ストコフスキー指揮NBC交響楽団によるホルストの組曲「惑星」
さて、また今朝も早朝覚醒をしてしまいました。数学ブログの書きためもしました。まただらだらとクラシック音楽オタク話を書きますか。好きなCDの話です。
近く、近隣のプロオケで、ホルストの「惑星」を聴くことになりました。楽しみです。この曲を生で聴くのははじめてだと思います。そこで、というわけでもないのですが、好きな「惑星」のCDを挙げたいと思います。ストコフスキー指揮NBC交響楽団の、1943年2月14日のライヴです。
もともと、ストコフスキー指揮のホルストの惑星は、ロサンゼルス・フィルのCDをかなり長いこと持っていました。これは所有から30年くらいが経過するでしょう。いまでも持っています。ところが、これがどうも好きになれないのです。全体的に悪い意味でおおざっぱになっており、とくにスコアを見て聴くとすぐにわかる、冒頭の「火星」でいきなり落ちるトロンボーン。どうも、いい加減に演奏・録音したとしか言いようのないものではないか、と思って来たのです。
それが、いつのころからか、このNBC交響楽団のライヴがささやかれるようになりました。インターネットでの評判もよいです。しかし、それでも私は長いことこのCDを買っていなかったのです。そして、いつだったか、ついに買いました。衝撃!すごくいい演奏ではないですか!
芸が細かいし、なにより気迫が違うし、緊張感の糸が途切れません。完成度の高い演奏です。絶好調だったころのストコフスキーの圧倒的な実力がいかんなく発揮されています。これはすごい!1943年のライヴですが、音質もよいです。鑑賞するのに充分です。
ホルストの「惑星」では、知人のマニアが、あらゆる世に出ている「惑星」のCDを買って、すべて感想を書くという、すごいことをしています。それによると、このストコフスキー指揮NBC交響楽団のライヴ録音は、2種の自作自演盤についで古い全曲録音であるようです。それくらい古い録音なのです。
ストコフスキー指揮のホルストの惑星は、いちおうこれですべてかな、と思います。アメリカ交響楽団のCDは、リハーサルから後世の人が再構成したフィクションです。(リハーサルって書いてありますけど、合唱のいる海王星は、最初に練習するはずではないですか!これ、曲順になっていますけど。)ストコフスキーの最晩年に、ステレオ再々録音が予定されていたようですが、ストコフスキーの95歳というあまりにも早すぎる死によって実現しませんでしたね。
また、ロサンゼルス・フィル盤は、惑星以外は入っていませんでしたが、このCDにはあと少し、まだ入っています。ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」「沈める寺」(ストコフスキー編)、モートン・グールドの「管弦楽のための2つの行進曲」です。いずれもすばらしいです。ストコフスキー指揮NBC交響楽団って、ハズレがないのではないか、というくらいすごいです。
「牧神」は1943年3月14日のライヴ。ストコフスキーがものすごく得意にした音楽ですので、膨大なレコーディングおよびライヴ録音が存在します。そのひとつですね。
「沈める寺」は自分で編曲したもので、非常によくできた編曲です。これもとてもいい演奏です。1944年2月13日の録音です。
モートン・グールドの「2つの行進曲」は、1943年3月14日のライヴで、牧神と同じ日ですね。とてもいい曲、かつとてもいい演奏ですが、なんというか「においの強い」音楽であり、この「惑星」のCDの締めくくりとしては、ふさわしくなかった気もしますね(笑)。そこだけ気になるCDと言いますか。
ストコフスキーのこの1943年の「惑星」をやった日の他のプログラムは、少なくとも私の持っているだいぶ古いデータブックだと、惑星以外にやった曲がわかりませんね。惑星だけをやったのか?
1943年の「牧神」とモートン・グールドの「2つの行進曲」をやった日は、ほかにヴォーン・ウィリアムズの交響曲第4番をやっています。これはこれで別にCD化されていますね。その「ボン4」もすばらしい出来です。それも好きなCDなので、いずれ記事にできたら、と思っています。
1944年の「沈める寺」をやった日は、ほかにバターワースの「シュロップシャーの若者」、アンタイルの交響曲第4番をやっています。この2種もちゃんといい録音が残され、すばらしい出来です。じつは先述の「ボン4」とともに、同じCDで収録されています。「アン4」は、ストコフスキーが初演した曲で(もしくはアメリカ初演?)、長いことストコフスキー自身の指揮で聴きたかった曲でした。いずれ記事にしたいです。「シュロップシャーの若者」は授業前の時間調整音楽としてパソコンに取り込んでいます。
このCD、著作権が1999年ですから、ずいぶん前からCD化されていたのに、所有したのはいつでしょうか。とにかく、すぐれものです。これは絶対にいいです。最後に「2つの行進曲」が流れる点を除いては(笑)。(いや、いい曲なのですよ。ただ、惑星とドビュッシーのあとに流れるのが抵抗あるだけです。)
この「惑星」の「木星」も授業前音楽としてパソコンに取り込んであります。シベリウスのフィンランディアみたいなもので、7分くらいで時間調整にふさわしく(賛美歌が出てくるところも共通しますね)、耳にさわやかに授業を開始できます。この惑星全体を取り込むかは考え中ですね。いいですけど、天王星が少し耳に残るかも。授業をしながら、ずっと耳で「天王星」が流れていたら嫌ですよね・・・。(これは発達障害の業界で「イヤーワーム」とかいうらしいですね。最後に聴いた音楽が、ずっと耳に残り続けるという。だから私は授業前に音楽を聴くのです。これは仕事のために必須であり、ということはCD代は経費か?とも思いますが、まあ経費ではないでしょう(笑)。でも、経費という概念はふしぎですよね。仕事のために使ったお金だったら、なんでも経費じゃん?ってなりますけどね・・)
というわけで、好きなCDのお話でした!さて、生で聴けるホルストの惑星は楽しみだなあ。イギリス音楽の超有名なのばかり集めた日らしく、ほかにエルガーの威風堂々第1番、エルガーの愛のあいさつ、ヴォーンウィリアムズのグリーンスリーヴズ幻想曲だそうです。なかなかすごいプログラムですよね。指揮は松尾葉子さん。これも四半世紀以上前にある学生オケを指揮なさるのを聴いたきりの指揮者ですね。楽しみにします!