食べ塾38:初めて開業する人が失敗しないために押さえておきたい10か条!
*この投稿は6月24日に再編集したものです
<初めて開業する人の共通した特性は?>
”夢に描いた自分のお店がついに実現する!”
もう思いつくままに、あれもこれも百花繚乱的に、
したいことを全部くっつけてブドウの房のように大きくします。
しかし、
たとえその道の専門家であっても、
ランチはこんな営業します。夜はお酒も売るこんな業態をします。
そしてSNSを使ってこんなテイクアウト商売もやりたいのです。
「AとBとCを組み合わせたお店をしたいんです・・・!」は、
支援の成功率を引き下げることにつながります。
なぜなら「結果の予測がより難しくなる」からです。
そして何よりも、
素人の貴方がそれだけ欲張った飲食業を全部成功させるという保証が
どこにあるというの?・・・なのです!
いったい
このお店を本当に作った場合の 成功率は何%か? は、
専門家でも手が出せないくらいに難解な組み合わせの世界になります。
これを初心者の方は簡単に口に出してきます。(初心者だからこそです)
そんなオールマイティーな複合経営のお店は、
ものすごく多くのスキルや高度な仕組みが必要と考えてほしいのです。
飲食店の成功は、
簡単に! シンプルな仕組みに!
初心者の自分でも長く続けられる一つだけの事業を
確実に成功させることが一番大切です!
■コツ1:したいことの中で1番したいことを
ひとつだけ選ぶ勇気を持つ!
この一つの事業で、
全体の80%の売上と利益を確保する ことが事業成功の基と思います。
例えば、
店内売りで80%、テイクアウトで10%、ギフトで10%などの
売上の振り分け計画とその実行です。
*コンサル的な意見としては、
一つのことで成功できないと2つも3つも同時に始めると、
もっと短命な開業になると思います。(早いと6か月で閉店の憂き目に)
■コツ2:残りのすべての夢は捨てずに、
1号店を成功させた後から順次着手する
事業の実現も、推進もすべて自己実現の欲だからこそ、
人生の強力な推進力になります。
だから、
あきらめずに、「残りの夢すべてに優先順位をつけて順番に実現させる」
ことでよいかと思います。(焦らないこと・確実に作りこむこと)
■コツ3:投資は最小限度にする
あくまでこれは、
「原則的に、令和の時代は金かけないほうが採算点が低いから」という
考えでお勧めする考えです。
*ベースには「簡単に大きな売上と利益をそう簡単には手に入らない」と
いうアフターコロナ時代を想定しているからです。
超高級店を作って差別化するのだから、億円単位の投資をするという考えも
決して間違っていません。自信と責任を負う覚悟があればです。
でも、大半のお店は、
・内装費をかけない
・厨房設備の半数は中古にする
・家賃は「安ければいい」は必ずしも正しくありません。
例えば立地がB級立地でしたら、採算売上になるまでに1年で到達する
ことができずに、2年も、3年もかかるということになり、
家賃は安くても、赤字補填費用(運転資金の1用途)でお金が
毎月出てゆきます。
<開業資金を銀行融資で充当した場合>
銀行融資で500万円借り入れ(借金)
→5年間で返済の場合は1年間で100万円+金利の返済=90,000円弱
→赤字でも黒字でも優先で支払います
→赤字の場合は、自分の預金、親族借入などで赤字が膨らみます
→借入金は(本来)利益から支払うべきお金です。
(*黒字になるまでは、借りたお金で借りたお金を毎月払う形です)
借りたお金が大きければ大きいほど
返済は大変と考えてください!
■コツ4:1人経営、家族経営で
人件費が増えない仕組みで開業する!
これからの開業は、
人件費が高負担、食材費が高負担のWパンチを
乗り切れる仕組みでないと
生き残れない時代に入ってゆきます
新規開業のお店は、
「荷物を満載した貨物機が短い滑走路を離陸するようなものです」
滑走路が途切れる前に離陸しないと激突するか、墜落します。
売上金という推進力が強くないと、借入金という大きな荷物の重みで
離陸ができないことも多くあります。
食材費の高騰は止められないので、
人件費は少なくできる仕組みを強化することが
お店の生存率を高めます!
