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「毒親」は止められない(下)

今回の内容は「毒親」に関する体験談です。読んでいて気分を害すかもしれません。先にお断りしておきます。お詫びします。

前回の話はこちら

自分自身で「毒親」に関する本を読んでいた。

たぶん自分が読んで、自分の親こそこれである、と思いながら読んでいたのであろう。ひどい逸話を少し耳にしたことがあるので。

妻の親は対外的には本当に優しい、評判の高い人だ。しかし、家のなかでは違うのだ。

妻も似たような感じだ。

遺伝、というか親の要素を引き継いだという事なのだろう。

思考の暴走を止めよう、変えようと何度試みたかわからない。しかし、対抗してもまったく解決はしない。自分こそが「正」と信じ、他の道を許さない。
対抗しようと試みればそのたびに大喧嘩になる。

私は疲れ果てた。会話そのものをやめる事にした。

子どもが出来る事は、「離れる」しかない。
下の子がまだ同居しているが、彼は男児だ。なので男としての生き方(というほど偉そうな内容ではないが)を日々少しだけ話し合ったりする。ともに運動をしたりするなかで、言葉ではない内容で互いを理解しあったりもできる(と思っている)。子どもの主張や考えも聞く事で、親である私自身が新たに学ぶ事も多い。

すると妻は、

「子どもを自分の思いどおりに飼いならしているのか」

と私に向かって来る。

言い争いになるだけなので、返事はしない。

本のタイトルにもあるように、妻自身が苦しんでいて、それは「一生」なのかもしれない。しかしだからといって子どもを傷つけていいわけではない。

次の壁

次の大きな壁は、進路だ。
高校進学時も、子どもは工業系への進学を考えたが、妻は強行に普通科に進学することを主張した。

「肉体労働などしたらケガをする。そんな危険な目に子どもをさらすのか」

工業系=肉体労働=危険

そう思い込んでいるのだ。

そうでもないんだ、ということを見せたくて、高校の説明会にも同行させたが、考えが変わることはなかった。

誰かがそういう仕事をしなければこの国は動かない、と説明したりすれば、

「うちの子がそれを引き受ける必要性がどこにある」

これ以上何を言えばいいのか、私にはわからない。

結局その後子どもも考えが変わって普通科へ進学した。

今度はその後だ。子どもは4年制大学への進学を希望しているが、妻は金銭面を理由にあげ、猛烈に反対している。

最終学年を迎えた時、どうなるのか…

最悪、子どもが、卒業前に家を出て行くのではないかと思っている。

離れても、まだ終わらない

伴侶を見つけ、遠くで暮らす子どもにも、妻は頻繁に電話をかけている。

子どもはほとんど電話に出ないようにしている。

すると妻は、「そっちへ行くぞ」というメッセージを送る。「それはやめてくれ」と子どもは返事をする。仕方なく電話に応対せざるを得なくなり、その都度母娘で言い争いをしている。

私と娘は、直接話をする事はほとんどない。LINEでのやりとりがもっぱらだ。当然「妻を説得出来ない」父親である私にも不満はあるに違いない。が、「どうしようもない」という事もある程度は理解している様子だ。

娘も、「たまになら」という気持ちはあるようで、年に1・2度、家族旅行に付き合ってくれる。私達と娘の住まいの中間あたりがちょうど観光地で、そこに宿を取ったりしていた。

ただし、正月にこちらに帰ってくることは(家を出て数年経過しているが)ない。仮に帰ってきたとしても、「その日のうちに帰る」と言い、それは物理的にムリだとしても、「家には絶対に泊まらない。ホテルを自分で確保する」と言う。

本人が変わらない限り、周囲の対応も変わらない。

しかし本人の変化は望めない。それは痛感している。

被害?者側は、今いる環境を変えるしかない。今の時点での私の考えである。


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東の京の田舎市民
至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。

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