箱根登山電車が最速だった
夏になると思い出すのが、家族での長期旅行である。
犬とおじいちゃん
もう40年も前になるが、毎年、箱根に4・5日行っていた。
いつも同じところに泊まる。
なのでそこにいる犬とも顔見知り。
ある年、「こっちへおいでよ」と言わんばかりに私をどこかに連れて行く
けもの道を3分ほど降りて行くと、空き家があった。彼はここに空き家があることを教えてくれたのだ。
「変なところへ連れて行かれるのだろうか。戻って来れるのか」と犬を疑ったことが恥ずかしかった。
そこにいるおじいちゃんとも顔見知り。
おじいちゃんの部屋に行けば、ほぼ100%テレビで甲子園を見ていた。
野球好きの私は、たまに隣に座ってテレビを見ていた。
おじいちゃん、なんにもしゃべらない。
こちらが質問してもひと言の返事で、会話が続かない。
数年後、建て替えになったときにそのおじいちゃんもいなくなった。
5日間は歩いた
小学生のある年のことだったと思う。
いつもは父親が運転するクルマで箱根に行くのだが、ある年は父親が休みが取れなかったらしく、母と妹との3人で箱根に行くことになった。
ロマンスカー→箱根登山鉄道→箱根ケーブルカー→徒歩20分で到着。
PhotoAC「くろてんさん」の写真より
例年はクルマで芦ノ湖へ行くのだが、この年は芦ノ湖へは行かず、強羅のあたりをひたすらひたすら歩いていたと記憶している。ケーブルカーに乗ったのも数えるほどだろう。
歩いているだけで、涼しくて、良かった。でも坂道は多かった。
1週間ほど過ごした帰り道
強羅駅から登山鉄道に乗った
ものすごいスピードだった
イヤ、実際は早くない。たいしたスピードじゃない
何日も何日も歩いていたから、歩くのが標準速度になっていたのである。
風を切る登山鉄道が気持ちよかった。
母は、子どもたちに貴重なことを教えてくれた。そう思う。
タイトル写真はPhotoAC「写真魚さん」の写真を使わせていただきました。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。