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飲食店未来学116:新ワンオペ飲食店のメリット⑦~客単価設定が自由
この新ワンオペ飲食店とは、新たに増えつつある飲食店の負担をことごとくそぎ落とした形で「経営者と時々パート」で繁盛を続けるラーメン店、魚専門店、ふるさと膳料理店などのお店の謎を解明す10回シリーズです。
個人経営のワンオペ飲食店のメリットの一つに、客単価設定が自由にできるということがあります。客単価とは1人当たりのお客さまの利用金額の目安です。(飲食店の売上高=客単価×1日の平均客数×営業日数)
月商目標110万円週5日営業(月間22日)のとき日商目標は5万円、その時平均客単価はどう決めるか~自由さと限界を説明
ワンオペ(ひとり経営者)のお店は基本的に、どの客単価であっても自由に選択できます。ただし経営する限り、「採算のとれる月商」に達するためには、客席数(例えば10席)や客席回転数(全席10席×何回転するか)と客単価目標が必要となる。具体的に説明しましょう。
■客単価800円の場合
客席数10席のお店が日商50,000円目標で、麺類や丼ぶりややや手軽な定食を売って客単価800円の営業する時、
★客席1回転の売上高・・・・8,000円
★日商5万円を売る客席回転数・・・・6.25回転(=62.5人≒63人)
1日の来店人数を63人確保するための条件を考えます。
①営業時間を2倍にする
長時間ひとりで営業するには根気と体力が必要です。できますか。
②客席数を2倍にする
客席が2倍になれば、ホールスタッフの人件費もかかります。その分だけ利益性が低下します。
ワンオペレーションの場合はあまりしたくない客単価ですね。
■客単価1,500円の場合
同じ条件で客単価1,500円の営業する時、
★客席1回転の売上高(10席)・・・・15,000円
★日商5万円を売る客席回転数・・・・3.34回転(=33.4人≒34人)
1日の来店人数を34人確保するための条件を考えます。
①昼中心営業か、夜中心営業かを選ぶ
昼間の営業であれば食事中心の5時間~6時間の営業時間。夜の営業であれば19時~21時などの4時間程度の営業時間が目安。店舗の立地条件と求める客層に応じて決めると良い。
②どの料理を売るか業態を選ぶ
客単価1,500円は昼としてはやや高めの金額だが、夜としては少し安い価格です。たとえば、昼営業なら手打ちそば、夜営業なら低価格の焼鳥屋になる。
■客単価3,000円場合
同じ条件で客単価3,000円の営業する時、
★客席1回転の売上高(10席)・・・・30,000円
★日商5万円を売る客席回転数・・・・1.67回転(=16.7人≒17人)
1日の来店人数を17人確保するための条件を考えます。
①客単価3,000円を料理2,400円とお酒600円と分けて夜営業を考える
昼では少し高すぎる客単価の3,000円は、どちらかというと夜向きの客単価のランクです。夜営業であれば、最低1杯のお酒を飲む想定で、売る料理を考えたらよいと思う。
肉料理系のセットメニューを1種類だけ提供する。ソースを2~3種類準備すれば、お客様目線では3種類のメニューがあるお店になる。
②輸入肉のカルビステーキ専門店とかであれば昼営業も可能
路面から店内が見える立地であれば、昼営業が有利と言える。お酒の売上がなくても料理の店内売上とテイクアウト販売で成り立つと予測します。
3,000円払ってもお得感がある料理の見せ方、売り方、食材の選び方がポイントとなる。
■客単価5,000円の場合
同じ条件で客単価5,000円の営業する時、
★客席1回転の売上高(10席)・・・・50,000円
★日商5万円を売る客席回転数・・・・1回転(=10人)
1日の来店人数を10人確保するための条件を考えます。
①完全予約制で高級食材系の料理を出す
高級食材を使うお店は鮮度が一番の売りです。毎日消費する分だけを仕入れて売り切りするためには、「予約なし営業で開業→予約営業率を引き上げ」して完全予約利用店にすると繁盛が継続できます。
②手づくり100%でお客さまの好みを加えたアレンジ調理をする
お客さまと対面式が基本。得意客が友人知人を連れてくるお店になるように育てる。お客さまの管理と気遣いが売上づくりに直結する客単価レベルになる。
③ゆったりした客席づくり
客単価が5,000円を超えてくると、料理の満足度だけでなく、QSCのレベルが上がり、接遇や店舗の清潔さはもとより居心地の良さがないとお客さまの満足度が上がらず、月商の維持が不安定になります。
ワンオペ営業店は基本どの客単価の商売もできますが、客単価800円~5,000円までを見比べていただければ、自分に合った客単価のあり方が見えてくるでしょう。それがこの記事の目的です。大切な気づきなのです。
もっと飲食店のなるほどという「コツ」を知りたい方は、この本をご覧ください
○新しい令和7年の飲食業界を生き抜くコツを紹介
○飲食業界を知らない人が無事に開業できる方法を紹介
○開業後の黒字経営のしくみを開業プランに組み込んで紹介
第1章 開業成功の条件
第2章 店舗コンセプトを決める
第3章 創業計画書の書き方
第4章 開業スケジュールを作成する
第5章 資金調達のコツ
第6章 店舗を選ぶコツ
第7章 内装工事業者を選ぶ
第8章 厨房設備業者を選ぶ
第9章 その他の業者の種類と選び方
第10章 開業メニュー制作
第11章 従業員採用とハウスルール
第12章 開業前チェックをしよう
参考資料 料理の原価計算ノコツ
間違いなくお役に立てます。買ったらすべて読破してください。
よろしくお願いします。
(了)
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