食べ塾42:地元のコンサルがご紹介する大分県の飲食店事情こんな感じです!
東京から見たら「九州で一番近い県」は、実は「大分県」です。
有名な坂本龍馬さんが、江戸から長崎へ行くときも、
大分県(おおいたけん)の大分市佐賀関(さがのせき:関アジ関サバの
名産地)から長崎街道を通って長崎に行ったと言われています。
人口が114万人くらいの小さな県ですが、「九州初上陸」という
キャッチフレーズの新規開業店がある不思議な県です。
(*福岡市ではないという点が・・・)
大分県のご紹介:
人口 全国34位
112万人(1年に約5000人ずつ減少中)
*大分市は人口48万人 うち都市部人口は20数万人で、あとは
周辺農村部の非都会的人口です。
→48万人すべてが外食人口とみるとみんなコケます!
面積 全国22位
6,340平方㎞ 山と川とリアス式海岸線が多く自然豊かな県です。
*いろいろな野鳥が多くいて癒されます。
人口密度 全国33位
177.36
県内で13市しかありません。
大分市、別府市を除けば、すべて数万人規模の小さな市です。
■大分県は一言でいうと、
焼肉とラーメン、回転すし、ワンプレート
ランチ業態が人気の県です
新規開業には目ざとく一気に集中して、ものの1~2週間や
長くて2~3か月で、開業特需が鎮静化する熱しやすく冷めやすい
県民性のある県です。
長い目で見れば、1,000円未満の客単価のお店が集客できており、
少しおしゃれなお店は、ランチで1480円以下であれば盛況です。
<客層イメージ分類>
・大分貴族(医者・経営者・企業幹部・公務員幹部の人々)
・上級サラリーマン族
・サラリーマン族
・女性客層(20代層・30~40代層・50~60代層の3タイプ)
・高齢者層(お金あり・普通・お金なし←自分笑 に分かれる)
・学生層 (国立系は貧乏、私立系は裕福 仕送りの差)
■あまりに都会的すぎると読み違える大分県出店
いかにも東京で人気沸騰して脚光を浴びた飲食チェーンが、
大分県市場でひどい目にあった?お店が幾例かあります。
*過去10年間くらいの中でのありようです。
●はなまるうどん
大分市に出店して、立地ミスと輸送コスト高で1~2年で閉店
●毎度おおきに食堂
ブーム当初3店舗が開店、2店は1~2年で赤字閉店。
1店は数年後に契約満了で閉店
●バーミヤン
開業して短い年数でびっくりドンキーに変りました
●びっくりドンキー
1店舗?で頑張っていますが、店舗展開はキツそうです。
若い客層でそれなりに人気です。
店舗数がないとTVCM費用負担が大きいと思います。
●ロイヤルホスト
大分3店が2店になり、別府1店で計3店あり
新規はなさそうですが、手堅く固めている感じです
●COCO’S(ココス)
大分市の駅から離れた魔の40m立地で1店舗のままです
ジョイフルの城下町なので、なかなか多店舗化は困難かと?
●いきなりステーキ
数年前に郊外の複合施設に出店して、そのあと大分駅横に2店舗目を
出店しましたが、1年~2年前後で「いきなり閉店」になりました
沖縄系のあっぱれステーキに価格差で駆逐された感じになりました
*立ち食いで肉だけで3000円超えというのが短命の要因と判断
●星乃珈琲
大分市内に1店舗あります 1年以上盛況でした
●梅の花
大分市内に1店舗(40席)があります
奥様族のファンがついています
●すたみな太郎
コロナ禍の1年数か月の中で大分市の2店舗とも閉店されました
県北の宇佐市内に1店舗が健在で営業中
■大分県内で元気に展開中のチェーン店
●ジョイフル
もともと大分県から唯一全国チェーンになったファミレスです
650店舗を200店舗閉店している途中と思います。
40年位前に関わったときは、1店舗の月商は1200万円超え
くらいでしたが、今は推定で700万円あたりかと思います。
●スシロー
一番人気の回転すし店です 県内で7店舗あります
●無添くら寿司
スシローの展開に1~2年遅れで展開中です
●ガスト
ガスト10店舗、ステーキガスト2店舗、おはしカフェ1店舗を
展開中です。デリバリーも盛んです
●すき家
県内11店舗展開中 若者やサラリーマンの利用が多い
●吉野家
低価格で須賀、400円超え、500円超えになると、
ビジネスモデルの変更となると大きな見直しも必要になるのではと
思っています
●かつや
2店舗展開中 近くに同じ客層の若者客がいるお店は売り上げ効率が
よさそうに思います
●大阪王将
1店舗は閉店しましたが、2店舗は営業中 大分的なお店です
●浜勝
3店舗展開中 スタンダードな商品群 他のとんかつ店と共存
●マクドナルド
九州のお店でも、全国でも、大分市のマックは最上位の成績を出した
お店があるそうです(*府内大橋のところ 年商3~4億円とか)
■大分県の良さを感じる各地の地場の飲食店
<大分県の地場の飲食店の特徴>
●地産地消(地元の食材で作る)料理のお店が多い
大分県の飲食店ほど、「大分県産」を強く愛好する県民も
あまりいないのではないかと思うくらいです。
●手作り料理が多い
個人店が多く、小規模店が多いため、
手作りで十分供給できるという調理になっています。
●食材の生産県です
農村地帯、山林地帯の広い県ですし、川も多くあります。
海の幸、山の幸、里の幸、川の幸(鮎・ヤマメ・岩ノリなど)も
豊富な県です。
近年は、県南の魚の養殖とは別に、県北・県中部の沿岸部における
牡蠣の養殖も盛んです。
*食材の価格が安いのも、移住者の方に人気です。
●人口が少ない県です
都会の飲食店と比べて、大分市の都市部の周囲の大型店を除けば、
昼も夜もお客様が多いということはありません。
ランチでにぎわうお店は夕方には閉店したり、ディナーでにぎわうお店は、
昼時は客席の半分程度しかお客様が来なかったりします。
<その他の県内出店店舗>
餃子の王将
リンガーハット
焼肉きんぐ
モスバーガー
ジョリパスタ
杵屋
COCO壱番屋
スターバックスコーヒー
はま寿司
コメダ珈琲
ケンタッキーフライドチキン
サーティーワン
山小屋
串カツ田中
天下一品
道頓堀
カプリチョーザ
築地銀だこ
しゃぶしゃぶ温野菜
■大分県に出店していないお店
●松乃屋
●すし銚子丸
●サガミ
●ブロンコビリー
●木曽路
●俺のフレンチ・俺のステーキ
●サンマルクカフェ
●ビッグボーイ
●なか卯
●デニーズ
●松屋
●鳥貴族
●サイゼリヤ
●ステーキ宮
●丸源ラーメン
●あみやき亭
●サブウェイ
●塚田牧場
●てんや
●魚べい
●和幸
などです
今後どこが出てくるか楽しみですが、
地元の会社に恩恵のある出店をしていただくと、
納品業者さん以外にも、利用客の広がりが出るかと
思います。
開業当初は、
「固定客ゼロ」です。取引先が優先固定客として取り込める
対象になります。
愛ラブOITA !
(了)