違う認識をしていたというのが、人それぞれで発見できる書籍だと思う。
ぜひ読んで生活にまつわる社会問題の視点を増やしてみるのはいかがだろうか。
※Amazonのアソシエイトとして、3Capybaraは適格販売により収入を得ています。
応援してくれる方は読書のお供として下記よりお菓子を購入ください。(我が家のお気に入りです)