なみだどろぼう
やりたい事がありすぎて時間が足りない、というような話を度々聞く。
私も、やりたい事はたくさんある。
けれど私の問題は時間ではなくて、馬力というか気力というか体力。
体力がないから睡眠とか休息に時間が必要になる。
結果的に時間が足りない状態ではあるのだが、根本は体力不足にあるというのが自己分析。
死ぬ気でやればもっと効率的に、かつスピーディーにできるのだろうな、と思うことがしばしばあるよ。
今している体力作りといえばスクワットを週3回と、1日10分のヨガくらいだ。
もう少し、体力をつけてやりたい事に注力できるようになりたいなあ。
本の紹介
なみだどろぼう
文:キャロル・アン・ダフィ
絵:ニコレッタ・セコリ
訳:こしば はじめ
発行日:2011年10月25日
発行所:株式会社 新樹社
キャロル・アン・ダフィさんはイギリス国王が任命する詩人らしい。
341年間の英国史上、女性としてはじめて桂冠詩人に選ばれた誉高い方。
桂冠詩人という言葉を初めて聞いたのですが、ウィキによると優れた詩人に与えられる称号とのこと。
あらすじ
タイトルから連想できる通り、涙を盗むどろぼうさんが泣いている子の涙を集める物語。
日が沈み、暗くなった街中に忍び込むなみだどろぼうという名の妖精さん。
その姿といえば。白い髪の毛をつんつんに尖らせ、大きな灰色の目をし、ハンカチーフ・ドレスを着て足音のしないきぬの靴を履いているらしいです。
そして、その姿を捉えることができるのは、なみだどろぼうが通りかかった際に水たまりを覗いた人だけらしい。水面に反射して、彼女の姿が映るとか。
それにしても、白い髪の毛がつんつんで灰色の目といえば
ハリポタ界で飛行練習の指導をされるあの先生が目に浮かんだ。
灰色の目かどうか定かじゃないけど、なんか似てる…って思ったという個人の所感。
感想
さすがエリザベス女王お墨付き(?)の詩人である、と納得できるお話。
私の稚拙な語彙力と表現力で、果たして彼女の綴る軽やかで幻想的な詩文の美しさを伝えられるか自信がない。という前置きをしつつ。
なみだを盗む妖精というアイディアも、集めた涙が、涙の成分によって色々な種類の宝石のように輝くという想像力も素晴らしかった。
涙を流す子供の頬にそっと手を添えてなみだを盗む、白い妖精のイラストがいくつも出てくるのですが、それが愛らしくてなんとも素敵。
子供から集めた涙をせっせと背中に背負ったザックに入れるなみだどろぼう。
集めた涙は、月の光に流し込んで夜の世界を明るく照らしてくれるんだとか。
もうその光景が、絵本のイラストも素敵だし言葉選びも美しい。
音楽に例えるならショパンとかリストみたいな感じ。
特にこの引用文。天才かよ、と思った。
川を擬人化するセンス。
読んでいて心地よい文章が最初から最後まで続き、読み終えた後はなんだか心が浄化されたような気持ちになります。
読み聞かせにちょうど良い絵本だな、と思いました。