■コツ5:最低5年間、長くて10年間頑張れる
商売を選びましょう!
私は料理が好きで、作るのも食べるのも、料理について話すのも
大好きです。
だから、住みたいのは「飲食業界だと30歳の時に」決めました。
30歳から10年間は、お金もノウハウもなかったのでサラリーマンをして
どうしたら「独立できるか?」を創業者の方の何人にも聞きました。
私は、お金もなく、大してコンサルの知恵もなく、ただ始めたコンサル業の
仕事を
「寝なくてもやる!」
「どんな面倒で細かい仕事も嫌がらずに、まじめに最後までやる!」
と決めて、地面を這うような思いをしながら成長しました。
”5年間頑張れば、初級プロの基礎はできます”
この頃で成功率50%、失敗率50%くらいでした。(私の場合)
開業して面白くなるのは、2年目から5年目の成長期です
■コツ6:店舗規模と売上規模の拡大を追うと
いつかは転びます
小規模堅実経営で「利益増」を追いましょう!
大型のチェーン店のように「定型」のビジネスモデルは、
1面は成長の法則そのものであり、もう一面は時流とのずれを生む原因でもあると思います。
個人創業者の人は、
一発勝負屋になってはいけません!
第一号店だからこそ、確実に成功させて自信を持つ ことが求められます!
年商が1億円あっても、決算後の利益が150万円の事業者もいますし、
7500万円の年商でも利益が500万円以上あるところも多くあります。
■コツ7:創業から10年間は事業を自慢しない
自慢を始めた時点から進化が止まります。
あなたから自慢話を2度以上聞かされた人は、
”ああ、この人もこれ止まりやな~”と思うだけですから。
自慢はさておき、頂上に向かって進むのみです!
お店の噂をいっぱいされるように頑張りましょう。
■コツ8:お金をかけずに人脈を作る
店舗の開業に関してはいろいろな人にお世話になります。
・金融機関の窓口担当者 ・不動産仲介業者
・店舗内装業者 ・厨房設備工事業者
・空調工事業者 ・看板工事業者
・食材仕入業者(各社) ・印刷会社
・NET設備業者 ・保健所
・税務署 ・商工会議所
その他たくさんあります。
どの業者さんがいいか、どのようにしたらうまく進むか?
その会社や担当者を知っている方を、
あなたが出会うとお得ですね。
日ごろから人脈づくりを心がけましょう。
また、わからないときはお近くの公的支援機関さんや
コンサルの方にお尋ねください。(ゼロなら私が無料で対応)
■コツ9:金融機関さん相手の借金上手になれ
新規で事業を行う場合は、金融機関さんのお世話になることが
ほぼ100%と思います。
融資の承諾は、融資係の人が、
「この人は貸したお金を返してくれる」という印象が
あることが重要です。
・約束したことを守る・・・面談時間は絶対に外さないこと
資料の提出もきちんと約束日に提出する
・礼儀を心得ている・・・・担保があろうとなかろうと、お金を借りると
いう局面でこの身だしなみや言葉遣いはない
だろうという態度は禁止です
・書類の数値は実行計画値・・売上見込みもテンプラ、客単価もテキトーに
根拠のないテンプラ数字だと融資は出ません。
「この数字の通りに実行します」の数字が
とても大切です。
融資さえ出ればアッカンべーは絶対ダメです。
1年後にまた資金が必要だとしたら、きちんと
有言実行です。
■コツ10:”今後どう変わるか?”予測上手は
商売上手と思ってください!
混沌とした先の見えない世の中では、
それでも、
曲りなりに予測を立てた人は対策を立てて実行するから
予測を立てない人に比べて勝てる立場になる!
わけです。
何も考えない人には、じゃ!こうしよう!はありませんね。
そうすると、いつまで経っても勝てる立場になれません。
今の現象を素直に見つめる
違和感があるものを見つけて、ありたい方向が何かを考える
どうしたら、それに近づけるのかを考えてみる
一度にゴールまで考える必要はありません。
3度も5度も10度も時間のある時に考えて、
もし、ひらめいたことがあったら「メモる」だけ
その種が対策の原点になります。
(了)