食べ塾:新しい飲食店サバイバル時代に必要な10の生存条件とは?      ~元気になるヒントがあります!

■1:融資・公的資金支援が受けられること

  お店の経営にとって運転資金は、
人間に例えると命をつなぐ大切な食糧であり血液になります。
特に飲食店は月々の売上変動が大きい業態という特徴があります。

生き残ろうと思えば、
それは借金の多さではなく、経営者の「お店をつぶさない」固い意志があるかどうか?なのです。
赤字であっても融資や公的資金支援が受けられる通常の健全な経営基盤が
あるかないかになります。

<融資が受けられなくても切り抜けたいとき>
1,安易に市中の資金を借りるのではなく、「回すお金を手に入れるため」
  の資金獲得活動をする。

  ●人と調理技術を持っているので、お店から人材と調理技術のヘルプが
   お金になると考えてください。
   弁当店の応援作業、選果場の応援作業、宅配応援作業、スーパーの
   商品仕分け作業などをスポットの業務契約で取り込むのです。

  ●自店で仕込んだメニューにない商品(焼き鳥、唐揚げなど)を店頭で
   原価の150%で販売する。
   (*市価より25%~30%安いので売上を短期間で作りやすい)


■2:少人数経営・少人数家族経営

  今までもこれからも、一番大きな飲食店の課題は、
「食材比率」と「人件費の額と比率」になります。

少人数経営や家族中心の経営でお店の経営をするところは、
人件費の絶対額もそこそこであり、
生き残り条件としては絶大な強みを持っています。
人件費の圧縮もできるし、意思統一に関しては少人数や家族経営の繋がり
での強みが発揮できます。

人件費負担が小さいこと、売上に応じた融通が利くことが強みです。

<人件費が大きい場合の乗り切り方>

●保険や身分保障をお店が引き受けて、社員やパートさんを「業務提携先に
 出向」して協力してもらうことです。

●別部門、別会社を興して人件費の分散を実行することです。

■3:店舗家賃が不要又は売上比8%以下

●店舗の償却が終わっており、店舗家賃に相当する費用がないお店

●店舗家賃はないが、金融機関への元利返済額(家賃換算の費用)が
 売上の8%以下。

●通常の家賃比率が8%以下、または最大10%以下に収まっている
 
店舗の家賃が不要の場合は、
毎月の売上高の「8%~10%」の現金が貯蓄や他に使える資金となる
ということになります。

■4:食材原価率が「35%」以下の飲食業態

  原価率が35%なので利益率が65%と高いということは、
家賃負担の軽減、借入金返済の軽減、人件費支払いに対する軽減効果が
ある利益体質のお店ということです。

反対に36%~45%超えの食材原価率のお店は、赤字になりやすい
経費構造になっていると思います。

  今後を考えると、
食材原価率36%以上のお店はますます生存が難しくなると思います。
(*例え家賃がいらなくても厳しくなります)

<これからの飲食店は>
①食材原価率30%前後
②人件費負担が少ない
③小中規模店舗以下
④単一食材業態
⑤庶民業態か高級業態のどちらか(安いか高いか2極化)

■5:社会保険料の負担が少ないお店

  大まかな話ですが、従業員数が多くても月収8万円以下が90%なら、
お店負担の社会保険料は最小限度で済むことになります。

●全従業員に対する社員比率

●全従業員の平均年齢

●月間の法定福利費用のチェック(*社会保険料の会社負担分)

