ハンドメイド作家の教育で見落としがちなポイント
最近、ハンドメイドのことで質問をいただく機会が多くなってきたのですが、答えていく中で気づいたことがあります。
それは、ハンドメイド作家さんにとって一番必要な教育は、答えを導く手順を与えるということ。
どうして、私がそんなことを思ったのか。
今日はこんなテーマでnoteしてみようと思います。
ハンドメイド作家の質問の共通点
質問を聞いていて面白いなと思ったのは、ハンドメイド作家さんが一番知りたがることって「やり方」なんですよね。
例えば、Instagramのフォロワーの増やし方とか、プレゼント企画のやり方とか、在庫の処分の仕方とか。
どうやるのか知りたい。
「やり方」よりも「○○方」が大切
でも、「やり方」より大事なことって「在り方」なんですよね。
スポーツや武術の世界には、「心技体」という教訓があるのは聞いたことある方も多いのではないでしょうか。
ここでいう「心=在り方」、「技=やり方」、「体=行動」です。
いくらスキルや経験(技)があったとしても、メンタル(心)がそれに伴わないと勝てないのがスポーツの世界です。
例えば、フィギュアスケートの選手がトリプルアクセルを飛ぶために、最も鍛えるべきことは、トリプルアクセルのやり方ではなく、アクセルを飛ぶときのメンタル(在り方)というのは、なんとなく分かるでしょうか。
飛ぶの時のメンタル(在り方)がしっかりと鍛えられているから、トリプルアクセルのスキルや積み重ねた練習が本番で成果となる。
これは、スポーツの世界だけではなく、ビジネスの世界でも同じと言えます。
でも、ハンドメイド作家さんは「在り方」がない状態で「やり方」を求める傾向がある。
「在り方」がないまま「やり方」を知り、行動したとしても、そのやり方は最大限の力を発揮してくれません。
「やり方」は1通りではなく、100通りも1000通りもあります。
でも、「在り方」がないと、質問の回答で聞いた「やり方」1通りしかできないという状態になります。なぜなら、考え方が分からないから、応用ができないからです。その結果、同じ質問を繰り返し続けるということも。
質問に答える最も効果的な方法
質問をいただいた最初の頃は、そんなことに気づかず、ただ聞かれるがままに「やり方」を答えていました。答えを例として1つ与えていたわけです。
でも「やり方」は一つではない。
「やり方」を知りたいハンドメイド作家さんからすると、そのときの満足度は高くなります。でもその満足度って一時的なもので、何も身になってないことがほとんど。
そんな感覚を感じ始め、「やり方」を導くための「在り方」を徹底的に伝えなければならないと気づいたわけです。
先日、テストマーケティングについてお話させてもらいました。
ここでは、なぜテストマーケティングが必要なのか、テストマーケティングをするメリットなど、「在り方」を伝えることにフォーカスしていましたが、やはり「やり方」の質問が入ってきました。
「具体的なテストマーケティングのやり方を知りたい」
今までだったら、やり方を答えていたと思います。
でも、私は質問にはお答えしませんでした。
質問に答えるのではなく、お伝えした「在り方」を基に、ハンドメイド作家の皆さんに「やり方」を考えていただきました。
その結果、私が「やり方」を答えずとも、たくさんの「やり方」のアイデアが出てきて、私はそれに補足するという感じの流れになったわけです。
感想をいただいた中には、「別の悩みがあったのだけど、解決できるヒントをもらった」という声もありました。
ここで大切なことは、「やり方」を答えたのではなく、導き出す手順を与えたということです。
‟こう考えていけばいいのか”という気づきは、この先も応用がきいてきます。悩みが変わっても、自己解決できるようにもなれます。
必要なのは、先生ではなくコーチ
私自身もハンドメイド活動をしていて、たくさんの壁にぶち当たり、それをぶっ壊しては前に進んできました。
私の場合は、割とアイデアを考えることが得意なので、「やり方」に悩むというよりは、どのやり方を選択するのかをよく悩んでいました。
でも、これも「在り方」がないから、どれを選択するか悩むんですよね。
「やり方」を教えるのが先生で、「在り方」を教えるのがコーチとするならば、ハンドメイド作家に一番必要な師匠というのは、答えを与える先生ではなく、自ら答えを出せる訓練をしてあげるコーチングなんだろうなぁと思うところです。
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