食べ塾112:飲食店の値上げメニューを成功させるワンポイント講座
あと1か月半先の10月1日からは、春の値上げにもまして、多くの食材が
値上げされます。
同時に、パート・アルバイトさんの最低時給が「+30円~31円」ほど
アップします。100時間~150時間働くPAさんでしたら、
1人当たり3,000円~4,500円アップします。
こんなご時世でも、遣り甲斐のある飲食店経営をしようと思えば、
「努力に見合った利益高」
があってこその経営者冥利に尽きるということになります。
それが、実現する唯一の方法が、
「適正利益率の価格で販売できて、必要な利益額が手に入れる」
(食材や人件費が上がって利益が減る分を取り返す価格に引上げ)
ということになります。
サラリーマンの昇給賞与は、飲食店主にはありません。
代わりに、
「食材や人件費が上がったら、お店の健全な維持ができる仕組みを認めて
ください」
ということになりますね。
値上メニュー成功のコツを飲食現場目線でお伝えします。
■成功術1:人気の売れ筋メニューだけ値上げする
まじめ過ぎる飲食店の経営者と1円でも多く儲けたいというしっかり者の経営者の人は、
「すべてのメニューを一律で値上げする」
でもこれは、値上メニューが失敗する一番の方法です。
売れているメニューだけを値上げすると、他の60%以上のメニューは、値上せずに旧価格のままで再登場します。
これが常連さんなど「固定客」の方たちの安心感になり、離反客の防止に
繋がります。
■成功術2:売れ筋メニューをすべて値上げしない
で1~2品だけ旧価格で残す
●食材原価率が許容範囲にある人気メニュー
●食材の値上がりを自店の工夫で吸収できるメニュー
等のメニュー候補から、1~2品を選んで、
「わざと値上グループから除外」して、値上が嫌いという客層の想いを
オーダーで吸収する「ガス抜きメニュー」をつくることです。
このメニューが、あるなしで、値上メニューの成功率が変わります。
成功術の1と2を組合わせて行うのが良いと思います。
■成功術3:あると嬉しい新メニューを
値上げメニューに必ず加える
既存メニューだけを新たな値上げメニューとしてデビューさせても
常連客さんから見ても、ちっとも楽しくないメニューですが、
「新メニューがそこに加わると、まっいいか!の楽しいメニューに変わる」
のです。
これも凄く大切なことです。
この新メニューの美味しい料理を開発する力も、飲食店には必要です。
■成功術4:人気が低いメニューほど値上げを
しない、又は 値上げ率を低くする
飲食店のABC分析データは、「人気度ランキング」です。
●Aランクメニュー 10%~15%の値上げに耐えるメニュー
●Bランクメニュー 3%~7%くらいの値上げが限界のメニュー
●Cランクメニュー 少しでも値上げをするともっとでなくなるメニュー
こんな特性が違うメニューグループを一律に10%とか値上げすると、
そのお店は、値上げ失敗をすることになります。
値上げ率と販売金額は、人気度に合わせて吟味する
あくまで来店されるお客様が、日々注文されたオーダーの積み重ねが
月商ですから、お客様の心証を逆なでする値上げは失敗になります。
お客様への配慮があってこその「思いやり値上げメニュー」
なのです。
■成功術5:上限販売価格を決める
どのお店のどんな客層でも、「許容限界価格」があります。
ランチが人気のお店でも、1,200円~1,480円は売れるが、1,580円や
1,800円は売れないというお店もあります。
このお店のランチタイムでの「許容限度価格」が1,500円ラインと
いうことを示しています。
●新価格が許容限度価格を超える場合は、メニューを廃止する
●それでも出したいときは、
1/2ボリュームメニュー又は2/3ボリュームメニューでデビューさせる
許容限度価格の設定は、
売れ筋商品価格帯を維持するためのコントロール作業となり、
儲けるためには、この価格もお客に押し付ける という
お客様に対するダメージを
回避する方法です
5つの値上げのコツを活かして、10月の値上げに備えてください。
<秋の値上げ時期の検討>
1,同時に切り替え 10月1日スタート (値上げを告知する)
2,1か月遅れて切り替え 11月1日スタート (1か月分の優しさ)
3,1か月前倒しで切り替え 9月1日スタート(春に値上げしていない店)
4,令和5年1月から切り替え
5,コロナ過鎮静化の時期を見ながら切替え➡回復月に入って切り替え
(了)