ステッドラーのシャープペンシル、新製品ボールペン2選(元教授の鞄の中身。その5):定年退職38日目
先日、自分用のお土産として、ドイツ出張時によく買ってきたラミーのボールペンについてお話ししました(定年退職27日目)。その際、ラミー以外にもロットリングやステッドラーにも少しだけ触れました。両社ともドイツらしい文房具屋さんです。少し昔話から始めてみたいと思います。
ロットリングは、学生時代にとてもお世話になりました。学会近くになると、私たちはロットリングのペン、文字定規、雲型定規(タイトル写真、写真は他社製品のもの)を使って発表用スライドを作成していました(現在では、Macで簡単に作成・修正できます)。特に慣れない時にはなかなか上手く描けず、何度も書き直しを繰り返しました。例えば、下に当時ロットリングで作成した化合物(スチレン)の構造式がありますが、その中でベンゼン環を描くのが難しいのです。6角形は綺麗に描けるのですが、その中に丸、それもちょうど真ん中に丸を書き入れるのがとても難しかったです(最初の頃は、成功する確率1/2程度)。私のテーマの場合、ベンゼン環が何十回も出てきますので泣きそうになりながら作図したことを思いだしました(下写真)。
ステッドラーは、私にとっては主にシャープペンシルでお世話になりました(もちろん総合文具メーカーですので、それ以外もお勧めは多いのですが(下写真、シャープペンシルは一番下))。私はどうも筆圧が強いので、普通のシャープペンシルでは途中でボキボキと芯が折れてしまいます。今でこそ、オレンズ(ぺんてる)やクルトガ(三菱鉛筆)などの芯が折れないシャープペンシルが出ていますが、当時は皆無でした(それらを実際購入してみましたが、確かに芯が折れないようです。さらに最近、折れないことを利用して0.2 mm!の極細芯まで使用可能になっていました)。
私が芯問題で悩んでいた時、「ノック1回で出てくる芯の長さ」を調節できるシャープペンシルがステッドラーから発売されました。というか、私の芯が頻繁に折れる原因が、ノック1回で出てくる芯の長さの問題だったことがそれで初めてわかりました。少し高価でしたが、画期的なシステム(下写真)なので何本か購入しました。さらに、柔らかい芯でも折れなくなったので、4Bなどの濃い芯が使えるようになり、違った意味でもとても楽に書けるようになりました。今でもこのシャープペンシルは鞄の中に入っていますが、最近は消せるボールペンのフリクションの方を主に使用しているので、ほとんど使うチャンスが無くなっています。
そうそう、そのフリクションペン(パイロット)に新製品が最近発売されていました。基本的にインクが消せるシステムは同じなのですが、インク自体が大きく変わりました。ノックゾーン(ゾーンテクノロジー使用)という名前なのですが、とてもスムーズに濃いインクが出るようになっていました。また、発色も良くなったような気がします(特に黒色)。先日の鞄の中シリーズ(その2)で、以前に大量購入したフィリクション鉛筆(ペン)がそろそろなくなりそうと悩みを書きましたが、ようやく後継者が現れたようです。まずはしばらく、試してみようと思います。
さらにもう一つニュースです!その鞄の中シリーズで紹介した JetStream (三菱鉛筆)にも、先月(3/18)新製品 LiteTouchInkシリーズ が出ていました。ボディーが軽くなり、インクもより“かろやか”な書き心地になっています。こちらも早速何本か購入して、現在試しているところです。文具界はどんどん進化しているようで、うれしくなります。
一方で、昨今アナログの文具系がどんどん減ってきているのが少し寂しいです。今日書きましたように、各社ともすごい努力をして新製品も出しているので、なんとか応援したい気持ちです・・・ただ、この原稿もiPadで書いています(修正は紙に印刷してフリクションペンで直していますが)。将来は、鉛筆やペンも、筆や硯の様に特別な時に使う存在になってしまうのでしょうか。
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