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【読書記録】振り返る12月

気を抜いていたら年末、気がつけば年を越しあっという間に中旬に。
いかがお過ごしでしょうか。

なんだか年末年始の実感がないままゆるゆると過ごし、ぼけっとしていたら今年も一瞬で終わってしまうのではと刻の速さの恐ろしさを感じています。

ここ最近はとある賞へ応募してみようかななんて思いながらコツコツ執筆をする日々で、保てないモチベと闘っています。

そんななかでも読書はやっぱり欠かせない存在で、影響されない程度に活字を追いかけて落ち着きを取り戻しつつ、先月を振り返ります📕

・魚神 著:千早茜

千早先生の作品はエッセイしか読んだことがなかったのですが、その文体から滲み出る表現の美しさがツボにはまったので物語も読んでみたいなあと手に取ったのが、小説すばる新人賞受賞作の魚神。

遊郭を舞台にした美しく華やかながらも騒々しく激しい物語だった。
お互いがお互いを必要としているのになかなかうまくいかないもどかしさと、事件の緊迫感であっという間に読んでしまった。やはり文体が好み。

・神様の暇つぶし 著:千早茜

魚神でさらにハマり、続けて読んだ作品。
夏と写真、不安定な恋愛という刹那的な組み合わせが一際物語を際立たせていると思った。
大学生の機微な心が丁寧に描かれている。
ご飯の描写は飯テロ。

・わたし、定時で帰ります 著:朱野帰子

お仕事小説。
定時きっかりに帰る主人公と、定時を大幅に過ぎても気にしない職場の人間たちとの攻防が描かれている。
正直少し前の時代の話のように思える。クセつよ上司はイライラしたが、まとまりが良く読後感はスッキリ。

・ミシンと金魚 著:永井みみ

ずっと気になっていた作品。
読み始めた時はちょっと読みづらいなあと思っていたけど、物語の語り手が認知症の老婆という特殊な立場で、読み進めていくうちに主人公と目線を合わせて世界が見えるようになった。
ひたすら苦しい。他人の悪意がまざまざと見えるのに、語り手の純粋な心では何も気付けていないところがしんどい。

・火花 著:又吉直樹

又吉先生初読み。
笑いのセンスも文才もあるなんて敵なしだと思う。
お笑い芸人を主人公にした物語。

芸人というテーマだからか、又吉先生が書き手だからか、笑いの要素があって面白い。爆笑というよりはクスッと笑えるものが多い。

漫才への気持の動き、師匠の記録、この書籍そのものが伝記のようだった。

・生命式 著:村田沙耶香

なんとも不思議な世界観に引き込まれていった。
全体を通して人間の体や精神の本質みたいな部分をテーマにしていると思った。
好みの世界観だったので他の作品も読んでみたい。


そんなわけで。

自分の肌に合う作家さんの本は水を飲むみたいにするすると文章が飲み込めてあっという間に消化してしまうなあと実感した月でした。

今月もモリモリ読んで執筆も頑張るぞー!

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