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無条件に用意された明日はない(2)同志少女よ、敵を撃て


前回の続き。これを書いてからというものの会社にいる時間が減り、noteへの意欲がまた上がってきているのを感じている。なぜかはわからないが。

というわけで第二回。今回は逢坂冬馬先生の書かれた『同志少女よ敵を撃て』を読んだ感想についてお話します。今回もよろしくお願いします。
ネタバレあるかもしれないので本編気になる人はご注意を。

『同志少女よ敵を撃て』とは

独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために……。同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵"とは?
『HAYAKAWA ONLINE』商品紹介ページより引用
<https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014980/>

本書は2022年春に行われた「2022年本屋大賞」にて見事大賞に選ばれた作品であり、かなり名の知れている本かもしれないです。実際本屋大賞前から私の地元の本屋さんの棚の目立つ位置にありました。その書店の趣味かもしれませんが。

調べてわかりましたが、逢坂先生はこれがデビュー作なんですね。すごい。

読んだ感想

この作品は最初のインパクトが大きいと感じました。

あらすじにも書いてある通り、主人公セラフィマの住む村がドイツ軍により侵略され、母を亡くしてしまいます。その母が亡くなるシーンが個人的にすごい印象に残っています。セラフィマはその時となりにいたのですが、どんな思いになったのでしょうか。

本作は第二次世界大戦の独ソ戦を中心に描かれており、戦争の中でセラフィマたち選ばれた少女たちが戦争にどのように関わっていくのか、その戦争の中で何を思っていたのかを読み取るのが面白かったです。戦争を題材にした小説は高校生の時に国語で読んだ「二十四の瞳」くらいしか読んだことはなかったので読んでいて結構つらい場面もありました。それでも読破できたのは、それだけ面白かったということだと思ってます。

『無条件に用意された』明日はない

戦場で生き残ることはどれだけ過酷なのでしょうか?
一瞬の判断ミスや迷いがその人の人生をすべて奪います。
運悪く。。。ってこともあると思います。

本書の中でも教官の教えを守らなかった子が銃撃でやられてしまうなんてこともありました。やはり戦場ほど「無条件に」生き残れるほど甘い場所ではないでしょう。

戦争なんて歴史の中の話だろうと思うこともたまにありますが、海外に目を向けるとそうではないことは明白だと思います。現代日本は平和な国(平和すぎる国?)ですが、いつまでそれが続くかわからない。

それなら自分の周りが平和なうちにやれることをとことんやろう。

おわりに

思ったのだが、現代社会も「無条件に」生き残れるほど甘い世界ではないのと思います。気の迷いや判断ミスによりその後の人生に大きな影響を与えてしまうことも多いですからね。何を隠そう私が今まさにそんな局面にありそうな気がしています。。。

今回紹介した作品、現在の世界情勢を鑑みても読んで面白い作品だと思いますので皆さんも是非。仕事のサイクルがいい感じに進んでいるので来週に最後の1つも紹介できるかなという感じです。

次回に続く・・・

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