ハシマトシヒロ

ライター(映画、ドラマ、エッセイ)兼総合武道「空道」指導者。「BadCatsweekly」、「CINEMAS+」、「リアルサウンド」などに寄稿。

ハシマトシヒロ

ライター(映画、ドラマ、エッセイ)兼総合武道「空道」指導者。「BadCatsweekly」、「CINEMAS+」、「リアルサウンド」などに寄稿。

マガジン

  • 昔の話

    昔、芝居をしてた頃などの話です。私小説っぽくなってしまってますが、エモくはないです。

  • 空道の話

    僕が稽古している21世紀の総合武道・空道についてです。 エモくはありません。

  • 嫁千代日記

    嫁との日々です。 エモくはないです。

最近の記事

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弟子は勝手に成長するが、師匠は一向に成長しない。

「ハシマ先生、お久しぶりです。松竹です。松竹リョウ(仮名)です」 留守番電話に入っていた声が名乗る名前は、随分と懐かしい名前だった。 でもその声には、懐かしさが感じられなかった。 僕が知っているリョウは、こんな大人の声ではなかった。 そりゃそうだ。 あの頃僕は二十代だったし、リョウも小学生だったのだから。 二十代の頃に数年間所属していた空手道場で、僕は子供のクラスの指導員をしていた。 あの頃の僕は底辺の舞台役者だったのだけれど、ある公演でいろいろやらかしてしまい、「もういい

    • コメダのギレン・ザビ~文武日記④

      8月1X日 『悪女 AKUJO』という韓国映画を観た。”女殺し屋もの”は無条件で好きなので、これも大変楽しく観させていただいた。主人公が整形して別人として生きる設定なので、整形前と整形後を別の俳優さんが演じているのだが、2人ともめちゃくちゃ体が動く。この2人にバディ組んでもらって、『ベイビーわるきゅーれ韓国版』みたいな作品をぜひとも……! それはそうとこの作品、絶対に初めて観たはずなのに「なんかこのシーン観たことあるな……」と思うことが何度もあった。『ニキータ』や『The

      • プチ上京のはなし

        東京に行くたびに、人の多さに疲れ果てる。こんなに人間が多いところ絶対に住めないと、改めて思う。新幹線で新大阪駅に着き、エスカレーターの右側に立つと、東京から脱出できたことを実感する。 こんな生粋の田舎者である僕も、東京に住んでいたことがある。半月だけだけど。 20代の一時期、僕は小劇場演劇の役者だった。気の合う仲間と小さな小屋を借り、舞台を打ち、朝まで飲み明かすのは楽しかった。こんな生活が一生続けばいいと思っていた。思ってはいたが、一生続くわけがないこともわかっていた。

        • 死にたい人を死なせない人~文武日記③

          8月1X日 投げをこらえた時に、膝からブチっと音がした。 すぐに「靭帯をやった」と思った。靭帯は何度も何度もやっているので、もう慣れっこである。翌日、行きつけの接骨院に行ったら、「半月板をやってるかもしれない」と言われる。「半月板なら治らんで」と脅される。治らんのは困るな。 大きな病院に行き、MRIを撮ってもらう。経験がある人はわかると思うが、MRIの中はなかなかの爆音だ。僕は無神経なのでその状態でも全然眠れるが、ダメな人はダメだろう。この日行った病院は、ヘッドホンで音楽

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        弟子は勝手に成長するが、師匠は一向に成長しない。

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          1週間二郎系を食べ歩いた末の8日目のそうめん~文武日記②

          8月X日 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』のコラムが、無事公開された。 本文中でも触れているけれど、野村萬斎の徳川家康が良すぎる。特に声。長い演説シーンがあるのだが、ずっと聴いていたい。2時間ずっと演説でもいいぐらい。「カリスマ」って、こういう人のことを言うんだなと。野村萬斎がその気なら、独裁国家も作れてしまうのではないか。ちょっと怖くなった。 大事な役で出演されているある俳優さんが、ご自身のⅩアカウントで、このコラムを読んでないとわからない小ネタを使われていた。

