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本が頭に入らない――もっと気軽に大胆に
この前同僚と話していて、本を読む際に「書いてある内容は文字として目に映るけど、実際に頭に入ってこない」と悩んでいる人がいた。
さらに、他の人にその内容を説明してと言われたり、「あなたはどう思う?」と尋ねられたとき、うまく自分の考えを伝えられないという経験が悩みとのことだった。
これは能力の問題ではなくて、真面目すぎる読み方をしていたり、背景知識が不足しているなどが原因じゃないかと思う。
1. 一語一語を読み込もうとする「義務感」がもたらす弊害
このような悩みを抱えている人ほど、とても真面目な印象をうける。
本を読むとき、「正しく読むこと」を最優先にし、一語一語丁寧に読むよう努める傾向がある。
この「正確さ」を求める姿勢は、
読書そのものが義務感に変わってしまう、
文字が頭の中でバラバラになって文章にならない、結果として全体像を把握する余裕を奪ってしまうことにつながっているのではないだろうか。
たとえば、難解な専門書やビジネス書では、漢字一文字にも多くの意味が込められており、ひらがなもまた文章の流れを作る重要な要素であるが、すべてを細部まで理解しようとすると、読むこと自体が重荷となる。(哲学書はさすがに何度読んでもわからないことがあるが…)
結果、情報の整理に追われ、本質的な内容・流れが頭に入らなくなるのである。
ここでまずやってみてほしいのが漢字に焦点をあて、さらっと読み進めることである。
日本語は漢字によって多くの情報が一言に凝縮されているため、ひらがなは流し読みしても、全体の意味は十分に把握できる場合が多い。
いわば、情報の「エッセンス」のみを抽出することで、余計な細部に惑わされずに、全体像を捉えることができるのである。
2. 背景知識の不足と文脈理解の難しさ
また、本を読んで内容が頭に入らない原因として、背景知識の不足が挙げられる。
文章は、単独ではなく、関連する知識や事例とともに理解されるべきものである。しかし、読者がその分野の基礎知識や背景を十分に持っていない場合、文脈が把握しづらく、情報が断片的にしか記憶に残らない。
この問題に対しては、関連する複数の書籍や資料を並行して読む方法が有効である。
たとえば、新しく取り組む事業についてのレポートは、異なる著者・会社によるものを並べて読むことで、同一の事象に対する多角的な理解が深まり、記憶に定着しやすくなる。
あっちではこう書いてたし、こっちではこう書いていたと、自分の頭の中の拠り所が増えるので、比較的頭に入りやすくなる。
現代のビジネス書においても、同じテーマを扱う複数の参考書を読むことで、各著者の論点や事例が互いに補完し、全体像が鮮明に見えてくるのである。
3. 読書プロセスの見直し――「読み飛ばし」のすすめ
上述のとおり、一語一語丁寧に読むことは、時として理解の妨げになるし、読書が嫌になることにもつながる。
読書の効率を高め、内容を頭に入れるためには、あえて「読み飛ばす」技術を身につけることも一案ではないだろうか。
ビジネス書の要点を抽出する際に、まずは各章の見出しや太字の部分を中心に読み、全体の流れをつかんだ後、必要に応じて細かい部分を読み返すという方法は、非常に実践的である。
各章のタイトル見て、内容が想像できると思ったら、思い切ってその章は読み飛ばしてしまうのも手だ。
これにより、自分に不足している、必要な情報だけ追えて、効率的に本質を理解することが可能となる。
4. 本の内容を身につけるには…
本を通じて得られる知識は、単に文章を読むだけではなく、実際の経験や他者との対話を通じて深まるものである。
経験豊かな先輩や上司とのディスカッション、または勉強会やセミナーへの参加を通じて、書籍の内容を自分なりに解釈し、実践に結びつけることができる。
こうした対話のプロセスが、頭に入らないと感じる書籍の知識を、実際の知恵として定着させるための重要な鍵である。
5. 結論――効果的な知識吸収と伝達のために
本を読んでも内容が頭に入らないと感じるのは、真面目に読みすぎているからというケースがある。
過度な正確さを求め、すべての文字を丁寧に追おうとするあまり、全体像を見失ってしまう。
また、背景知識の不足や文脈の理解が追いつかないことも一因である。こうした状況を打破するためには、関連書籍を並行して読むなど、一気に複数の視点を獲得すると解決することが多い。
また、本から得られる情報が単なる「文字」としての情報ではなく、実践的な知恵として生きたものとするには、実際の経験や対話によって消化していくことも重要だ。
こうした本の情報を身につけることを、一から行うのは難しい…誰かがやった足跡をなぞりたい…
といった方の要望にお応えして、わたしが読書をしてそこから何を学んだか、何に疑問をもったかなどの思考の足跡を追っていただけるメンバーシッププランを用意しました。
もともとは、書籍と統計データをもとに理解を深めていくメンバーシップでしたが、そこまで一足飛びにせず、書籍を読んでどう考えるか、私の読書履歴(足跡)を残した読書メモが読めるプランを用意しました。
「まずは書籍の読み方・考え方プラン」になります。
こちらはわたしが今まで書いてきた40以上の読書メモが読めるプランになっています。
月に4本(週1本)は更新をしていきます。
(ちなみに読書メモを始めてから3ヶ月で40以上ですので、15本/月程度のペースで現状進んでおります)
一緒に一歩ずつ新しいことを身につけませんか?
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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