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72日ぶりの娑婆

お父さんが72日ぶりに娑婆に戻ってきた。


なんてことはない、入院をしていたのだ。


だけど病名が「骨髄性白血病」でずっと無菌室。
病院の外に出られず窓も開けられない部屋で
過ごしていた。


お父さんは病気が発覚した時は
割と深刻な症状で
一時は緊張が走る状況だったけど
びっくりする回復力で
あっという間に寛解となり
退院にまでなった。


主治医は「全く参考にならない例」と
嬉しいんだか何だかの
レッテルを貼りお父さんの回復を
独自の表現で喜んでいた。



病気が発覚した時に
様々な方法で「骨髄性白血病」を調べたのだけど
調べれば調べるほど
おじいさんが耐えられるのか?
と心配になる程だった。



そんな心配をよそに
お父さんはたったの72日で
退院となった。


薬の副作用もほとんど出ることもなく
げっそりと痩せることなく標準体重を維持し
毎日おやつをモリモリ食べる食欲と
体力維持のためのリハビリ運動も欠かさずに
娑婆に戻ってきた。


何が食べたい?と聞くと
カツカレーと
カルボナーラと
鍋焼きうどんと
醤油ラーメン
と答えた。


74歳の胃袋と思えないラインナップ。


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