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戦前の食事で旅をする『日光白根〜尾瀬縦走&菅沼一周カヤックツーリング』
山へ
前回の海キャンプに引き続き、今度は山キャンプに行ってきました。4日間の縦走に加えカヤック、食文化にも触れていきます。食事は前回同様、小麦粉、植物油、甘いもの、乳製品、添加物なしで行きます。
通常、縦走など装備が増える山行では軽量化のため保存食や添加物多めのインスタントなものを携行していましたが、今回はそれができません。甘いものが摂れないので菓子類は全滅、行動食も市販のものは全てダメなのでDIYをします。今回は、私のやたら面倒な趣味であるこの食事制限にパートナーも全面協力してくれました。
彼女は、牛肉を乾燥させて干し肉を作り、乾燥したメザシ、おばあちゃん手作りの梅干し、初日の行動食には地元農家から直接仕入れたお米を使ったおにぎりも準備。山行中、最も重要な分野である食事を担当してくれました。これで準備は万端です。
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1日目
初日は日光白根山ロープウェイに乗って一気に標高をかせぎます。日光白根エリアは避難小屋がいくつかあるので、それらを繋いで行きます。初日は5時間ほどの行程。日光白根山はガスに包まれていましたが、時折晴れ渡り五色沼がよく見えます。
ちょうど水も切れたので五色沼まで下って沢水を補給。夜は五穀米を炊きますが、標高が高いと白米以外には浸透しないようで高所には向いていないようです。
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2日目
2日目は再び稜線まで戻り、金精山を目指します。要塞のような金精山の幕岩を横目に過ぎると、西方面に菅沼の湖面が光ります。
日光白根の山域にはいくつも分岐があるので、時折周囲を見回しながら行程が正しいかどうかを確認しながら歩かないと、結構迷います。とはいえ、道があるので戻れば修正できますが、無駄な体力の消耗はなるべく避けたいところです。
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温泉ヶ岳、根名草山を経由し、日光沢温泉までやってきました。明治時代の外観、歩けば軋む床、硫黄臭のする白濁した温泉、薪の燃える匂い、裸電球の下で、メザシと梅干しをおかずにご飯を食べます。まるでタイムスリップしたような気分!
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3日目
3日目は、雨の中を鬼怒沼向けて歩き始めます。雨はすぐに上がり、鬼怒沼に着く頃には気持ちの良い青空が広がりました。
鬼怒沼の湿原を抜け、物見山に登り、大清水まで一気に下降します。こちらは人気コースではなく、バスを使ったチートコース。
人気は「尾瀬ダイレクト」といって日光沢温泉から黒岩山方面に抜けてそのまま尾瀬に繋げるコースです。
私たちの日程的に尾瀬ダイレクトは結構厳しいんじゃ無いかと思っていましたが、このチートコースもなかなかのもので、長く急峻な下りはかなりのダメージを膝に与えました。途中で行きあった登山者も「ヤンなっちゃうよ〜」と苦笑い。全くです。
大清水休憩所から北へ、一ノ瀬休憩所までアイテム「バス」を使います。シーズン中は30分に一本出ているのでありがたいです。
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4日目
4日目。最終日は尾瀬沼山荘から尾瀬沼、尾瀬ヶ原を抜け、鳩待峠に抜けます。歩く距離は1番長いですが、平坦なのでスピードは早い。尾瀬は初めて訪れました。これほど広大な湿原が日本にあったとは驚きです。
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さらに驚いたのは、この場所がかつて何度も開発の危機に見舞われていたことです。ビジターセンターで「水力発電で揉めた過去がある」という映像を見た時は、心の底から開発されないでよかったと思いました。
尾瀬ヶ原では、イモリや魚たちが人間を全く警戒せずに悠々と泳いでいます。こういう動物たちの姿を見ると心が熱くなります。環境保護はルールの遵守ではなく人の思いやりが作り出す自然現象です。これはアウトドアカルチャーの大切な部分ですね。
山の鼻小屋分岐から鳩待峠までの行程は『山と高原地図、昭文社』に表記されたコースタイムよりも随分早く到着しました。おそらく木道の整備によって歩きやすくなったことが理由だと思います。
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夜は地元の農家さんから買った大量の野菜と、おまけでもらった沢山の野菜を食べて就寝。久しぶりの野菜に体が活性化していく気分です。
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5日目
5日目は、金精山から見下ろした菅沼をカヤックで一周します。湖の深さは最大で60m。浅い場所ではカヤックは空に浮いているような透明度。深い場所は海のコバルトブルーにも似て不思議な気分です。
しかし60mとはまるで深海です。どんな巨大魚が潜んでいるのかと、漫画釣りキチ三平の気分でカヤックを漕ぎました。
午後は日光東照宮から街の散策。酒蔵で凍った濁酒を買って晩酌に。シャーベット状態の濁酒にフルーツをのせて食べても良いそうで「これは新感覚。さっそくやってみよう!」と意気込んだものの美味すぎてすぐに飲み干してしまいました。
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食事と癌の関係を想像してみる
今回の旅では、小麦粉、植物油、甘いもの、乳製品、添加物なし。地元で入手する食材も、農薬を使っていないもの、お酒は伝統的技法のものを探しました。アクティビティは登山、キャンプ、カヤック、と盛りだくさんにしてみました。
戦後、日本はGHQの食糧政策の影響も手伝って大きな変化を遂げます。グローバリゼーションの影響ももちろんあります。そのおかげで、私たちは多様な食文化に触れることができています。しかしその一方で、2人に1人が癌にかかるという歓迎できないリスクも背負うことになりました。2人に1人というと50%、これはギャンブル並みの危険な確率です。
癌の因果関係は多岐にわたるので明確に「これ」ということはできません。ですが、仮説を作り検証することはできます。この食事制限はそのための手段です。どのような仮説かというと、GHQ政策前の状態を再現しているのです。ちなみに私はこれに加え電子レンジも使っていません。これも第二次世界大戦前にはなかったものです。
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食事制限の効果
今はまだ検証中ですが、さまざまな良い効果が現れ始めています。それについてはまた別のテーマで書こうと思います。
しかし、今回の旅を通して私はほぼ確信に近い実感を得ました。それは私にとってこれが最も理に適った生き方であるということです。
縦走中に米を炊いたり、メザシを食べたり、干し肉を齧ったり、やっていることはまるで原始人のようですが、生きている実感があります。
そして思考や判断力も研ぎ澄まされ、お酒を飲んでも翌朝の調子はすこぶる快調。1日に保たれる体力も上がってきています。
遺伝子レベルで食事と生活がフィットしていく、今までには感じたことのない爽快感を感じています。
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