あなたを変える行動経済学
読書のペースがすっかり落ちてしまいました。
「難しい内容の本ばかり読んでいるからだ」と思うのですが、ちゃんと目を通してみればウルトラ難しいっていうわけではない。
以前ならすんなり入って来た内容が入らない。
「入らない」というより、「いちおう入った気はするけどあっけなく抜けていく」
情報が左上前方45度から右斜め前方160度横へ抜けていく感覚。
変な感覚です。
今回読んだ本も、しっかり読めばおもしろいのですが、部分部分で「抜けていく」状態でした。
あなたを変える行動経済学(大竹文雄)
「行動経済学」とあるので「経済学」なのですが、どちらかというと人間の心理が大きく関連しているので「心理学」を連想させる学問です。たとえば、
◯腹が減っていると買いすぎてしまう
◯同じ「400円」でも「500円→」だと「安い」と感じ、「300→」だと「高くなった」と感じる
といった事が紹介されています。
「偏差値60」も、他の人が偏差値70だと「自分は低い」と思うけど、他の人が偏差値50だと「自分は高い」と感じる。こういうのを「参照点(比較対象の点)」と述べています。
そういう局面ってたくさんありますよね。
キャッチコピーも、ネガティブにならない表現の仕方を、商品開発者は一生懸命考えていて(それが売れる売れないに直結するから)、政府のキャッチコピーもそれに倣っていて、少しでも民から「ほお、いい事やっているんだな」と思われるような言葉を発しています。なので、(言い方は悪いけど)われわれはそれに騙されない眼力が試されます。
本のなかで「シーシュポスの条件」という話が出てきました。
モノを次々と組み立てる2つのグループ。
Aグループは、組み立てた完成品を見える場所に飾っておく。
Bグループは、完成品はすぐさまバラバラにさせられてしまう。
結果、組み立てることによる報酬はまったく同じであっても、作業はAグループのほうが早かったというのです。
スポーツの強豪校は、何かの大会の成績を残す賞状を貼り出していますが、これもその法則に近いのかもしれません。
あと、これは「行動経済学」かは分かりませんが、片付いていることも無駄な買い物を減らすために必要な事と思います。
「◯◯を買ってきて」と依頼されても、片づいていれば「それは×××の中にある」と指摘できるので、重複して買うことは避けられます。逆を言えば、我が家は全然片付いていないため、買ったものを冷蔵庫に入れようとすると同じものがすでに入っていて「重複して買ってしまったのか…」とガッカリします。
それから、買い物をするときはカートを使わないようにしています。カートを引いていると買いすぎてしまうのです。重いけどカゴを持って歩き回れば、「買いすぎ」は避けられます。
と家族に訴えるのですが、「あんたの言う事なんて…重いのはイヤだからカート持って来て」
と、却下です。
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至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。