オードリー7食べ塾32:飲食店の「飲み放題」は本当に必要か?!
■検証1:本来のお得な飲み放題は変化して
幹事さんと予約受注のために存在している
初期の飲み放題の商品群は、
40年以上前から続いている「宴会時のアルコール飲み放題」は、
始まった当時は、
店売のお酒と飲み放題のお酒は全く同じものを使っていました。
10数年くらい前から
飲み放題専用のお酒がドンドン生まれてきました。
ちょうど第3のビールが流行っていたころからです。
宴会専用の無名の日本酒・芋焼酎・麦焼酎が生まれました。
一番安いウォッカベースのサワーがチューハイとして売られています。
提供レベルの低いお店では、
1杯目は生ビールでも2杯目以降は第3のビールを出すという飲食店や
カラオケ店などが存在しました。
制限なく飲まれることを見越して、コスト削減を酒造メーカーが
後押しした形です。
幹事さんは一律料金でないと徴収が面倒なので、
多人数になればなるほど、飲み放題付きが好きです
■検証2:飲み放題は本当にお得か?
10年以上前の飲み放題は、
宴会コースのご予約をいただくための「飲み放題あり」でした。
よって、税別1500円の時に850円位のドリンク原価がかかっていました。
原価率55%~60%で、お店の食材原価率を引き上げる要因でした。
しかし、1人平均で2.5杯飲んでいた生ビールが1.5杯平均になって、
替わりにハイボールにとって変わり、
1杯平均230円以上の原価がかかっていたものが、70円~90円程度になり、
しかも1人当たりの杯数が減少してきています。
今の飲み放題は、
原価率40%台の儲かるメニューに変わりました
●時間内では、何杯飲んでもいい → 飲まなくなった
●酔う・泥酔する → ほろ酔いで十分満足
●高い生が出る考えの仕組み → 違ってきた
(原価がかかる) (それほどでもない)
何杯ものまず、ほろ酔いでよければ
女性客のように、
1杯づつ一番飲みたいお酒をゆっくり飲む方がお得です
■検証3:飲み放題は今後も必要か?
中低価格宴会需要店には必要です
比較的若い客層が利用されるお店、より多くの人数が会食するお店は
高価格になる予約飲食は好まれません。
よって、この分野の飲食店には、飲み放題は必要です。
中高級店であっても、
日本酒を鮮度よくお酒を味わっていただくためには、
均等に消費できる飲み放題システムは利用価値があります
日本酒は冷蔵していても開栓して1週間ごとに味が変化します。
そして本来の味わいを保つ限度が1か月間と言われています。
「今月のおすすめ純米酒」利き酒フリードリンクリスト
お一人様 5杯まで 2000円
1杯で50ml入る上品なグラスでしたら、
酔い過ぎることなく5杯分味わえると思います。
10種類くらいを消費優先で組み合わせるとよいと思います。
宴会席のない個人店、専門店、高級飲食店にとっては、
飲み放題は、
「利益性も人件費効率も悪い仕組み」になってきています
心地の良い店内空間で、
美味しい料理と気配りのきいた接客があれば、後は好みのお酒が
ひと時を「幸福な時間」にしてくれます。
●体にも良い品質のお酒を飲む
ウォッカ系の安いお酒で、しかも高濃度なものを多量に飲めば
肝臓や腎臓を悪くするに決まっています。
私が過去に知っていた数十人の夜の街で働く女性たちは、
3年以上に渡りまじめに仕事で深酒をすれば、
肝臓がパンクすることを彼女たちから教えられました。
早い人で2年、遅い人で5年。高度な数値になれば医者通いです。
●気分により、お店により、相手によりお酒を変えてみる
なんとなく贅沢なイメージですが、
皆さんは意識せずにいつも行っていることと思います。
宴会コースが廃れてくれば、
飲み放題も大半の役目を終えます!
飲食店経営者の方へ
令和の時代は、
料理原価30%、アルコール原価25%以下で
いかにお客様を満足させられるお店にするか
まさに経営者の方の
腕の見せ所の時代になってきています
経営者自らが、自分が行きたい店は「こんな店!」を、
周りを気にせずに、しっかり実現されてはいかがでしょうか。
(了)
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