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エッセイ『雑談』

*この犬は何処かの国の警察犬だそうです。格好いい。
Photo: Patrick Hendry

全部読めますが、100円ください。よろしくお願いします。

この間みんなに、サイバー攻撃で巨大な損失を被ったKADOKAWAの為に文学賞に出そうという話をして、

そう言ったからには自分自身も出さなくてはいけなくなって、書きました。大変だった。そもそも小説を書くのなんて、苦しみが9割で、楽しみなんて1割くらいだと私は感じる。

それで、毎年言っているんだけど、この文学賞は、はっきりは忘れたけど、四つのファイルの書式をダウンロードして、それは多分「表紙ファイル(タイトルとペンネームを入れる)」「あらすじファイル(二百文字)」「個人情報ファイル」「小説本文」。この四つのファイルの書式をそれぞれダウンロードして記入する。そして、その四つのファイルを、去年までだったら、四回別の場所に四回アップロードするという凄い募集要項だった。

そしたらなんと信じがたいことに、今年は四つの書式のダウンロードをして、それぞれ記入をし、四つの文書を一つに纏め、Zip で縮小してアップロードをしろ、というのに変わっていた。

四つの文書を一つに纏め、Zip で縮小してアップロードというのは、私はちょっと考えたら直ぐできたけれども、かなり考える人もいるのではないかと思う。

まず表紙をアップロードする必要はそもそもない。本文の頭に書けばよい。あらすじも本文の頭に書けばいい。個人情報はWEBで投稿する時にもう一度全部書かされるからそれもいらない。

去年も言ったけど、こういう募集要項を思い付く様な方は、よっぽどいい大学でコンピューターについて勉強した人で、小説を書く人とはどういう人種なのか、例えば私みたいな人はどういう頭の構造をしているのか、知らないのだと思う。

それで、謎だったのは、本文をアップロードする為のフォーマットをダウンロードさせる癖に、原稿は40Ⅹ40にしろと書いてあって、フォーマットは40Ⅹ40ではない。もう考えても分からないし、40Ⅹ40の原稿は相当読みにくいと判断したから、フォーマット通りの形式で投稿した。


今までで一番素晴らしかった文学賞の募集要項はこれだった。「小説をこのメールに送れ」とそれしか書いていない。数えたら、11文字だ。意外と大手の出版社の募集だった。それって私の小説家脳にぴったり当て嵌まっている。もし、誰かのメールした文書が先方で開けなかったら、開けないからなんとかしろ、と言えばいいことだし、そもそも小説はタイトルと本文があればいい話で、本名とか経歴とかは受賞してから本人に聞けばよい。

小説がいいか悪いかを判断する自信がないから、年齢とか性別とか、小説を書く上で、全く関係のないことを知りたがる。

よく、文学賞をとる為にはああしよう、こうしようと書いていたり、YouTubeで喋っている人達がいて、その出版社主催の文学賞をとるということは、その出版社に就職するくらいの勢いで、履歴書を書きましょう、会社のことを調べたり、審査員のことを熟知したりすることがとても大事だ、と、言われる。

私に言わせたらそれは巨大なナンセンスで、性別差別、男女差別になるに違いないと思う。私の住んでいる国では、履歴書に性別を書いてはならないし、男女のどっちかを書いてもいけないし、写真を貼ってもいけない。性別や年齢や写真を貼ると、常識のない人間として、まず面接までいかれない。若ければいいの? 男ならいいの? 顔がよくて白人ならいいの? 写真を貼るだけで年齢も性別も人種も分かってしまう。人間を平等に見るという考えがこの国にはある。


雑談にしては、小説の話が続くけど、最近 note の小説は読まない様にしている。読んでもがっかりするだけだ。あんまり正直にものを言うと憎まれるけど、帰国子女だから許して。小説はいつからああなってしまったのか? あなた達のしていることは単なる説明だ。A とBは大学からの友達で、二人は同じ会社に勤めている。会社は証券会社だ。会社ではAとBはライバルだ。AはCという女性と付き合っている。じつはBもCのことが好きらしい。二人はCに気持ちを聞くことにした。3人は会社でよく打ち上げに使う居酒屋に集まった。こういう風に延々と延々と説明が続く。私の先生である夏目漱石が『それから』で主人公代助が親友の奥さんに狂おしい恋をして、その辺のところを一度しっかり読んでみたらいいと思う。

