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【第八弾】ABC理論:相談援助にABC理論を活用!相手の考えを認めて視点を変える面談術


1. はじめに:ABC理論とは?


ABC理論は、感情や行動の背景にある「思考の在り方」を理解することで、ストレスや問題を軽減し、前向きな行動につなげるための理論です。
• A(Activating event):出来事・状況
• B(Belief):その出来事に対する考え方や信念
• C(Consequence):結果としての感情や行動

2. 面談におけるABC理論の活用ポイント


相談援助では、相手の考え方(B)を一方的に否定せず、まずは認めることが大切です。その上で、新しい視点を提案することで、相談者自身が気づき、感情や行動に変化が生まれます。

流れ:
1. A(状況の確認):具体的な出来事や背景を整理する。
2. B(考え方の受容):相手の考え方を認め、共感する。
3. 別の視点を提案:柔らかく新しい見方を投げかける。
4. C(結果の確認):新しい視点で気持ちや行動に変化があるか確認する。

3. ケーススタディ:ABC理論を面談で実践する


ケース1:家族介護のストレス
• A(出来事): 「母が同じことを何度も言うのでイライラしてしまう。」
• B(考え方): 「何度も聞くのは無駄だ」「母は理解力がなくなったんだ。」
• C(感情・行動): イライラ → 母に冷たく当たる → 自己嫌悪

面談の進め方:
1. 共感と認知: 「何度も繰り返されると、疲れたりイライラしますよね。」
2. 視点の切り替え: 「もしかしたら、お母様は安心したくて同じことをお話ししているのかもしれませんね。」
3. 相手の考えを引き出す: 「その視点で接してみると、少し気持ちは変わりそうですか?」

ケース2:職場の人間関係の悩み
• A(出来事): 「同僚が私の意見を無視しているように感じる。」
• B(考え方): 「私の意見は大したことない」「嫌われているんだ。」
• C(感情・行動): 落ち込み → 職場で孤立 → モチベーション低下

面談の進め方:
1. 共感と認知: 「無視されていると感じると、辛いですよね。」
2. 視点の切り替え: 「忙しくて気づかなかっただけかもしれませんね。」
3. 相手の気づき: 「一度、相手に意見を確認する機会を作ってみるのも良いかもしれません。」

4. 面談で使える具体的フレーズ


• 「そう感じるのは自然なことですよね。」(共感)
• 「別の見方もあるかもしれませんね。」(視点の転換)
• 「違う視点から考えるとどうでしょうか?」(柔らかな提案)
• 「少しでも楽になる考え方があれば良いですね。」(相手への寄り添い)

5. まとめ:相談者が気づきを得るサポート


面談では、相手の考え方を否定せず受け止めることが最も重要です。その上で、ABC理論を活用し、新しい視点や解釈を提案することで、相談者が自ら気づき、行動の変化へとつながります。

面談力を高め、相手に寄り添う支援を実践する一つの方法として、ABC理論をぜひ取り入れてみてください。


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