社会保険料の徴収も差押え可能な対象です。
消費税も社会保険料も「純利益」から差引かれる経費です。

■6:赤字経営になっている原因がわかっているお店

  実は、赤字経営店の半数以上の経営者の方は、
「オレのやり方は間違っていない!」と信じ込んでいます。
でも本当はその思い込みが赤字経営の元凶なのです。

●時代のニーズに沿った経営でないから消費者の支持が十分でないために、
 売上が伸びずに赤字経営になっているわけです。

●赤字経営の原因がわかっていれば、今は赤字でも後継者が改革して
 正常経営に戻してくれます。

■7:お店の借入総額が「年商の50%まで」のお店

 
  借入総額の多さ(総額)よりも年商に占める割合の方が大切です。

●売上増を行うための「投資」の借入であれば生きたお金の使い方です。
 年商を今後引き上げるための投資であれば、年商の60%比率でも
心配はいりません。

●支払いのための借入金は利益を1円も生みませんので、
 借入すればするほど、支払えば支払うほど経営の見通しが立たなく
 なってしまいます。

<乗り切り方のコツ>
新たに500万円支払いのために借りるのであれば、その支払う元利負担を
稼ぎ出す事業に一部のお金を使うことです。
例:500万円は支払い、200万円は新事業費、合計700万円の元利は
  新事業の売上から毎月支払う仕組みになります。

■8:2極化の両極よりの業態のお店かどうか?

お店の客層が大衆客層か?高級客層か?
  
客層を3分割して大衆客層、中間層、高級客層と分けた場合に、
今後「中間層」が分解されて大衆客層に70%くらい、高級客層に30%
くらい分化してゆくと予測しています。

主婦層・サラリーマン層も2極化してゆき、より堅実な消費行動をとる
ようになると見ています。

客単価が大衆客価格か?高級客価格か?
  
いずれのお店にしても「美味しものを提供する」原則に変わりません。しかし、食材の仕入れ価格に応じた、サービスレベルや店舗のおもてなし
レベルに応じたメニューの価格設定に変ってゆくと思います。

日常遣いのお店か、ご馳走・ご褒美のお店かで2極化する

<どうするか決める前に数値変化を調べてみる>
お客様のニーズとお店のやり方が食い違ってきたときに出る現象

●月間の売上高の推移

 昨対同月の売上の数値(3年前、2年前、1年前、今年)

●平均客単価の推移~ランチ・ディナー・総合の3つ
 市場性の変化やメニュー切り替え時の変化は、この平均客単価の
変化で確実に読み取れます。
平均客単価は、1日、1週間、1か月、半年、1年でも出せます。

●Aランクメニューを食材別分解、調理方法別分解、価格別分解して
 「利用顧客層イメージを描き出す」こと
 
居酒屋でしたら1人が料理を2.5皿とってドリンクを2.2杯飲んでいる。
そして平均客単価が3,250円だったとかわかります。
また、自店でのどの調理法で作ったどの料理が好まれているかも
わかることになります。 
 (*Aランクメニュー=売上の75%を占める複数の料理メニュー)


■9:食材の店内適正在庫は「最大3日間分」として
   仕入れ管理しているかどうか?

  3日間~10日間と長期の連休でもない限り、多くの食材業者さんが
毎日配送していただいているわけです。
キッチンスタッフの安心感のために、中には半月や1か月を超える使用量の
食材も棚に大量にある場合もあります。

<やってはいけない仕入れ商品のあり方>

●毎日来る酒屋さんのお酒類を大量に仕入れる

●食材会社の担当者に在庫チェックさせて注文数を出させる
●食材会社の担当者との検品作業をせずに一任する
●食材会社の担当者に受領サインを代行させる

●特定食材の値上がり予告で「まとめ買い」する *現金を寝かせる×
●箱買いして自店の消費数量以上に在庫を持つ
●翌々月支払いにする *得してません3~5%の金利のせ納品価格×
●月末前の数日間の翌月ジャンプ仕入れは、結局得するのは納品業者
 信頼を得た分、納品数量も価格も骨抜きになります。
 翌月からはすべて総額同じレベルで支払っています。

等があります。  気をつけましょう!

安易に10日間~2週間と食材在庫量を持つことは、
現金が否応なしになくなる危険な健全経営の妨害行為
です。

■10:シンプルな仕組みの飲食店の仕組みがあること
 ~これからは仕事のスキルアップに
  時間がかかる業態は劣化するしかなくなります!

  プロがいなくても3か月もあれば、素人がセミプロレベルで飲食の
仕事ができる仕組みを持つお店が今後も有望と思います。

●パソコンが使える
●あらゆるすべきことをマニュアル化できて全員で共有できる
●単純化、シンプル化で分かりやすい
●1か月間~3か月間で一般レベルの仕事のレベルに入って行ける

等が必要と思います。



再投稿 加筆修正済 

(了)

  


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