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映画へGO!「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」 ★★☆☆☆
(※多少のネタバレあります)
上映3時間半の大作でしたが、多くの方が書いてある通りで、決してダレることのない、あっという間の圧倒的な映画体験でした。
さすがマーティン・スコセッシ監督。飽きさせないストーリーテリングと巧みな演出により、1920年代アメリカの、石油利権をめぐって先住民と欲深い白人がひしめき合う、マフィア的世界を描いた見事なエンターテイメントに仕上がってましたね。
ただ・・個人的にはもう少しヒューマンドラマ要素の掘り下げを期待していたので、そういう意味では、正直言うと物足りなさが残りました。
例えば、ディカプリオとデ・ニーロの関係の最終的な着地とか、同じくディカプリオとその妻役のリリー・グラッドストーンとの間の、最後に別れていく気持ちの機微などをもう少し丁寧に描いて欲しいと思うのは欲張りでしょうか?
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デ・ニーロは、ある意味安定のサイコパスな悪役振りでしたが、いつも通りと言えばいつも通りでそれ以上の驚きはなく、ディカプリオもどこまで行っても身に染みついた人の良さが前面に残ってしまい、妻や家族をこよなく愛する一方で、ことごとく悪事に染まっていくキャラクターとしての人物造形の凄みを感じることはありませんでした。
最後に警察に逮捕されたシーンでは「あっ、マーロンブランドが乗り移っている!」と一瞬感じたのですが、その憑依は長続きせずに、またいつもの優しげなディカプリオに戻っていったのでした。。
むしろ一番印象に残ったのは、ネイティブアメリカンの俳優であるリリー・グラッドストーン。吸い込まれるような美しい瞳を宿しながら、毅然とした態度と品格のある所作でどこまでもスクリーンをリードしていました。
個人的評価:★★☆☆☆
期待値が高すぎて、イマイチ入り込めませんでした。
スコセッシとディカプリオとデ・ニーロが集まって、ノリで面白い作品作っちゃいました・・的な感じを受けてしまい。
ディカプリオもさらにもう一皮むけて、マーロンブランドのDNAを継承して欲しいものです。
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