食べ塾111:令和4年夏は飲食店にも過酷な時期~7月・8月の現状報告
私の住む県においても、都市部に立地するの飲食店と、郊外地に立地する
飲食店では多少ニュアンスが異なります。
本来は繁忙期のこの時期ですが、7月のコロナ第7波の感染者の増加とともに、外食利用者は激減しました。
現状を要約してお伝えします。
■県内の個人飲食店・飲食企業の現状
●困難1:支援金がない現状で、売上は5波、6波レベルと同じ7波は地獄
やっと何とか工夫して、コロナ禍の2年半頑張って生き延びた末の第7波。
もう国の支援金などはありません。
しかし、
コロナからの回復を目指す補助金確保のためには、事業計画書の作成やPCでの申請など、中高度のスキルがないと難しい状態です。
税理士、社会保険労務士の方などの申請に強い専門家の協力が必要です。
また、申請者全員に出るという訳でもなく、計画の内容が審査に合格し、
しかも、計画の実施後に建て替えたお金が返ってくるという仕組みです。
やはり、資金調達力やスキルのある飲食店や飲食企業でないと、どうしても
ふるいにかけられてゆく形になります。
➡ここで、一番のキーワードは、
「経営者自身が店をつぶしたくない」と真剣に思っているかどうかです
この気持ちのあるなしや、強弱で、金融機関も税理士さんたちも、私たち
飲食コンサルも協力できるかどうかが決まります。
決してやる気が待ったくない人を助けることはできません。
*個人対個人なら手を差し伸べてあげられますが、経営の中では、
経営者がやる気かどうかが、今後の運命を決めます
●困難2:1~2年前のコロナ緊急融資の返済が始まった
さらに消費税も社会保険料も返済が始まった
現状での貧弱な売上状況であっても、1昨年、昨年に融資してもらった
返済金の返済時期が来て、春以降順次どこも返済を始めています。
元金を返済しない場合は、事前申請で金利だけ支払う形です。
普通だったらこれだけの過重負担は耐え切れずに潰れます
だけど、生き残りたいから、潰れては今まで頑張った分が水泡に帰すから
頑張ろうとされています。
<現状>
・資金繰りは火の車
・経営者の年金は支払いにあてる
・役員の給与は未払い又は後日に半金支払い
・お金に換わる株券も何もかも処分する
・奥さんの共稼ぎで生活費を賄っている
こんな2度としたくないことをやりながら、最後の戦いをされています。
7波の後は「感染者数の発表をやめて」、重病者、死者だけを発表する
第5類相当にしてもらわないと、
売上激減+支援金なし でW窒息状態になるのです。
■挑戦する新しい動き
挑戦1:新規の出店攻勢が強まってきています
政府も金融機関も、新たに飲食業に参入することを奨励しています。
そして、商工会議者などの開業支援セミナーなどを受けられた人に、
融資の加点などを与えながら、新規開業を促しています。
金融機関としても、過大な借金を抱えて身動きできない企業ほどの
リスクはないので、新規店を応援しています。
*しかし、コロナ過の影響が残る今では、「砂漠に苗を植える」ことと
同じ困難さがありますから、成功するノウハウを学んだ人しか、
生き残れないと思います。
●挑戦2:既存店のリニューアルオープンが増えます
①客層の変更がしやすい
②リニューアルで近似業態に変えることで、高額メニュー店へ変更できる
③近隣ライバル店と差別化できる業態に替えやすい
④店頭と客席の変更だけで、お金のかかるキッチンの変更は不要なので
1店舗当たり、数百万円でリニューアルが可能。
などのメリットがあります。
●挑戦3:食材と従業員数を絞った業態に転換する
実現すれば、FLコスト率を10%は下げられることも可能です。
月商の10%が浮けば、食材値上げも、コロナ融資金の返済も、リニューアル
経費の返済も、そこから捻出できます。
それくらいの、思い切った構想と実行力で頑張りましょう!
何もしないで潰れるくらいなら、
目いっぱい暴れてから、
やるべきことをやって潰れる方が悔いがない
実行して、
そこに見えてくるものは<活路>です!
と、
私は思います。
(了)