“あなたが必要だ”と言われ続けるための行動学 『マーケターのように生きろ』 #628
新年度が始まりましたね。今日から社会人デビューという方、新天地で新たな出発を迎える方、おめでとうございます! 昨日と同じ日常だよという方、お疲れさまです。わたしもそうです。笑
それでも「新年度」という言葉を聞くと、何か始めたくなりませんか?
そんな時におすすめの本が、井上大輔さんの『マーケターのように生きろ:「あなたが必要だ」と言われ続ける人の思考と行動』です。
(マーケティングとかぜんぜん関係ない仕事なんだけど……?)
そう思う人もいるかもしれません。わたしもそうです。でもそんな方にこそ、一読を勧めたい。マーケティングの手法を、キャリアに、人生に活かす方法を綴った一冊です。
著者の井上さんは、ソフトバンクでコミュニケーション本部 メディア統括部長をされている方です。小さな広告会社からスタートして、ユニリーバ、アウディジャパンなどを経て、現職に就かれているそう。
むかしは「お荷物社員」だったけれど、マーケティングのおもしろさに目覚め、仕事のやり方をバキッと切り替えたとのこと。
マーケティングとは「顧客を理解すること」であり、大前提として「人の心はわからない」と考えます。
なんやそれ?と思ってしまいそうですが、「分からないからこそ、理解しようとする」のだと思います。それって、愛ですよね、愛。
どんな仕事をするにあたっても、ずば抜けたスキルや才能があれば気持ちも高鳴るのかもしれません。でも、そんなものを持っていない者にとっては、すべてが手探りなスタート。不安になった時は、井上さんの言葉を思い出して欲しい。
「相手をよく知り、その期待に応える」という生き方があります。
自分を表現するのではなく、人の期待に応えることを追求するのです。
相手が何を求めているかを探り、精一杯それに応える。それが、「マーケターのように生きる」ということです。キャリアを積んだミドルエイジの方が読んでも、自分の仕事を見直すきっかけになると思います。
わたしはマーケティングの会社で社内研修を担当していて、合わせて新人研修でも講義をおこなっています。毎年、課題図書と推薦図書を選んでいるのですが、今年はこの本にしたかった!と心から思いました。もう少し出版が早ければ……。
マーケティングの基礎と、キャリア戦略をいっぺんに読むことができるのですから、こんなお得な本はないですよ。あわよくば、勉強会の講師にお招きしたかった、なんてことまで考えました。
思い返してみると、社会に出て最初の職場は、いきなりの「ぼっち業務」でした。新規事業の戦略室で、自分で考え、自分で業者さんと交渉し、自分でマニュアルを作る日々。上司は朝と夕方にのぞきにきて、進捗を確認するくらいで、指示らしい指示もなく、本当に途方にくれました。
ある日、上司がひと言フィードバックをくれました。
「仕事は、“次の人”のためにやりなさい。あなたの仕事を受け取る人がやりやすいか、分かりやすいか、すぐに取りかかれるか。常にそれを考えなさい」
いまでもハッキリと覚えています。仕事をするにおいて常に指針にしてきたこの言葉。「マーケターのように生きる」って、そういうことだったのかーと、読みながらようやく気がつきました。
相手がしてほしいことを形にできるのは、とてつもなくすごいことなんですよね。そうできればいいなと思いつつ歩んできて、いま、その過程を細かく解説してくれた本と出会って。この姿勢を突き詰めていけば、「求められる人材」になれるはず。
この本は、「あなたが必要だ」と言われ続けるための行動学の本です。
今日、社会に踏み出す方に最大のエールを込めて。
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