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食べ塾:焼鳥店は「基本の数値」を守ると「確実に黒字経営」できます!

  私がお茶を買いに行くスーパーの近くに、居酒屋だったお店が、
焼鳥のテイクアウト専門店として開業して、もう数か月が経過しました。
同じ経営者の方であれば、多分従業員さんはすべて解雇されて、経営者の方が店舗経営されていると思いますが、
テイクアウトという新たなニーズの取込みで、お店の命脈を保っていると
思いました。

テイクアウト焼鳥店の経営は、小さな商圏の需要さえあれば、1日の売上が
2万円~4万円ほど確保できており、デリバリーを自店で行わない限り、
基本的には、自分一人で経営できるけいえい形態です。

    (焼鳥店及び焼鳥テイクアウト店の特徴)

★初期投資費用が少ない 少人数で良い 調理ノウハウがシンプル
★堅実庶民業態 比較的小規模売上 高付加価値がつけやすい業態 
です。


<焼鳥店の黒字安定経営店の数字についてご説明します>

その前に、
私の頭の中の架空の「テイクアウト焼鳥店」の収入部門を
このように考えました。


店内売上  客席数10席 客単価3000円 1営業日1回転平均とみなす
       日商30000円 25日営業で75万円/月(ベース売上1
 (*お客様の利用は入店時1人3000円均一。串は食べ放題=1人20本
   平均、酒はハイボール、焼酎などがセルフで飲み放題)

 (*店内の席数を多くすると、ホールスタッフが2名以上必要であり、
   テイクアウトの焼鳥が間に合わなくなるので、上限1日10名にする)

焼鳥テイクアウト売上 1日30000円25日営業 75万円/月(ベース売上2
  純・焼鳥串アイテム・・・・・1本120円税込(8種類~10種類)
  肉串アイテム
  エビ・イカアイテム
  野菜串アイテム
  アレンジ串アイテム・・・・・肉巻きスタイル、2本串メニュー
   (*肉串以下は、立地、周辺店舗の客層、自店の客層、地域性で
     商品内容を決める、変更は自由に行う)

   (*焼鳥店も「季節感の演出」は非常に大事です。野菜・魚や
     創作トッピングで演出しましょう!)

ウーバーイーツ・出前館などを利用したおまけ的デリバリー売上
  主に盛り合せメニュー(焼鳥ファミリーセット、パーティーセット等)
  確定売上として考える場合は、想定が60万円でしたら、売上予測値額
  は、半分の30万円で売上予算化すると、裏切られないで済むと
  思います。(*期待値が大きいほどダメージが大きいため)

店主と2名の登録スタッフ(店内業務)と、好きな時に串うちを手伝って
くれる数人の年齢不問の「串うちパートさん」たちで構成されます。
目標月商 : 150万円~180万円(3つの合計)
串の本数 : 店内→1人平均20本×10人=200本
(1日分)   テイクアウト→1本平均135円計算(120円~250円)220本
       デリバリー→1日12000円なので、90本

       1日分の仕込本数 合計510本(60本/人時で8.5時間分

■焼鳥店は食材原価率が平均25%未満の業態


安い串(税込100円~150円)は、
原価率が低く、串うちの手間がシンプルであり、
数多く売れる


高い串(160円~350円以上)は、
原価率が高く、串うちの手間が複雑ですが、
自店の特徴づけがしやすく、客単価を引上げる

効果があります

焼鳥、中でも本来の国産の焼鳥は、一番普及しているブロイラーのパーツを使った、モモ、ねぎま、砂ずり、鶏肝、とり皮、ぼんじり、手羽などです。
モモは1kg当たり800円台、ムネは500円台、鶏の内臓や皮のパーツは、
1kg400円~600円台です。

1本当たり20g~50g刺したとしても、20円台~40円台の原価です。
100円で売っても、150円で売っても、食材原価率の平均は許容範囲内です。
→この場合にうまくゆく考え方は、

①地場で通用する商品の価格を最初に決める
 (*後発店はすべて10円引きでスタートすると先行店のお客が来る)
②売価を決めたら、次に原価率25%計算で使える食材のg数を出す
 (商品名・販売価格・グラム数・原価・原価率が決まったら、全体を
  お客様目線で馴染むように微調整する~これが大切です)
③串の食材ごとに、最適g数、焼き加減、お勧め味の選択(塩・タレ等)
 こだわれば、木炭、ヒゴグリラー(電熱の火)、ガスの日の選択もする。
等が決め手になります。

では、なぜ高く売れるのか?→(今どきは)お客様に買っていただけるのか?
仕入れ食材を吟味する力(善し悪しと鮮度)
素材のカットと串うちの技術(経験と熟練度)
焼き(火入れ)の技術(経験と熟練度)
味つけのノウハウの高さ(塩とたれ、探求心とノウハウの蓄積)
ここら辺があるからです。

売上げも1年毎に上がりますが、学ぶことにもゴールはありません。


■串打ちは最大の課題です

   売れれば売れるほど串うちは大きな課題になります。

●1日1000本平均で焼鳥が売れるお店は、7人のパートさんにお願いして
 串うちをやっていました。
 時給で雇用すると、1時間に多く打つ人が大変で逆に不公平です。
 よって、ここは1本〇〇円の出来高制でしていました。

●家族4人でやっていて、平日600本、週末1000本~1200本打っているお店は
 朝から~午後3時過ぎまで打っているそうです。

仮に1本平均売価135円で、パートさんの時給900円とした場合に、
1本の串に「加工原価」がどれくらいか見てみましょう。

1時間に打てた本数  1本当たりのコスト 食材34円+串うち経費の原価率
 120本        7.5円          30.7%
 110本        8.2円          31.2%
 100本        9円         31.9%
  90本        10円         32.6%
 ★80本        12円         33.5%
  70本        13円         34.8%
 ★60本        15円         36.3%
  50本        18円         38.5%
  40本        22.5円        41.9%

これを見ていただければ、
焼鳥店としての良さをとりあえずクリアできる限界は、
1人1時間当たりの本数が「60本」とご理解いただけると思います。

また、出来高制で行う場合には、「1本15円」が串うち作業の
限度価格と思います。

機械打ちの串も多くありますが、
●安い中国産のものは食材的な安心安全度に欠ける
●中国産の豚バラの串はバラ以外も多く使っている
●機械打ちの豚バラは、厚みが厚い
●適度な不ぞろい感がなく、手作り感がない  等があります。


■自店の個性は塩・タレ・トッピングの組み合わせ
 で演出する!

●安い素材だからこそ・・・美味しい高価な塩を使う

●既成品のたれはすぐ飽きる・・・お客様想いなら、自家製たれを作る
  (*注ぎ足しを繰り返すことで秘伝のタレになる)

●若いお客様には、マヨトッピング、ピリ辛トッピングを提供する

●ヘルシー感と食感の変化には、野菜串を加えると食いつまらない


またまた長くなってしまいました・・・・・!
美味しい焼鳥を食べましょう!永遠不変のご馳走です!

(了)

   


       


 

飲食コンサルタント業30年の経験を通じてお知らせしたいこと、感じたこと、知っていること、専門的なことを投稿しています。 ご覧になった方のヒントになったり、少しでも元気を感じて今日一日幸せに過ごせたらいいなと思います!よろしければサポート・サークル参加よろしくお願いします