飲食店の困った!を解決相談所大分12:「どれくらいの値上げ率」がいいかわからない悩みを解決するヒント!
まだまだコロナから完全に回復できていない秋半ばです。
もう10月に入って夕食の鍋料理を4~5回作りました。
今冬は寒さが厳しいので、コスパの良い鍋料理が売れそうです。
飲食店にとっては円安の進行で食材の高騰が頭が痛い中、売上が回復
していなくてもやるべきことがあります。
■いま飲食店がやるべきこと
1,食材の値上がりの実態を調べる
お店で使う食材の値上がりの実態をまず最初に調べる必要があります。
⓵一番多く使う食材10品~15品をピックアップして、
4月の仕入価格と10月の仕入価格を比較して何%値上がりしたか調べる
~個別の商品ごとの値上がりの動きが見える
②令和4年4月期~9月期までの各月の売上に対する仕入高の比率を調べる
◎各月の食材原価率を調べる~総額としての値上がりの動きが見える
◎6か月分の食材原価率の平均値を出す
~この数字が今のお店の原価率です。その数字で利益率がわかります。
2,自分のお店が何%の価格アップをしなければ
いけないのか計算する
多くの値上げ価格のメニューが失敗する例は、
●一律の電卓計算価格に値上げする・・・・・は×です
●全メニューをきまじめに値上げする・・・・は×です
●売れていないメニューも値上げする・・・・は×です
共通しているのは、「消費者であるお客様の気持ちへの配慮」が全くない
ことなのです。言い換えれば、冷たい値上げは失敗します。
お客さまの来店売上があってのお店とわかっていながらですね。
<手順>
⓵9月期、10月期の食材原価率(棚卸調整後)が、今年の4月期の食材
原価率より「何%上回っているか」を調べます。
仮にそれが2.5%だとすれば、年内のメニュー変更で2.5%値上げしても
改善にはなりません。凹んだ穴を遅れて埋めただけです。
②飲食店の値上げの特質は、常にお客様と接する商売ですので、
食品メーカーと同じように小刻みで複数回値上げは許されません。
せめて半年に1度限りと思って値上げする。
よって、
2.5%(穴埋め値上げ分)+2.5%×50%~100%(次のメニュー変更までの値上げ分)を含めた値上げ率
総メニュー(全品)計算で、3.75%~5%の値上げが必要になります。
3,全品値上げを避けて、どのメニューを値上げ
するか吟味する
⓵メニューごとに仕分けします
●値上げ率が10%~15%でも耐えられる(売れる)メニュー
*人気がある強いメニューで魚や肉の商品力が強い料理
●値上げ率が5%~8%くらいが妥当なメニュー
*そこそこ人気がある料理
●値上げをすると売れなくなるメニュー
*あまり売れていない料理、売れていない料理
せめてこの3分類に分けて分けて考えましょう。
2の総メニュー計算で出した3.75%の値上げが実現できるように、
それぞれの個別メニューを吟味して新価格を設定します。
■消費者(お客さま)の気持ちを想定した値上げ率
イメージをリストにしました<参考表>
もちろん単に理論ということでなく、数多くの値上げ体験で得た
成功率を基に表しています。
1,よく聞く10円値上げ、20円値上げでは
「改善」にならない
またすぐに「再値上げ状態」になる
飲食店は、お客さまの顔を見ない食品メーカーとは違いますので、
10円値上げ、20円値上げ、30円値上げを1年に何度も行いながら、
トータルで20%値上げ、30%値上げという手は使えません。
飲食店は、毎回が「1度限りの値上げ」の反復です。
そして、
次の値上げまでに大きく値上がりした食材を使う料理は、
「ピンポイント値上げ」です。*全体値上げほどリスクはありません。
2,値上げ指定メニューは最低でも、
8%値上げ~15%値上げが必要です
大まかにいうとこの数字です。
当然ながら、お店ごとにすべて事情や条件が違いますから、
絶対ではありません。
レアな食材で、競合が全くない業態の場合は、20%~30%の値上げも
可能です。
しかし、現実問題として同じ分量で30%値上げするよりも、分量を10%減らして、価格を15%~20%上げる方が無難な場合もあるかと思います。
■無料相談をお引き受けしています
値上げは必ず成功できます。
その根拠は、商品力とお店の付加価値です。
存続するための利益確保は「正当な行為」です。
よろしくお願いします。
(了)