「三千代さん、正直に云って御覧。貴方は平岡を愛しているんですか」
 三千代は答えなかった。見るうちに、顔の色が蒼(あお)くなった。眼も口も固くなった。凡(すべ)てが苦痛の表情であった。代助は又聞いた。
「では、平岡は貴方を愛しているんですか」
 三千代はやはり俯(う)つ向いていた。代助は思い切った判断を、自分の質問の上に与えようとして、既にその言葉が口まで出掛った時、三千代は不意に顔を上げた。その顔には今見た不安も苦痛も殆(ほと)んど消えていた。涙さえ大抵は乾いた。頬の色は固(もと)より蒼かったが、唇は確(しか)として、動く気色はなかった。その間から、低く重い言葉が、繋(つな)がらない様に、一字ずつ出た。
「仕様がない。覚悟を極めましょう」
 代助は背中から水を被(かぶ)った様に顫えた。社会から逐(お)い放たるべき二人の魂は、ただ二人対(むか)い合って、互を穴の明く程眺めていた。そうして、凡てに逆(さから)って、互を一所に持ち来たした力を互と怖(おそ)れ戦(おのの)いた。
 しばらくすると、三千代は急に物に襲われた様に、手を顔に当てて泣き出した。代助は三千代の泣く様(さま)を見るに忍びなかった。肱(ひじ)を突いて額を五指の裏に隠した。二人はこの態度を崩さずに、恋愛の彫刻の如く、凝(じっ)としていた。

夏目漱石『それから』青空文庫


中間くらいの、「仕様がない。覚悟を極めましょう」という言葉を、私は何十年も忘れなかった。最後の「恋愛の彫刻の如く、凝(じっ)としていた」は、漱石の天才が十分に表れている。



自覚しよう。あなたの書いているものは小説ではない。


随分長いこと note に書かなかったけれども、先日書いた、バイト先の会社が倒産して、

給料が貰えないという事態になりそうになったけど、なんとあれから復活して、モントリオールの金持ちのビジネスマンが会社を丸ごと買ってくれた。まあ、あんまり信用できない男だけれども、私の働いている店には半年猶予をやるからちゃんと売れ、みたいな指令が出た。売れないと店をクローズすると脅している。私の住んでいるシティーだけで5つも店があるから、相当大きなチェーンだ。お客さんが私が仕事を失うと泣いていたことを覚えていて、よかったじゃない、頑張れ、と言ってくれる。今のところその金持ちの男がやっていることは、トレンディーなラゲージをどっかから集めて来て売る、という作戦。売れるものもあるけど、かなり売るのに苦労するものも多い。結局家で一番売れているのは、家で創ったオリジナルのラゲージだ。店は私に相当自由に、今のところだけど、ディスプレイをやらせてくれるから、売れた時は嬉しい。やりがいはある。私はファッションの勉強を3年間フルタイムでマジで勉強したから、結構な知識がある。それにこっちのZARAで7年間バッグと靴とアクセサリーの担当だったから、どうすれば売れるのか、経験上分かる。ZARAはあんだけ大きくなっただけあって、マーチャンダイズの遣り方も過激だ。最初の一週間で売れないと、商品をしまうか、がらっとディスプレイを変える。私も今それをやっている。売れないものを同じ場所には置かない。毎日動かす。違うものと組み合わせる。色と形を考える。人はみんなお金を持っている。買わせる。バッグやラゲージは贅沢品で、人は必要があって買う時もあるけど、必要はないけど欲しいから買うという時もある。

今日変な客が来て、バックパックが壊れたから新しいのを寄越せ、じゃなければ金を返せ、と言って来て、でもレシートは捨てたと言う。確かに商品はよくない縫い方をしてあって、私は縫物を死ぬ程勉強したから、そのくらいは直ぐ直せるけれども、普通の人にはまず無理。同じものは売れて無いから、リファンドしてやろうと思ったけど、レシートが無くて返品しようとした人が今までいなかったから、遣り方が分からないと言ったら、あんたは自分の仕事を分かっていないのか、と怒鳴られ、レシートはないけど、バンクステイトメントはあるからこれを見ろ、と言われ、そこには店の名前と引き落とされた金額は書いてあるけど、どうも嘘くさい。素人が勝手に作ってプリントアウトした様にしか見えない。それで私は、この女は嘘をついているな、と確信して、商品の値段を調べたら、女の書いた銀行口座の金額と一致していない。私はレシートが無くて金額が違っていたら私にはリファンドができないよ、とはっきり言ってやって、相手は私のいうことを聞かずに怒鳴り続けているから、しょうがないから上司二人に連絡したけど、誰も電話に出ない。なんせ店番を一人でやるというのは大変なもんで。そしたらその女がお前の上司に電話してやるから電話番号を教えろと言うから、私の直接の上司や店長の給料を知っていたから、そんな馬鹿馬鹿しいことで折角の休みの日に煩わせるのが嫌だったから、もっと上の人の電話番号を教えてやろうとした。私はこれだけヒートアップしている人は危険だからと判断し、さっさとショッピングモールのセキュリティーを呼んでやった。セキュリティーを呼ぶから、と言ったら、いいよと言う。そしたらまた、セキュリティーのオフィスはすぐ側にあるのに、なかなか来なくて、私は今ボスの電話番号を調べるから、と言って、本当は調べ方も知らなかったけど、その人には会ったこともないし。コンピューターで調べている振りをずっとして、女は一瞬も怒鳴るのを止めることはなく、やっとセキュリティーが来たのはいいけれど、なんだか年寄りのおじさんと若いおねえさんで、あんまり頼りにならないな、と思ったけど、セキュリティーが来たら私も反撃に出て、私は返品はできないとさっきから10回くらい言ってますよね、と言ってやり、あんたは私を Insult しているから私はそれは許せないと言ってやり、女はセキュリティーと一緒に店の外に出たけれど、私の悪口を大声でモールの中で喚き続け、いなくなったと思ったら、電話が掛かってきて、You're shit! と言ってきたから、私は Thank you! と喚き返した。その後4回くらい違う電話番号から無言電話が掛かってきたから、電話が鳴っても無視していたらその内掛かって来なくなった。ざま見ろだよね。


