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たべものコンサル日記R46:「もうそろそろ引退時ですよ!」と言える人が身近にいる経営者は幸せと思う!
この投稿に潜在的に傾向のヒントをいただいた経営者の方が数人います。
年商3億円~20億円~上は700億円位までの人達です。
おおまかな共通した傾向を書き留めます。
■およその経営者人生ストーリー
およそ経営者の人生パワーは、ホームランの打球のように
50年間くらいの距離の大きな放物線を描くのと似ています。
大空に吸い込まれるように上昇してゆき、平行になり、やがて下降する。
20代~30代は、若さとパワーに任せてしゃにむに頑張る。
40代~50代は、そのできた土台に乗っかって上乗せの成長をする。
60代は、経営者も人により分かれます。
攻めの経営をやめずに新規出店と借入を繰り返す人
反対に、防御の守りに入って固めようとする人
そしてこれらのどの時期にも、経営者の方のそばにいるのが、
税理士、金融機関窓口支店、弁護士、社会保険労務士、
奥さんやご主人、息子や娘、そして経営コンサルタントです。
<経営者のあゆみ>
10代後半~20代半ば 飲食業界に入り修行、頭角を現す。
親の会社に入社、または小さな飲食店を自営
武器になる知識や経験がないから、
寝らずに働いて「体得する」という感じです。
20代後半~30代 どうしたら儲かるか、売上追及に全力を傾注。
クレージーなほどのワンマンぶり発揮始める。
時代の変化とニーズをつかむアンテナを持ち、
感覚と発想がマッチした人が事業拡大しました。
40代~50代 何度も経営危機や有能な社員の離反などを経験
しながらも、着実に事業は成長拡大し続ける。
(ある社長の言葉)
会社で長く働いてくれる社員は、俺の能力と同じ
レベルまでと思っている。
頭のいい社員は自分で事業を起こす。
それ以下が会社に残ってくれる。
若い時よりは年を取ってきたという自覚が生まれる。
この頃に、勝手に自分ご褒美を与えてしまい、
バクチや女に溺れる経営者は、大抵倒産しています。
溺れずに続けられる人は結構仕事も遊びもプロです。
60代~70代 「自分は成功者だ!」という自負とともに、
共通してあるのが、
自負を満足させるステイタスシンボル店を作る
ことです。
ある人は、持ち株筆頭者の権限を行使して、
独断で新事業を始めてしまいましたし、
ある人は、シンボル店の1店実現に3億円を投資し、
別の人は6億円の巨大飲食店の投資を行いました。
多くの場合、この採算無視の過大投資が分水嶺と
なってしまい収益性の悪化を招くことになりました。
■ワンマン経営者は人の意見を聞かないけれども、
本当は心の奥底でわがままの限度を探っている
経営者の方の身の回りの方たちの全員が「ハイ!」という
ことを期待してワンマン性の持続の可能性をひそかに計算していますが、
本当は、会社に対する愛情と熱意をもって、
何回も何十回も、何年間も言い続けてくれる「よき理解者」の存在を
待ち焦がれていると思います。
私の経験では、ほんの2~3人の方ですが、
親族同様の会話ができるようになった期間は、およそ5年間です。
内容によっては、家族以上の信頼をいただきました。
苦言も栄養源
すばらしい経営者のあり方は、気に入らない言葉をいきなり言われても
「ぐっと心の中に飲み込める胆力」があるかどうかだと思います。
一旦は丸ごとそのまま飲み込んで、後で反すうしながら、
吟味分析して対処すればいいことだと思います。
この冷静にていねいに吟味分析する力が自分の事業も人生も
高める作用をする栄養源だと思います。
■引退時期は自分で決めるが、
周囲の同意と準備期間が必要です!
人が引退を考えるように勧めると、
「まだまだ」と必ず否定する!
体力の衰えもそうですが、考える力、記憶力の衰え、
さらに今どきの世の中の変化を感じ取るセンサーが錆びて
しまってはどうにもならないのですが、
人から言われたくない、でも自分でも認めたくない
という実に人間らしい素朴なところがあります。
周囲の同意が必要
●家族 奥さんやご主人、息子や娘たち
●金融機関 経営の安定=返済の安定 です。
●幹部社員 心の準備と後継者候補との相性・協力有無
●税理士 高齢税理士と若年経営者は合いません。
ほぼ若い税理士に交代しています。
●取引業者 商品の売掛取引があれば当然です。
準備期間
いろいろな実務ケースを見ても、
1~2年では引継ぎ後にごちゃごちゃする可能性があります。
事業承継期間(経営者と後継者が経営権限範囲を徐々に移行させる
期間)は、3年~5年は、必要とみています。
経営者の方は、後継者に経営移譲されても、後見職にとどまり、
経営と組織がうまく機能する「習熟期間」を2年程度は見る必要があり、
都合上、
事業承継開始から5年~7年経たないと、自由の身にはなれない
と前もって知っておくべきと思います。
苦言を言ってくれる人って誰?
金融機関も税理士さんも、基本的には「安全な関係構築」を
一番に考えるので、なかなか忠告も苦言もしません。
私は、契約先の経営者の方にいうべき必要な言葉として言ったために
即時契約解除になった例が2件あります。
わずか32年間にたった2件です。
「お金を払っている俺に文句を言うのか!」という言い方でした。
社員もコンサルも俺が雇っているという「雇用意識」からの言葉でした。
私は、開業から今まで、
どんな年商の経営者の方とも「完全に対等」とのスタンスで
仕事をしてきましたので、
大切に思うからこそ、大切な苦言を発してきました。
これがわからない人は、契約する値打ちもない人だと思う訳です。
今一人、引退を心から納得された経営者の方が身近にいます。
実に5年半以上、少しづつ少しづつ伝えてきて実ろうとしてきています。
その分、後継者にも大いに期待する訳です。
(了)
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