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食べ塾76:飲食店が行うべき値上げメニューを克服する7つの方法をご紹介!

■値上げメニューの検討は、値上げするかどうか
 迷うところから始まる

  今年(令和4年)4月からの諸物価一斉値上げを考慮すると、
「値上げしないお店は値上げのたびに収益が悪化する」
ということがはっきり見えてきます。

例えば月間の食材原価率の平均が33%のお店では、総食材仕入れ額が
3%上がった場合は、約9%の値上げを実行しないと
同じ利益率にはなりません。
  値上がり率3%÷店舗の食材原価率33%×100%≒9%

メニュー価格平均で9%アップという事例は過去45年間1度もありません。

<今回の値上げに対するお店の態度いろいろ>
1,春に値上げして必要なら秋も値上げする<2回値上げ派>
2,今年中、できれば夏までに1回値上げする<1回値上げ派>
3,売上減が怖いので収益が減っても、値上げはできる限り我慢する
                     <値上げ回避派>

メニュー価格の引上げを成功させるには、

「値上げを決断する」という強い決心が
「成功の隠れ条件」になります~コツの1番!


■値上げメニューを成功させる克服方法

1,ハーフサイズメニューをつくる

   ここに1皿の価格が食材の高騰により、4500円から5000円に値上げ
するという料理があります。
お金を持っている人は関係なくオーダーできます。

しかし、4月以降は節約(緊縮)志向が数か月は強く出ると思います。
そう言う時には、
  料理5000円 ハーフサイズ2750円 と半分量で55%の価格
設定したらいかがでしょうか?
*このサイズが小さくなると少し割高という設定も、ワインや地酒の
 売価の法則を取り入れています。

ハーフサイズになると金額は半減しますが、オーダー率は2倍近くに
上がりますので売上の大きな減少はありません

*レンタルサイクルが60分1000円が、30分500円ということと同じです。


2,高額売価メニューは分量を70%~80%にして
  売価も引き下げて割高感を消す

  例えば焼肉店で神戸牛の商品が1人前2800円を3500円で売らなければ
ならなくなった時に、
●3500円売価は「自分のお店では限界金額を超えている」と判断される時に

  高額過ぎるメニュー群だけ分量を70%~80%に減らして
  少しでも割高感を和らげる価格で販売する

ことを検討しましょう。

  なかなか手が出ない高額メニューでも、たまには食べたい、少量であっても少しは食べてみたいという欲求は多くの人が持っています。

メニューの消滅よりは2/3又は3/4量のメニュに切り替えて残す
ことが、お店とお客様の双方にとって良いことと思います。


3,食材の置き換えやハーフミックスを行う

食材の置き換え例
  エビチリソース     →   イカチリソース・鶏チリソース
  鶏のから揚げモモ    →   鶏のから揚げムネ
  ハッシュドビーフ    →   ハッシュドポーク
  牛レバー        →   豚レバー
  牛タン         →   豚タン

ハーフミックス   
  もつ煮込み牛もつ    →   もつ煮込み牛もつ50%+豚もつ50%
  ハンバーグビーフ100%  →   ハンバーグ合い挽き


4,食材MIX料理を多く売るとともに、
  5%分量を減らして5%価格を引き上げると
  10%の値上げの利幅が生まれる


   今年は「カレー」の当たり年と思っています。
食材MIX料理とは、
カレーライス・ハヤシライス・パスタ・スープ類・ハンバーグ・鍋料理
などの多くの食材が細々とたくさん入って一つの料理になる
料理を意味します。

これらの料理は、ステーキのように品質とボリュームがあからさまに
チェックできる料理ではありません。
美味しく満腹度、満足度の高い仕上がりであれば、問題なく売れます。

同じカレーを値上げする場合は、ご飯の量を変えずに、ルーを5%減らして
販売価格を5%上げてみてください。
全く同じ商品ボリュームで、10%値上よりは売りやすいと思います


5,ショップインショップメニューを加える

   やや高級な価格の肉や魚のメニューのお店があるとします。
どれも大切なメニューであり「価格を上げるしかない」場合には、
別メニューを別店舗名(仮想店舗)として登場させることで、
値上げ感を中和出来て、離反客のつなぎ止めができると考えます。

高級焼肉店      →  肉の端材・ホルモン・安価な関連食材を
               使った1品料理を別店名でデビューさせる

魚料理店       →  端材は他の海産物を使って海鮮串焼きや
               変わり天ぷらなどをデビューさせる

店内で仮想店舗名のメニューを出すメリットは、

⓵本体のお店のグランドメニューが高い位置の価格であっても
 仮想店舗のリーズナブルな価格と商品群が値上げストレスを中和して
 くれる作用をします。
 従って、離反客の増加を防止できる効果があります。

②メニューの追加削除・急な変更を行っても本体のグランドメニューには
 悪影響が出ません

③必要な時期に必要な「補完メニュー」として活用できる。
 *居ながらにして別店舗的なメニューがオーダーできる


6,高額食材すぎる食材はメニュー化しない
  ようにする

  高額仕入れ食材で調理した料理はやはり高額販売になります。
自分のお店のお客様にとって、このセット価格は?この単品価格は?
売価限度を超えていないだろうかと考えてチェックする必要があります。

低価格~中価格の商品群が多少値上がりしても、元々の高額商品が、
また1段と値上がりすると、
ますます「ここのお店は高いお店」と認識されてしまいます

必要なメニューを残して、他はカットすると高額メニュー数が減少して
意外とすんなり値上げメニューが成功します


7,売れる「上限価格」を超えるメニューは
  すべて削除する

  6の事例と似ていますが、
高級食材を使うメニュー
セット内容の点数が多くて高額設定になっているメニュー
などの高額販売にならざるを得ないメニューを対象に、
削除有無を判断していただきたいと思います。

<顧客や一般客の新メニューに対する判断の種類>

●値上げしたメニューでも今後も利用する
●利用するがフトコロ具合に応じてオーダー品を吟味する
●利用回数を減らす
●たまにしかいかないようにする
●自分が利用する店ではなくなったので他店を探す
●安いテイクアウトメニューは利用する

値上はお客様にはダメージですが、

お店にとってみればもっとダメージです

生き残る=値上げはどんな努力してでも
成功させる

そういう覚悟で取り組むのが
今回の値上げではないでしょうか
よろしくお願いします!!

(了)


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オードリー7|🥕フードビジネスクリエイター
飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします