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いろいろ(←色々)あった


決定権は「社員」にもあった

私の以前いた会社は、私たち従業員の手でつぶしました。
従業員の未払い金額が積み上がり、1千万円を超えていた古株社員もいました。
それを取り戻す手立てが見えなくなり、なおかつ「黒い影」も我々の前に現れました。突如会社を訪れたA氏が、かつて逮捕歴がある人物だった事を突き止めたのです。
「これは一刻を争う事態なのかもしれない」と、尻に火がついたような気持ちになり、そこからは電車道のように一直線で破産処理に突き進みました。
会社は本来、社長に全ての権限があります。しかし、この場合は従業員も多大な未払いがあったため、従業員にも会社をつぶす権限があったのです。これは結構珍しい事例のようです。

あの時は「会社を守ろう」という正義感などありません。自分たちを守るためという目的しかありませんでした。
結果的に、会社をつぶしたのは、社長でなく、私たちでした。

なんで? と思ったけれど

この年は他にもいろんな事がありました。
「こんな経験したくない」という事がたくさんできましたが、

「これは今の自分の状況を見て、お天道様が与えてきた課題なんだろう、きっと」

と思うようにしています。経験したからこそ知ってしまった新事実もあり、「知らなきゃ良かった」と思う時もありますがきっと時が経てば、「知っといて良かった」に変わるのかもしれません。それも、時が経ってみなければ分からないことだと思うようにしています。知ったからこそ「知らなきゃ良かった」と気づいたわけですし。

勤務していた会社が破産した後でも、顔の見えない顧客に支援をいただくことになり、私たちが迷惑をかけたにも関わらず、皆さまなんて義理堅い方々なんだと頭が下がる思いでした。そういう方の思いに応えなければ、という気持ちが腹の底に貼り付いています。こんな経験、誰もが出来る事じゃない(経験したくはない)ですし、過去の事(傷)はいつまで経っても消え去らないものなんだなぁというのが正直な実感です。

色々あった。
つまり色とりどり、彩りのある1ページが出来たんだ。
そう思い込むようにしています。

ただ、これをどうやって先の人生に活かせばいいのかは、よく分かりません。


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