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大河ドラマ光る君へ感想(第30~35回) ~源氏物語が始まった~

どうも、古の平安中期オタク(中関白家推し)です。
推しが退場して感想を書く筆のペースがだいぶ遅くなりました…。でも源氏物語執筆ストーリーはなかなか興味深いです。
今回は源氏物語界隈の感想メインです。

↓前回

※ただのオタクの感想なので解釈違い等ご容赦ください。


源氏物語の執筆背景

心理学的解釈 ~女性の物語~

ユング心理学の第一人者河合さんが書かれた源氏物語論考を読んでいるのですが、観点がとても面白い。紫式部は内向の人で、自分の内界に存在する多様な体験・感情・立場を女性登場人物として描き、物語にしたのではないかとのことです。序盤の光源氏の一人の人間としての存在感が薄いのは、女性の物語を書きたかったから、との考察には、確かに~~~~と頷きました。(須磨あたりから光源氏個人の存在感が出てきたようですが)

このドラマでは、密通は自分の経験、一条天皇界隈の話は道長に聞いた話、紫の上は幼少期の道長との出会い、と道長×まひろをゴリ押ししてきますが笑、史実の紫式部はどんな経験をしてこの物語を書いたのでしょうかね。めっちゃ気になる。
宣孝との夫婦関係だけではこれほど重厚な経験にならないだろうし、彰子様出仕前に倫子付き女房だった説は、感覚的にアリなのではという気がしてます(個人の感想です)

源氏物語要素もちょいちょい挿入されていて、1話の出会い、「雀の子を、犬君が逃がしつる」の伏線を回収したところはなかなか良かったです。源氏物語エアプの私でもわかりやすい~~~。

※まったく源氏物語に馴染みがない人は、はやげんから入るのをお勧めしたい。絵がかわいいし、1冊で設定の大まかなところはわかるので。

誰もが自分に重ねて読める

河合さんの論考で、紫式部が自分の内界に存在する体験を、光源氏の「母」「妻」「娼」「娘」の立場として女性登場人物に反映している、とありました。例えば、「母」桐壺、「妻」葵の上、「娼」六条御息所、「娘」明石の姫君、です。
中でも、紫の上は、「娘」(光源氏が引き取った当初)→「妻」(新枕)→「母」(明石の姫君の養育)→「娼」(女三の宮の降嫁)で、全ての立場を経験した特別な登場人物になるのです。

この時代にリアルに生きていた女性は、源氏物語を読んで「母」「妻」「娼」「娘」のどの立場にも共感できるでしょうし、男性も女性との関わりの中で生きているので、感じるものはあるでしょう。
これは流行るし、早く続きを書けとせがまれるのが納得できます。

ドラマの設定で面白いなと思ったのは、彰子様が紫の上に共感するところですね。確かに、幼少期に入内させられて、男性は一条天皇しか知ることができない。まひろとしても、自分の経験から生み出した紫の上と、彰子様が重なるなんて意外だったことでしょう。

彰子様はわしが育てた(by紫式部)

そんな源氏物語を一条天皇もお読みになり、作者に直接意図を聞きに来るオタクになっていたのがなかなか面白かったです笑。
そして主人公補正の結果、一条天皇が彰子様のところへお通いになったきっかけもまひろのおかげ、という話になっていました(実際には道長の圧力が相当にかかってたと思いますが・・・・・)

枕草子でやり取りを残している定子様×清少納言と違って、彰子様×紫式部の人間味のある交流というのは残っていないんですよね多分(紫式部日記は出産のタイミングだけですし)
だからこそ、ドラマで一つのストーリーとして表現されているのは良かったです。紫式部は人間の感情の細やかな動きにも気が付く能力があっただろうし、彰子様の複雑な想いを理解し言葉を掛けていた、というのは良いですね。

人間、好きな人にはまっすぐ「好き」って言った方がいいんですよ。これはマジ。


ほか、気になったところ箇条書き

・御岳詣の映像化、新鮮すぎる。平安ファイト一発。

・興福寺強訴の映像化も新鮮。(これはドラマのストーリー上、何か意味あるのでしょうか?道長仕事できるアピール?)

・伊周の息子道雅でた~~~!うた恋い。のイメージが強すぎるのですが、これから荒三位エピソード何かあるんでしょうか?

・和泉式部の泉里香、妖艶で良い。



さて、またファッサマ清少納言が出るみたいなので36回も楽しみ。
ではまた。


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