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「斜陽産業」に身を置いて

大昔、就職説明会でどこかの企業の方から聞いた言葉が頭に残っています。

「仕事は、

◯商品
◯営業
◯広報

の三本柱で成り立っている」と。

今、私はこの三本柱の仕事を「すべて」やっています。

兼務することになった経緯

以前は「商品」のみを担当していました。が、人員が減ったため、3つすべてを兼務するしかなくなったのです。

しかもその「商品」は、限りなく「オンリーワン」のものです。

私のジャンルに携わっている人は、日本全国探しても5人程度です。そのうちの一人が私です。

人員が減った理由は、シンプルです。

売り上げ減少。

利益が出ないから誰も競合参入してこない、だから5人程度しかいない、ということも言えるでしょう。

兼務するとどうなるのか

今までは、「商品」制作に100%注力していました。

しかし今は残りの二つもやっていますので、せいぜい4割ぐらいの時間はそっちに使っているのかなぁ。。。

「商品」には絶対手抜きしない。結果的に自分の気が狂ったとしてもこれだけは譲りません。しかし、残りの二つも非常に非常に重要です。

◯営業
いくらいいものをつくったとしても、それが一般の方の目に触れてもらわなければ意味がありません。ある程度の部分は外注しますが、顧客一人一人のご要望にはお応えしていく。疑問が来たらそれにも回答する。「お客さま相談室」みたいな部署もないので、自分が対応しています。

◯広報
いくらいいものをつくったとしても、それを知ってもらわなければ意味がありません。以前はCM等をするため、「外注」(外部の方にお任せ)していた部分もありましたが、そのような経費もない今は、SNSを駆使して自分で発信していくしかありません。

結局、すべてにおいて手抜きは絶対にできません。バカ真面目と言われようと。

オーディオ産業の斜陽

私は昔、オーディオに凝っていた時期があります。

秋葉原のオーディオショップへ行き、サンスイ、ケンウッド、ビクター、オンキョー、ヤマハ、そういったメーカーのスピーカーやアンプを買ったこともあります。

中でもサンスイのスピーカーやアンプは自分でも気に入っていました。やわらかいサウンドが好きだったのです。

しかし、音響のメーカーは次々と消えていきました。そこそこのスピーカーでも楽しめる今、そこまで音にこだわる必要性がなくなったということでしょう。

しかし、「良いもの」を追求していたメーカーが消える、ということは寂しさを覚えます。

私のいる業界(出版)も、完全なる斜陽産業です。

良いものって何?

「良いもの」をつくろう、お金を出してでも手に入れたいと思うものをつくるんだ。

その気持ちだけはあります。

しかしながら今は、お金を出さなくても情報が得られる時代です。結果、自分ではどんなに「良いもの」と思っていても、結果が伴わない。売れないのです。

ここまでつくって来た

ここまで広報している

ここまで顧客の顔を思い浮かべて対応している

しかし。。。心が毎月折れそうです。

でも「ここまで」、と勝手に自分で「まで」の限界をつくっているのも自分勝手です。

「まで」?、全然そこまでやってないんじゃないのか!

という声も何処かから聞こえる気がします。


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東の京の田舎市民
至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。

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