高コスト時代の飲食店対策9:商品力の強さが売価の値上を叶える時代
このテーマの記事は10回のシリーズで投稿します。
飲食店の業態変更や仕組みを変えて繁盛店づくりに役立つ内容です。
*10の記事のうち1本は有料記事になります。
この投稿でもう9本目になります。
1本目の投稿から10本目のまとめまでを残らず読んでいただければ、
これからの高コスト時代の飲食店が生き残り利益を増やすヒントが多く
あるかと思います。この先5年間以上は役に立つ考え方です。
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■飲食店の「商品力」とは何か?
狭義の商品力
メニューブックにある料理やドリンクなどのメニューのひとつひとつが、「価格に見合った(もしくは上回る)価値を有するか」が商品力です。
具体的には、
●美味しさ
●ボリューム
●鮮度
●オリジナリティー(商品がお客様を呼び、お客様が商品を呼ぶ)
●価格(商品力に見合っている、安く感じる)
などがあります。
よく耳にするのは、
既存の飲食店ほど「値上げをして売上を減らしたくない」という声を
多く聞きます。
私に言わせると、
「風邪を引いたけど、医者代がもったいないから家で養生する」と
同じに聞こえます。
➡気がつかれた人はたくさんいると思いますが、過去3年間くらいから
現在までにオープンしたお店は、
「すでに食材原価率30%前後の商品原価と価格でデビューしている」
から、ひたすら客数増だけ考えればやっていけるのです。
➡既存店はそうは行きません。
売上を維持するために、多くの食材、多くの人材、広い店舗をもち、
売上第一で仕組みを作り上げています。
今はそれでいいでしょうけど、あと3回、5回値上げがあった時は、
一挙に20%~30%も値上げしてしまうのですか?
値上げが失敗して潰れてもいいのですか?
ということになります。
➡こう考えましょう!
売上と利益を切り離してください、売上が上がらなくても、
「利益はどうしたら増えるか」を考えてみると突破口が見えてきます!
本当に消費者のためになる値上げは、
「お客様の痛みが少なくなるように」、
必要最小限度の値上げを繰り返すしかありません
広義の商品力
飲食店の基本の成功原則は、QSC(商品力、接遇サービス、清潔感を含めた店舗総合力)が、利用するお客様が満足するレベルで維持されている
ことです。
広い意味の商品力という見方をすれば、
●清潔で居心地のよう客席空間 で、
●気配りのできた接遇サービス を受け
●タイムリーな料理提供
が行われれば、最高の総合商品力になります。
昭和の時代は、料理が良ければ繁盛すると言われた時代が一時ありましたが、そうではありません。
飲食店という閉鎖空間の中で、美味しい料理を心から楽しめてこそ
最高のおもてなしであり、最高の総合商品力です。
不当に高い値上げ価格でない限り、
確かな『商品力』が値上げの根拠の裏づけとなります
■商品力の強さと売上力
●Aランクメニュー(トップ5アイテム) 商品力100%
売上高の75%を占めるAランクメニューの中でも、特に商品力が
ずば抜けている商品がベスト5の商品かと思います。
商品の内容も、価格も申し分なく超人気商品群です。
●Aランクメニュー全体 商品力70%以上
基本的に人気商品群であり、月商、年商の75%を売るメニュー群。
全体の総メニュー数の約1/3程度のメニュー数です。
●Bランクメニュー全体 季節貢献商品力50%
Aランクメニューがメイン料理群とすると、Bランクメニューは、
サブの押さえのメニュー群ということになります。
夏に売れて冬に売れなかったり、冬に売れて夏に売れなかったり、
年間を通じて、たまに売れていて、切り取るにはもったいないオーダー数
のメニューというメニュー群です。
メニュー数が多い方が多くの人が来店するという神話はもう崩壊寸前です。
●Cランクメニュー群全体 商品力20%~1%以下
メニューの効率化を狙う一番良い方法は、
365日すべて、
Bランクメニューの売れない商品とCランクメニューすべてを削除して、
削除メニュー数の半分の数の「新メニュー」を投入し続けること
です。
やり続けるには、熱意も努力も必要ですが、
お客様を絶対に裏切らないお店になるため、
利益率の向上や効率化を進めるためには、必要不可欠の方法と思います。
商品力を高めてお客様の絶大なゆるぎない信頼を頂けるようにすることは、
お客様商売の飲食店にとって、とても大切なことです。
人生の生き方と同じように、
経営力は決断力の強さに正比例します
失敗も成功も時の運!
もし失敗しても何度でもやり直せます!
今あなたに必要なものは、
『勇気』と『決断力』です
(了)