隠れ原価も食材原価に加えて、原価率を見直す時代です=飲食店の困ったを解決相談所大分
新規開業店の月商に対する食材原価率の目安は30%、一方で、既存飲食店の場合は、値上と我慢のお店に分かれ、35%~40%弱(推定)あたり。
こうした状況でも、3つの隠れ食材原価も直接の原価にはなりませんが、
新たに売価を検討する際は「正式に原価の一部」として算入する時代になったと思います。
🍉隠れ原価は、この3つ
輸送費・加工費・保管費です
●食材運送費(メーカー直送や加盟本部からの商品にかかる費用)
輸送人件費、燃料費が上がると確実に上がり続ける経費です。
利益がふんだんに取れない時代だからこそ、原価に加えることで、
最終食材原価率を計算すべきです。
●食材加工費(委託加工費、仕込み代行経費など)
この先売上を上げてゆくためには、飲食店が飲食店に、仕込み作業を
相互委託する時代になってきていると思います。
1時間当たりの営業時間が赤字になる時間帯を、副業収入に変える
ためには、こういう委託加工を引き受けて利益を生むようにすべきと
思います。
●食材保管費(冷凍長期保存・冷蔵保存・塩蔵保存など)
特定の食材のまとめ買いをした場合は、多くは、仕入先の食品会社に
無償(?)で保管してもらいます。
品切れを回避するためにまとめ買いして、保管費払う時代です。
水産物(カニ・エビ類・魚)や食肉(牛肉・高級食肉)などが
当てはまると思います。
ひとつづつがわずかな%でも毎月かかる経費です。
1kg原価や1個原価に隠れ原価をプラスして原価計算しましょう。
🍉食材原価以外のコストが重たいお店は
黒字経営になりにくい
1,うどんチェーン
本部から毎日うどん麺を送ってきているお店。
1個単価は普通の価格であっても、運送費を入れるとものすごく高い
原価率になり、低価格で売っても利益が出ない。
茹でうどん1玉の原価が、運賃込みで120円~150円計算になっていた。
*こういう例は数多くあります。
2,弁当店
毎日弁当のおかずを何種類もつくる調理担当スタッフは、午前2時~
12時まで働いているので、翌日の仕込みをさせられない。
そのため、午後1時から3名のスタッフを雇用して、食材の切込みなどを
毎日行っており、その加工費(人件費)がかかる。
数量が増えるとまた、増員しなくてはならない。
作業の遅い人が多いと、人件費過多になる。
3,バイキングのお店の例
毎年紅ズワイガニの仕入をしている、サーモンを大量に仕入れている
などの食材を長期保管してもらっている場合、今までは納品価格に含めて
いたものが、保管コストの上昇により、別途に冷凍食材の保管費が発生
する見通しです。
保管費用は食材原価には含めていませんから、保管費が有料になると
仕入価格の値上げと同じことになります。
4,人件費が高すぎる
食材原価率が、決算書を見ても30%であり、有料原価率店ですが、
お金の余裕がないお店です。
・通常の飲食店の人件費の1.5倍~2倍を使っている。
(勤務シフトが甘い)
・役員報酬を取り過ぎ
(節税兼ねての旧来の経営対策)
・納税は数万円(一桁)のみ
(これを続けていては金融機関は大口融資はしないと思います)
直ぐにではありませんが、
食材原価+調理人件費+加工人件費+接遇人件費+運送費
+保管費 などを加えて
「商品売価」を決める日が来るように思います
(了)
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