「ヒストリア」本を読んだ感想
「ヒストリア」 池上 永一(著者)
たまたま「宝島」と同じ年代の物語で驚いたが、続けて読んだことで時代背景の理解がしやすかった。
戦後、沖縄からの南米移民達がどのような想いでどのような生活をしていたのかを知るのにとてもいい作品だったが、それ以上に自分にとって今後の人生の生き方を考えさせられるという要素の方が大きかった。
主人公の煉は、何度も全てを失うような悲惨な目にあうが、絶対にあきらめずに再起をはかり、それまで以上の成功を収めてきた。
彼女はマブイを落としているので、最初は自分の生存のみを考えて他人を利用して生きていくが、苦しい想いを重ねていく中で「仁」を大切にするようになる。
この本で心に刺さったのは
「魔物(ヤナムン)は、弱い心から生まれる。強く生きる者にヤナムンは取り憑けない」
という言葉だ。
自分は今まで心が弱かったから悪事に手を染めてしまった。ある意味ヤナムンが取り憑いていた。マブイを落としている状態だったのだと思う。
これからは物語終盤の煉のように強い心を持って生きたい。