いいこともあったよ。5月に種を蒔いて可愛がって育てた朝顔がやっと咲いた。なんせここの気候には全くマッチしていなかった様で、いろいろ調べて、朝顔は夜が長くないと咲かない、と。人工的に夜を作った。こないだから朝の気温が10度を下回ったので家の中に入れた。それでも蕾は大きくなるけど、花が咲かないで枯れてしまう。もう駄目なのかな、と思っていたらある日一気に花がわっと咲いて、よく考えたらその日は一日雨だった。ということで雨の日をまた人工的に作った。今は毎日咲いている。

私の趣味はね、意外なことにガーデニングで、小学2年の時からマジでやっている。こっちは夏は夜10時半まで明るいから、なんせ夜を作って上げるのに苦労した。ちなみにそれを、短日処理と言う。マイナーだね。

ヘブンリーブルーという、西洋朝顔で一番メジャーな品種


後、少々くだらないかもだけど、今、「目覚ましエイト」というニュース番組をYouTubeで観ていて、そのホストの男性にすっかり恋をしてしまった。俳優だそうだけど、どこがどういいのか全く説明できない。声とか顔とかもいいけど、多分身体の線がいいんだと思う。ちょっと小さ目のスーツを着るんだよね。そうすると身体の線が出て、その身体の線は上手い具合にカーブになっている。あと、腕を前で組む仕草とか、最高! こっちでは日本のドラマや映画が観られないけど、チャンスがあったら観てみたい。でもきっと失神する。非常に触発されるキャラクター。今度の小説に絶対出て来る。右の人。ほんとに素敵だわー。

この斉藤知事の事件だけど、なんでか知らないけど、私はえらい関心を持っていて、毎日YouTubeで観ている。凄く面白いと思うんだけど。私の意見では、この知事は出たがりで、全国版のニュースに毎日出られるならなんでもするみたいなことなんじゃないかと思っている。


後、最近観ているのは、

これって、猫の話なんだけど、私はこのプロレスラーの人の筋肉が好き。筋肉ってこんなに大きくなるもんなの? この人のプロレスも観たけど、最高!美しい! この人も今度の私の小説に出て来る。ちなみにプロレスは生まれて初めて見た。


そんな訳で、私はバッグ屋の仕事一本に絞りました。画材屋の方はまだ席はあるけど、誰かが病気になったりしたら呼んで貰うことになっている。バッグ屋は新しいオーナーの男は信用できないし、いつ首を切られるかは分からないけど、やっぱり仕事二つは無理。朝10時に行って夜九時まで働いて、また朝10時に行く。日本の熱血サラリーマンの方々には当たり前かもしれないけど。車で片道30分。ドライブってほんとに疲れるね。今年はウインタータイヤを買うことにしました。最低賃金の仕事に行くのに馬鹿馬鹿しいんだけど、決心した。道はカーブも多いけど上がり下がりも多い。画材屋の方は車で8分とかだけど、遠くのモールの方が刺激はある。お洒落にも念が入る。画材屋だと近所の人しか来ないけど、あっちのモールには世界中の人が来る。


まあ、そんなことかな? 今、書いている小説は私の入っているサークルの宿題で、ファッション関係もの。今月のテーマは「墓標」。私にとって非常に書きやすいテーマ。これを聞いて、迷わずあの小説にしました。もう4年くらい前に書いた作品で、数年置きに書き直しているくらい、私の代表作、と呼んでいる。


暫らくYouTubeは更新していないけど、ちょっとずつYouTube Shorts を撮って行くつもり。Shortsって意外と観られる。みんなも観てね。


YouTube「百年経っても読まれる小説の書き方」

本日の第3位から1位まで。

と、いうことでした。みんなもチャンネル登録をしましょう。


私の参加しているサークルです。みんなで読み合って、感想も貰えます。テーマが毎回個性的。8月末のテーマは「墓標」


後ね、そうそう最近二つ仕事をしていて、ストレス溜まっていたけど、結局たくさん働いてもストレスで下らないものを買ってしまうし、料理する気力がないから外食になるし、なんだかお金は貯まらない。

下らないもの。

ハロウィンのディスプレイ


リスさん。可愛くて買ってしまった。セールで千円くらいだったから許して。

私ってほんとに子供みたい。薔薇は私の手作り。シルク100%


じゃあ、またなんか面白いエッセイを書くからよろしくね。

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