          1週間二郎系を食べ歩いた末の8日目のそうめん~文武日記②

          涙腺に良いサプリ~文武日記①

          2024年7月2X日 仕事で書く記事の参考に、『今夜、ロマンス劇場で』という作品を観た。久しぶりに映画を観て泣いた。今日は、『虎に翼』の涼子さまと玉ちゃんの仲直りシーンでも泣いた。よく泣く日だ。多分、年齢的に涙腺が弱くなっているのだと思う。今のペースで涙腺が衰えていくと、劇場版『鬼滅の刃』で猗窩座の走馬灯を観た日には、どうなってしまうのか。劇場でアニメを観て号泣するアラフィフのおっさんというのも、なかなかに気持ち悪い。 「涙腺 鍛え方」で検索してみた。「別のことを考える」

          涙腺に良いサプリ~文武日記①

          【ライター兼武道家・ハシマトシヒロ】プロフィールと執筆実績

          はじめまして。ライター兼武道家のハシマトシヒロと申します。 現在、「リアルサウンド映画部」、「cinemas+」、「BadCats Weely」など各種メディアにおいて、映画及びドラマ・アニメ作品レビュー、俳優論コラム、エッセイなどを寄稿しております。 プロフィール大阪府生まれ、滋賀県育ち、大阪府在住。 中学生時、リー・リンチェイ(現ジェット・リー)に憧れ、空手を始める。 大学生時、映画好きが高じて俳優を志し、卒業後も就職せずに小劇場演劇や自主映画に出演するが、やがて挫折

          【ライター兼武道家・ハシマトシヒロ】プロフィールと執筆実績

          『燃えよ剣』

          『Bad Cats Weekly』様に寄稿させていただきました。 『燃えよ剣』についてです。 迷った時は、「美しい方」を選ぶことにします、これからは。 「美しい」っていうと大層なので、「冷静に考えて自分自身をかっこ悪いと思わない方」を選ぼうと思います。 原作及びこの映画の土方歳三を見て、そう思いました。 心の中の土方歳三に、「かっこわるっ!」って言われない生き方をします。 「時勢などは問題ではない。勝敗も論外である。男は、自分が考えている美しさのために殉ずべきだ」 こ

          『燃えよ剣』

          千葉真一を忘れるな。

          『BadCats Weekly』様で、‶千葉真一追悼エッセイ”を書かせていただきました。 これは、依頼された仕事ではありません。 「千葉真一さん死去」のニュース速報を見た時に、「千葉真一の追悼エッセイを書かせて下さい!」と、編集長に反射的にメールしていました。 なぜか、 「俺がやらねば誰がやる」 と思ってしまったんです。キャシャーンみたいに。 快くオッケーはいただいたのですが、いざ書き出すと、‶千葉真一愛”が溢れ出し、漏れ出し、引火し、暴発しました。 「一記事の目安は、14

          千葉真一を忘れるな。

          ごめんなさい。これが僕なんです。

          カーラジオから、スローバラードではなく椎名林檎が流れてきた。 初期の巻き舌の頃の椎名林檎。 あの頃、芝居やってる女の子は椎名林檎ばっかり歌ってた気がする。 そして、いかに舌を巻いて歌えるかを競い合っていた。 そんなことを思い出した。 せっかく思い出したので、「BadCats Weekly」さんで書かせていただきました。 ありがとうございます。これでまた、嫁と焼き肉が食えます。 お父さんお母さんごめんなさい。 僕はこんな下品な文章を書いて、お金をいただいています。 コロナが

