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たべものコンサル日記:常識では儲からない飲食業、「非・常識」で儲かる仕組みを作り上げよう!
サラリーマン時代と自営業時代を入れると40年以上飲食業界に
関わっていますが、今と昔では大きく違うことが2つあります。
1,売上が今の2倍が普通だった
40年前、30年前に比べると、外食人口も多く活況があり、
坪売上高が今の2倍はありました。
逆に言うと、長期の不景気のデフレスパイラルを経て、売上が半減したと
いうことです。
2,客単価が40%~50%落ちた
長期の不景気感と人口減少の中で客数を取り込むために、
売値の安い商品やコースの方に舵を切るお店が増えた。
食材価格も給与や時給も上がっているのに、売上は20年以上かけて
下がり続けています。
30年前には、飲み放題付き居酒屋宴会コースが5000円~7000円
でありましたが、
今は3000円~5000円です。まさしく逆行しています。
先日noteのクリエイターさんの中に、イタリアンのオーナーシェフの
方が”飲食店は儲からない”という投稿をされていたのを拝見しました。
私は、
この方と同じ思いで懸命に日々の経営を頑張ってされている方が多いと思い
この投稿を行うことを決めました。
まず、
●40歳代の方が若い20代に学ばれた料理の技術や考え方はそのまま宝で
良いと思います。
しかし、
●学ばれた時代が昭和だったり、平成末期以外の平成前期、後期であれば
お店の経営感覚「こう考えてすればうまくゆく」は、
もう景色が違ってきたので、
合わない経営感覚パーツは取り替えませんか?
ということになります。
非常識でなく「非・常識」で組み立てる!
いうなれば大きな時代の変わり目です。
今までの成功セオリーが通用しないということになります。
■非・常識1:
商品価格を2倍の価格で売れるようにする
欧米の料理価格は、日本の2倍近くの価格で売れていると思います。
手作りが基本ですし、食材のごまかしも基本的にはありません。
手段1:専門店中の専門店になり独自の価格体系のお店にする
<周辺に1店舗しかないユニークな専門店になる>
一度に2倍の売価に移行することはできません。
売価をメニュー変更ごとに20%~30%引き上げる。
また、平均客単価を1.5倍にできるようにメニュー構成の
工夫をする。
*これは十分可能なことですが、
お客目線で自店のすべての要素を見て、積極的に工夫と変更を
行う必要があります。
食材・料理・食器・接客サービス・顧客管理・メニュー構成など
結果として1人が5000円が10000円になった時に、
トータルで満足できて、「また来たい」と思えるかどうかです。
手段2:食材は正統品を使い手作り基準でていねいに作る
<食材も手順も本物で調味食材は既製品をできるだけ使わない>
意外と手間がかけられない、コストをかけられない、時短ができる
というので、既製品の調味料類を利用しているお店が多いのです。
せめてこだわりの1品は、100%オリジナルで逆に出すべき時代
だと思います。
手段3:実演型オープンキッチンにする
料理人さんからすれば手元を見られますし、キッチンの汚れ具合も
観察されますので、やりにくいのですが、
例えば、立ちの寿司店をイメージしてください。
清潔で、ごまかしもなく、手際よく料理を作る演出が付加価値を
生むと思います。
■非・常識2:
高級食材を使っても食材原価率25%~30%が
当たり前と信じて実行すること
約40年近く前のフレンチレストランは、食材原価率27%でした。
しかもホテル内のレストランは、別途にサービス料を10%いただいて
いました。
30年前・40年前の外食が華やかな頃でしたから、食材原価率が40%を
超えていてもやっていけたのです。
そしてまた、新規出店やリニューアル経費の一部も貯蓄できていました。
自店という価値のあるお店を継続するためには、25%~30%の原価率で
当然ですという考えのもとに、メニューを作ってください。
当然ながら、
●売価金額に見劣りしない料理作り
食材の選定
食材の下処理
食材の調理(低温調理など時間と手間暇→メニューに掲載し理解を得る)
高級良品食材は売価に合った分量でよい
(*サービス盛りは2度目からは当たり前に変わるので逆効果です)
何よりも、料理に合った食器・オーダーする客層に合った食器を選ぶ
ぶれない調理
原価率に合わない飾りつけや+アルファ食材はそぎ落とす
ていねい提供サービス
■非・常識3:
ダメなスタッフがいる店より1人経営の方がいい
従業員教育もせずに、アルバイトも含めた人海戦術で経営する飲食店は
今後ますます、従業員給与の増大、応募の減少で苦しみます。
お客様からすれば、満ち足りていることに越したことはありませんが、
例えば客席30席のお店でも、ホールに、気の利く女性スタッフが1名が
いれば、十分に営業可能です。
スタッフをある程度かかえた昭和平成型のスタッフ構成は、
令和型の「少数精鋭型」に置きかえるべきと思います。
それが難しい場合は、積極的にIT管理機器やIT接客機器の
導入を行い、スタッフを増やさなくてもいい方向で対策を考える
べきと思います。
非・常識4:
差別化こそ生存の道
一部が重複しますが、ブーム業態店舗やコピー業態店舗を開業しても
すべてのイニシャルコストの回収は困難と思います。
今後は、
本物志向でもっと高付加価値を持つことで、
いくつもの点で差別化してゆかないと
星の数ほどのライバルに埋もれてしまうと思います。
食材の差別化
地域限定食材、希少部位、埋もれた未知の食材などのメニュー化。
価格の差別化
専門店に限っては、販売価格はあくまで、
他店と競合する商品は似たり寄ったりでよく、他店にないものは
オリジナルの価格で売るべきかと思います。
原価率がいくらでないといけないということではありません。
苦労して見つけた食材は原価の10倍で売ってもいいわけです。
立地の差別化
私の覚えているテナントビルの立地の法則は、
●1階の店舗・・・・・売上高が100% の時に
●BFの店舗・・・・ 〃 80%
●2階の店舗・・・・ 〃 60%
●3回以上の店舗・・ 〃 50%
でした。
これを来店状況を均等にする一つの要素は、
来店率が低くなるほど、
①お店の専門性を高める
②1席当たりのスペースをゆったりつくる ことだと思います。
調理方法の差別化
わかりやすいのは、焼き物や蒸し物のお店です。
藁焼きのお店だったり、肉まんのお店だったりです。
北京ダックのオーブンの自動焼きなどもそうです。
店内実演型のオリジナルの火入れ方法で差別化ができます。
提供サービスの差別化
大型のステーキ専門店で、ステーキワゴンを客席に運び
ステーキ肉のカットを提供するお店がありました。
鍋物のお店でも鍋の形状や、たれや薬味の種類や容器等で
演出効果は高められると思います。
商品(メニューアイテム)の差別化
一番理想的なあり方は、
メインメニュースタイルがひとつしかないことです。
メインが一つにサブメニューが複数ある形が好ましいのです。
無駄がなく手早くできてスピーディーです。
しかも、
他店がまねできない
→製法・火入れのコツ・たれ・下処理などの違い
で差別化させる。
(*例:四国丸亀の一鶴=イッカクの親鳥・ひな鳥の商品)
ことが重要な要素になります。
今までと同じ従来からの考え方では、
幸福にならない、旨くゆかないと感じたら、
新たな考えを取り込みながら、
新しい道を作って前に進むことが必要と思います
飲食業は必ず関わる人を幸福にする
すばらしい仕事と信じて疑いません
(了)
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![オードリー7|🥕飲食店研究家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90222992/profile_7eb17812a972b110e06b527ddeeb83fe.jpg?width=600&crop=1:1,smart)