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【読書メモ #13】機能拡張 テクノロジーで人と組織の可能性を追求する

ChatGPTが登場(2022/11/30に一般公開)してからもう2年経つとのことだ。生成AIが登場したら業務がなくなる、新しい職業が生まれる(プロンプトエンジニアなど)など、当時は目まぐるしく変化するスピードについていけなかったことを記憶している。(職場はかえって製品が出るまで全面的に禁止されていたが)

そこからMicrosoftがChatGPTを提供するOpenAIとパートナーシップを結び、Bing・Edgeに標準搭載されたことで一気に職場に広がったのではないだろうか。
生成AIは嘘をつく(ハルシネーション)、確認作業で返って作業が増えるという意見もあったが、そういう意見も踏まえたのだろうか、Microsoftが提供する生成AIのツール名は「Copilot(副操縦士)」であった。作業者ではなく、あくまで補佐役なのである。

一方、テクノロジーによって人間の可能性を拡張できると主張している人たちもいる。(副操縦士ではなく)
例えばイーロンマスクのニューラリンクなどが有名だろう。脳に電極を埋め込み、電子デバイスを操作できることがもう実証されている。タイピストなどの訓練された人間より早く処理ができるようになることを目指しているようだ。イメージとしては電子デバイス(プログラム)の中を人間が直接動けるようになるので、スピード感は全く異なるものになるだろう。(おそらく脳の電子信号→生成AI→プログラミング言語への変換といった処理も入るだろう)

マスク氏は続けて「(テレパシーを脳に埋め込むと)考えるだけでスマートフォンやコンピューターおよびそれらに接続したデバイスを操作できるようになります。手足を失った人々が最初のユーザーとなります。スティーヴン・ホーキングがタイピストや競売人よりも素早くコミュニケーションできることを想像してみてください。それが私たちのゴールです」

gigazine記事内より

前置きが少し長くなったが、今回紹介する本は、
「機能拡張 テクノロジーで人と組織の可能性を追求する」である。
(坂田幸樹 クロスメディア・パブリッシング)

▼ 新しいツールを導入したのに成果が得られない根本的な理由とは?

みなさんは仕事をする中で、次のような経験をしたことはないだろうか?

「生成AIの本に載っていたテクニックをそのままコピペして業務は効率化したけど、新たな価値を生んでいる気がしない」
「外部研修で教わったフレームワークを使ってみたが、新たなアイデアは生まれなかった」
「経営コンサルタントに高額なフィーを支払って戦略策定をしてもらったが、何一つ実現しなかった」

現代のビジネス環境では、急速なグローバル化とデジタル技術の進化が重なり合い、私たちの仕事や生活は劇的な変化を遂げている。
ただ、新しいツールやサービスを利用しても、思ったような成果が得られないことに悩む人は少なくない。
また経営者からは、外部アドバイザーを利用しても組織強化につながる成果を得られなかったという声も上がっている。

そんな悩みを抱える現代人が立ち返るべきなのが「機能拡張」という概念だ。

「機能拡張」とは、「既存の技術やサービスを活用して、個人や組織の能力を向上させる」こと。
たとえば、数千年前に当時の技術を組み合わせて馬車が生まれ、その後に時代が進んで自動車や飛行機がつくられるようになったことで、人間の「移動する」能力は大きく拡張された。

あるいはインターネットの発達によって、「情報伝達」の能力が飛躍的に拡張された。
その結果として、全国の営業所長がわざわざ本社に集まることなく情報共有できる、地球の裏側に住むデザイナーにさえ仕事を依頼できる。

このような「私たちの能力を拡張する」事例には枚挙にいとまがない。
しかし、ただ技術を使うだけでは不十分で、重要なのは「それをどう活用し、新たな価値を創造するか」だ。

生成AIやフレームワーク、経営コンサルタントなどは、人間や組織がもともと持っている機能を拡張してくれるが、それ単体で価値を生むことはない。
あくまで大切なのは、技術やサービスを受けて「拡張される側」の人間や組織なのだ。

本書では、この機能拡張の考え方と、それに必要な能力を身につけるための具体的な方法を解説する。
この本を通して、次々と現れてくる新しいテクノロジーやサービスとの付き合い方がわかってくるはずだ。

Amazon商品紹介より

感想

本書の著者はIGPIの共同経営者とのこと。経営コンサルティング会社というと関わりがあまりない、もしくは嫌な思いをした人の中には、口だけで手を動かさない人たち、理想を語った資料出されてそれができないからコンサル料払ってるんだなど怒りたくなる人たち、などあまり良くない意見をおっしゃる方がいる。
一時期、経営コンサルティング会社働いていた人間として、そういう方がいるのを認める一方、しっかり実行にフォーカスして支援を行っている会社があることも言及しておく。
本書は商品紹介にもあるとおり、どちらかというと後者のコンサルタントが書いたものと見受けられる。「理想はわかった、じゃあどうしたらいいんだ」というのに寄り添ってくれる本だ。

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