          ごめんなさい。これが僕なんです。

          「夢」で見ていた仕事を

          何年も前から、同じ夢を見ていた。 「願望」の方ではなく、寝ている時に見る方。 夢の中の僕は、どうやら決まったルーティンで一週間を過ごしている。 月水金は、昼間から映画を観に行っている。 火木土は、その映画の感想文的なものを原稿用紙に書き、書き終えたらポストに投函している。 夜は趣味の格闘技の稽古。日曜日は休み。 こんな生活で、なぜか食うに困っていない。ということは、「映画感想文」でお金をもらっているのだろう。 なんだその楽しい仕事は。 特に「映画評論家」や「映画ライター」

          「夢」で見ていた仕事を

          柔術家が空道をやりに来た。

          以前、僕のインタビューを記事にしてくれた、柔術ブロガーのトミショーさんが、今度は空道の体験取材にやって来ました。 その記事がこちら↓ 空道にも柔術にも、そもそも格闘技自体に興味が無い人でも、面白く読めると思います。 変に忖度せずに、僕のことを「変人」と書いてくれているところが嬉しいですね。 取材対象とは言え、「仲間」ですから。 イジってくれた方が、嬉しい。 情勢を鑑みて、長く柔術の練習に行けない日々が続いており、柔術仲間のトミショーさんと久しぶりに手を合わせたのが「空道

          柔術家が空道をやりに来た。

          犬と猫と嫁と夢

          嫁は、犬と猫に目が無い。 「目が無い」って言っても食べるわけではない。 愛でる専門である。 この場合に「目が無い」っていう表現を使うのは、正しいのだろうか? 正しくないかも知れない。間違っているかも知れない。 でも、言語なんてものは、歴史と共に変わって行くものだ。 もし僕がインフルエンサーなら、僕の表現が正しいってことになるさ。 とりあえず、「インフルエンサー」のくだりは、読み飛ばしてもらって大丈夫です。使ってみたかっただけです。 嫁は、とにかく犬猫などの動物が大好きだ。

          犬と猫と嫁と夢

          同窓会と、初めてのラブレター

          「休み時間にドッジボールもせんと、一人でノートに細かい迷路をず〜っと描いてた羽島くんが、こんなに逞しくなってるなんてね〜」 コロナ前に行われた小学校時代の同窓会で、隣りに座った女子がしみじみ語った。 もう自分自身忘れてしまっていたが、そう言えば僕は、休み時間に一人で延々細かい迷路を描いていた。 親に無理矢理やらされた野球が嫌で嫌で、すっかりスポーツ嫌いの暗い子供になってしまっていた。 小学生男子のモテの条件は、「足の速さ」一択だ。 スポーツ嫌いで体育嫌いで当然足も遅い僕は、

          同窓会と、初めてのラブレター

          僕は、「褒められ」を喰って生きている。

          僕は、褒められることが大好きだ。 朝昼晩と褒めてもらえるなら、三度三度の食事が全部カロリーメイトでも構わない。 ただしフルーツ味限定で。飲む方はいらない。 試合に負けても褒めて欲しい。 「負けっぷりがいい」とか。 「道着の着こなしがシック」とか。 「一回で計量パスした。偉い」とか。 まあ、格闘技は無駄に長くやってるので褒められることもままあるが、問題はnoteだ。 以前、長いこと空道の所属道場のブログを書いていて、それがそこそこ好評だった。 試合会場でも、見ず知らずの人

          僕は、「褒められ」を喰って生きている。

          giverとtaker

          最近、何もしてないのに右肩が痛くなる時がある。 なぜか、財津一郎さんのポーズをすると和らぐ。 振動のせいか、自転車に乗ってる時が一番痛い。 だから、通勤退勤の時はずっと「きびしー!」のポーズで自転車を漕いでいる。 年齢的に、四十肩や五十肩になってもおかしくはない。 でも、四十肩は「腕が上がらない」って聞いた。 僕の場合、下ろしてると痛くて、上げた方が楽。 これはどういう状態なんだろうということをツイートしたら、柔術の先輩からリプライが付いた。 あっ、堀さん! お久しぶり