『7、あらすじの書き方。百年経っても読まれる小説の書き方』
note創作大賞、ひたひたと締め切りが近付いて来てますよね。
今日は、みんなが苦手な「あらすじ」の書き方。noteの創作大賞がどの様なあらすじを求めているのか、募集要項に正解は書いてないですよね。
ちょっと応募者のあらすじを読んでみたけど、ちゃんと書ける人、いないですね。みんな知らないから書けないのか? 知っているのに書かないのか?
これから私が書くものは、創作大賞だけではなく、文学賞一般のあらすじの書き方だと思ってください。
小説を書き終えて、あらすじがすらすら書けるのは当たり前なんですよ。私もできなかったことはあった。長い時間唸ってしまうこともあった。今は、頭の中にテーマとそれに沿ったストーリーがちゃんとあるから書ける。書きたかったことがはっきりしているから書ける。
まず、あらすじに近い言葉を書いてみましょう。この他にもまだあるけど、この辺から始めよう。
1.Teaser
これが典型的なTeaser。ATEEZというK-popグループ。
新曲が出る前に16秒で内容をチラッと明かす。もっと長いTeaserもある。4分の新曲を16秒だけ切り取って見せている。メンバー8人が衣装を着て、それぞれのシーンに出て来る。これの場合は、曲はほとんど入っていない。もっと入ることもある。Teaserはイメージを素早く伝える程度。
2.Trailer
これは、予告編のこと。
1分25秒あると、かなりのことができる。
実際のセリフ
実際のシーン
ナレーション 内容を説明
俳優達の名前
監督
原作
個性的なナレーションは入るけど、ストーリーまでは言っていない。テーマと雰囲気を伝えるだけに留まっている。しかしテーマはこれだけでかなり伝わる。俳優も監督も有名どころが揃っているし、この映画がどんな賞を貰いました、というようなことも言っていて、このTrailerは、商品のコマーシャルみたいなもの。みなさん、この映画、こんなに面白いから観ましょうね、みたいな感じ。
こちらもTrailer、1分28秒。
このTrailerは、ストーリーを追っている。これを観ると、どんな話なのか分かるように創られている。印象的なシーンを網羅している。このTrailerを観たら映画を観なくていいくらいに、かなりいいシーンを贅沢にセリフと共に繋いでいる。テーマも、かなりそのものズバリを言っている。でもラストシーンは出て来ない。
3.Synopsis
これが私達の書くべき「あらすじ」のこと。
だけど、Teaserっぽく書いてしまう人が多い。作品の雰囲気だけを伝えている。例えば、AさんとBさんがいました、そしてこんなことが起こりました、さて、二人の行く末は……。みたいな。無駄な「……」が多いのが特徴。三百文字書けるのに、短いのも特徴。
Trailerっぽく書いてしまう人も多い。例えば、AさんとBさんはこんなに凄い人です。こんなに凄い場所で、こんなに凄いことがありました。でもテーマも示唆していないし、ストーリーも中途半端で終わっている。あらすじは映画のコマーシャルではない。
じゃあ、Synopsisってなに? どうやって書けばいいの?
創作大賞のあらすじは300字まで書ける。じゃあ、一体なん文字書けばいいの?
私の考えでいくと、300字書けるなら、少なくとも299字は書く。折角300字書けるチャンスを与えられているのなら、ちゃんと全部書く。去年、私は300字丁度使った。創作大賞のあらすじは、読者に読ませる為ではない、純粋に賞の為なので、ラストシーンまでしっかり書く。
ネタバレは絶対しないといけない。Synopsisは釣りの言葉ではない。TeaserでもTrailerでもない。純粋になにが書いてあるのか、ということを書く。
ネタバレすることを恐れる人もいると思うけど、しかし、そもそも……
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