食べ塾:飲食店のFLRコスト率目標を決めて、省力化、効率化を実行すると、確実に効率UP・利益UPが実現します!
飲食店舗も5年、10年と長ーく経営したり、勤務したりすると、
店内の配置も当たり前になり、おいているメニューも当たり前になり、
スタッフにも日々の営業に慣れきってマンネリ化することが、
起こりがちになります。
しかし、ここで新たに「店舗」という存在を見直すことで、
店舗運営の効率化が図られて、しかも新たな利益が増えてきます。
そのいくつかの要点をご紹介します。
■FLコスト率+Rコスト率=70%に近づけるると、
純利益額がドンと増えます!
わかりやすくご説明します。
店舗経費の2大経費=食材費・人件費に、店舗家賃(*家賃がない場合は
銀行返済金同等額)を加えた総額が、売上高の70%までに収まる形です。
<飲食店のコスト率管理の公式>
食材原価率+人件費比率+家賃比率=70%(以内)
<具体例>
食材原価率32%+人件費比率30%+家賃比率8%=70%
のようにコスト率配分を決めて実行することです。
*残り30%の利益から、店舗のランニング費用(販売管理費用)の残りと
銀行返済金や消費税、法定福利費、リース料などを支払うことに
なります。(*およそ月商の15%前後の利益があると思います)
<今までの具体例>
食材原価率37%+人件費比率32%+家賃比率10%=79%
*上記の70%に比べると、9%ほど大きなっています。
FL=69%でクリアできていますが、実際の資金繰りは、
やや苦しい状況です。
*これからのFL管理費率は、
FLコスト率=65%(以内) が良いかと思います。
従来の70%以内では、消費税10%の時代の資金繰りには向きません。
<FLコスト率が66%~70%越のお店が経営継続できるための条件>
1,自社店舗で家賃が不要
2,家賃が地域相場より安い(長期契約している)
3,売上高が想定より多く、FL率は高くても利益が多い。
要するにR(レント:地代家賃)コスト率が0%~8%になっている
お店です。
■店舗開拓の要点 面積は今のままでも、
1,1卓人数を少なくして卓数を増やす!
2,メニュー数を効率よく少なくする!
3,キッチンを合理化して調理機器を導入する!
<解説>
1,1卓人数基準人数=「2名」と考える
●1名来店の時→2人卓もしくはカウンター席
●2名来店の時→2人卓へ
●3名来店の時→2人卓×2卓へ
●4名来店の時→2人卓×2卓へ
●5名以上来店の時→店内分散利用していただく
<重要>
これからの時代は、1卓の着席人数を多く持つ時代から、
1卓(テーブル)数が多いほうが確実に売上が増えます。
2,メニュー数を絞り込む
<メニュー数が多い時の弊害>
●オーダーから料理提供までの提供時間が長くなります。
●より多くの食材を持つために、食材の回転率が悪くなり、
品質の劣化や廃棄ロスが発生します。
●Bランクメニュー、Cランクメニューが多く発生して
たまにしか出なくても、提供ノウハウを維持しなくては
いけません。
多すぎるとストレスと非効率になります。
3,キッチンの合理化で生産効率を引き上げる
<導入したらよい機器の一例>
●スチームコンベクションオーブン
●低温調理器
●急速解凍庫
●恒温高湿庫(98%湿度の±2℃のチルド庫)
●バキュームシーラー(真空パック機)
●自動フライヤー
●半自動ピラフマシン
●半自動ゆで麺機
<これからの飲食店のキッチン>
●より狭く効率的にする (*広いと人数がいる、効率が落ちる)
●歩きの少ない機器の立体的配置
●キッチン気温の上昇を防ぐ対策(*夏季には40度~50度位)
●衛生的なドライキッチン
今からの飲食業界では、一番高い仕入れは、「人件費」となります。
これを少なくとも、5年後、早ければ、2年後を目安に、
半数近くの調理を「調理機器を駆使した調理方法の導入」に
切り替える と、
①人件費の圧縮と好待遇(給与アップ・休日アップ)の実現が可能
②未来キッチンの実現(人件費換算でリース機器は半額以下の経費)
③1人調理が可能になれば、アイドルタイムも採算が取れて営業可能
そんな世界に変わります。
■うまくまとめるコツは、
「省力化」「効率化」の2つの視点でまとめることです
1、「効率化メニュー」に切り替える
●目標売上を達成するために必要な「最低数の食材数+必要な調味料数」
1食品→3品以上の料理に使えて使いまわしができること。
そして、食材数の不足を調味料の多彩な使い方で補うことです。
●新鮮で安価な食材を中心に仕入れて、高額食材は10%に抑える
高額食材が仕入れ全体の10%を超えると食材原価率が上がります。
健康志向、美容志向が高まるにつれて、「野菜食材」の使い方が
とても重要になってきていると思います。
●5分調理時間で、提供までの時間が10分~12分の料理を中心にする
基本的に「早期提供」は、最高のサービスであり、おいしさの
基本要素にもなりつつあります。
2,完成ギリギリまで「下仕込み」しておくと、
提供時間がかなり早くなります!
オーダーが出て「加熱するか」「盛り付けるか」ひと手間かければ、
料理が完成するところまで料理を突き詰める時代です。
高級専門料理店を例外として、
一般店の場合は、適度に料理を早く出してあげることが非常に大切です。
3,ホール作業の省力化機器導入で人件費の軽減を
行い、スタッフの負担を軽減する仕組みに変える!
<導入され始めた省力化機器>
●予約システム
●オーダーシステム
●セルフレジシステム
●コールシステム(随分前からあります)
●客席管理・監視システム(トラブル防止効果)
●ホール側のセルフ給湯・給水システム
●料理の自動提供ロボット・特急レーンシステム など
4,「客席回転率」を高めて売上を上げる考えも
持つべきと思います。
<月間客席回転率>
かってバブルのころには、黒字経営店は「月間回転率50回転以上」と
いう一つのスケールがありました。
例えば、
100席の飲食店で月間6000人の利用者数があれば、
6000人÷100席=60回転/月間
ということになります。
平均客単価が1100円の場合は、月商660万円のお店になります。
焼肉店で平均客単価2500円の場合は月商1500万円とういうことになります。
今後は、
●調理場の料理生産能力
●料理の提供時間短縮
●お客様の利用時間
を加味した「客席回転率」で売上を作ることも
必要な時代と思います。
(了)