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飲食店未来塾122:食べたい料理の「商品力」は15の要素でできていた

どんな飲食現場でも「売れる料理」(たべもの)の商品開発においては、何度も試作と試食を繰り返して開発されています。これでやっと完成した!とデビューさせても、思うように売れるのは半数どまり、がシビアな現実です。・・・基本は、「気に入った人だけお金を出して買う」からです。

売上の最先端を行くマクドナルドさんは、「おいしさ」「お得さ」「手軽さ」の3つを中間決算書に掲げていました。テイクアウト業態ならではの的を得たスローガンですね。

いまや商品開発は、ターゲット層を広域から特定顧客層に向けて開発してこそヒット作が生まれる時代です。これらの商品力の要素を複数持つ料理が最も売れる料理になります。

この商品力とは何かを分解すると「直接的な料理そのものが持つ商品力」と「料理が売れる間接的条件という商品力」に分けられます。そのひとつひとつを見てゆきましょう。

直接的商品力<12の要素>

1,美味しさ(味わい)

単純に食べておいしいことはもちろんですが、それに加えて、「支払う価格に見合った価値のある美味しさ」がないと、売れ行きは一過性で終わります。(少なくとも同等もしくはそれ以上の美味しさ)

中国から伝わった五味や鮮度などが複雑に絡みます。

2,見た目

盛付けのきれいさ。(日本人は二度食べると言われる~目で食べ味で食べる)色合い(五色~赤、青<緑>、黄、黒、白)、ビジュアルさ。

3,品質

鮮度、食感の良さ、安全性(アレルギー表示、添加物表示)、栄養価表示。特に食材の持つ鮮度の良しあしが商品力に大きく影響します。

4,ボリューム

節約時代のトリガー外しはこのボリューミーな商品開発とごちそう感の2つの要素です。
通常以上に予測を超えた盛付け量が多いこと。大盛り、特盛、得盛、極盛り、二倍盛りなど。

5,ごちそう感

高級食材を使う。複数の食材を豪華に盛る。セット料理やコース料理で食べ切れないほどの多彩な料理を提供する。たまに食べる時、嬉しい祝い事がある時は大判振る舞いをします。

金子半之助の天丼

6,価格

いまは不景気の時代ではないので「価格が高いと売れない時代」ではありません。節約時代は無駄な買い物をしない時代であり、「価格の高さよりも支払う金額に見合った商品価値があるかどうかが吟味される時代」です。

●料理のボリュームが価格に見合っている
●価格に比べて期待以上の美味しさがある
●価格に比べて期待以上に食材の鮮度が良い
●他店にない料理がある
●他店にないオリジナルな調理法で食べることができる
こういう「感動要素」が複数あれば間違いなく売れます。

7,手づくり

個人店が大手のお店に勝てる唯一の方法は「手づくり」の仕上げです。

手間暇かけて仕込む料理。日数を掛けて完成させる料理。主役になる人をクローズアップさせることで料理が大きく評価されます。

8,ブランド力

ローカルエリアでのブランド力や、この料理に関してはというブランド力で構いません。信頼性や認知度が高いブランド力のあるお店の料理は選ばれやすい。

9,ストーリー性

料理や食材に関するストーリー性(ものがたり)があると、その料理のイメージが大きくアップします。これはどんなお店にも当てはまります。信ぴょいう性のあるストーリーを決めて店頭や店内に表示してみてください。

10,食器づかい

料理が一番映える食器を使う。料理に使う食材の色が映える食器が一番おいしい景色を演出します。

11,食材の信頼性

●国産かどうか
●生産地、生産者情報
●ブランド名
●食材についての説明
●オーガニック
●偽装がないこと、勘違いを促す表示がないこと
●添加物表示(重複)
●アレルギー表示(重複)

12,メニューの多様性

特定の看板料理や人気料理を、利用時間帯別に「提供スタイルを変えて」メニュー化することで、利用者の便宜を図ること。店側の伏線のメリットは、実際は少ない作業数でもより多くのメニューに見せることができる。

ランチメニュー、セットメニュー、コースメニュー、テイクアウトメニュー、デリバリーメニューなど。

間接的商品力<5の要素>

料理の商品力だけではパーフェクトな売れ方は望めません。特に、サービスレベル、提供スピード(高級店はタイムリーな提供タイム)、客層の同一性の良し悪しにより料理が100点でも評価は上下します。

13,接遇サービスレベル

おもてなし力。ホスピタリティーが特に問われる時代です。また、重視してコストが上がる分だけ、価格転嫁できる時代です。

14,提供スピード

1000円以下の売価の飲食店やテイクアウト店は、この提供スピードも大きな間接的商品力です。高級店になると、お客さまごとの食べる速さに合わせた料理の提供タイミングが付加価値になります。

15,客層の同一性

ひとつの客層でひとつの過ごし方のまとまりでも構いませんが、実際は、異なる2~3の種類の客層でも、店内での過ごし方が一つにまとまることで、すべてのお客さまの満足度が大きく上がります。(特に高級店や夜間のお店の場合)

16,SNSの評価が高い

同じ美味しさのお店同士でも、SNSの評価が高いお店の方がゆきたいお店です。もはや、SNSのクチコミは、お店から常連客に方にドリンクを一杯ごちそうしてもSNSにクチコミの投稿をしてもらう時代です。

実に、SNS対策をおざなりにしているお店が多くあります。悪意の書き込みが向う10年間ほどまじめな営業の障害になります。

17,利用しやすい店舗条件

その他の条件をまとめて書いておきます。

●店舗がわかりやすい(視認性が良い)
●駐車場がある、出入りしやすい、駐車しやすい
●客席が選べる
●ひとりの利用ができる など。

これらの商品力の条件をいくつか持つ商品を開発してみてください。その際の食材原価率はやはり「35%」までです。

半年で2~3%上がります。半年たったら売価の微調整が必要になります。根気よくじっくり取り組みましょう。勝つために!

(了)





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オードリー7|🥕飲食店研究家
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします